人生の問い(令嬢と過ごす夜)  2004年05月15日(土)
昨夜はうさぎ印の京料理屋に行った。
酒がまずかった。


新宿某所。
私と令嬢(あだな)はビル5,6階へエレベーターで昇った。

『あっ、うさぎのしるし ですよ』

「ほ〜。」

『うさぎが 出るんですかね』

「ん〜。肉、硬そうだな・・・」

じゃあ、うさぎにしましょう』

「はい。」



既に会話が噛み合っていないのだが、
この、ポリデントでわざとずらしたような会話こそが、
この令嬢の魅力どころである。ああめっちゃ好き。




我々が店に入ったことも店員たるものが
全く気付かないので
軽く放置される。


「こない〜」

『うさぎ野郎め!』

「みんなシャイなんかな」

『初めて東京来たばかりで 人が怖いとか』

「新宿なのに・・・」

『あのーすいませ  あっ無視された。

「ぐすっ。ひもじいよぅ」

『うさぎ恐るべし・・・
 いちげんさんは眼中に無いの』



いらっしゃいませー



あっ店員。



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やっと席に着いた。

ペット雑誌出版関係の会社の話をしていたら
段々、せちがらいな此の世に
なりました。


酒もまずいですし、
そのせいもありましょうか。
冷静、しかし荒れ模様。


「うーー」

『ほんと どうします?

「あーーもう」

『将来とか、このままいくとしたら
  確実に俺は無縁仏で死にますよ、実際。』


「ウチもなぁ〜、転職ほんとに激しいからなぁ〜
 業界そのものがさ〜、
 みんな渡り鳥みたいなもんやから
 全然、人が居つかない」


『弊社も離職者がやたら多いので
 なんとなく感じは解りますよ』


「出版なんて、同じ業界の中でしか
 つぶしが利かんから
 転職するとしたらまた出版・編集になるねん
 それも まあ 
 
 どうなんかなぁ」


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令嬢の苦悩。
私は将来に対して迷いが無いわけではないが、

しかし
真剣に悩む、ということを、敢えて選択してこなかった。


悩むという状態さえ、
ある程度
自分の選択によって選ばれたアクションだと、実感していた。


だから将来については普段、全く考えない。


だが
令嬢の言葉を聴いてるうちに
私の内部で色んな作用が起こり始める。
見えざる『ぐああああ』が起こる。


ぐああ。

「ブリーダーおかしいわ!」

『おかしいですか!』

「ネコ好きな人って偏り激しいから、もうついていかれへん」

『家族みたいにしてる人とか ひどいですね!』

「そう><><><>
 ほんまそう。
 服着せられてネコがうれしいはずがないのに
 一人で喜んで
 何十枚も編集部にネコの写真送ってくるねんもん
 ついてかれへん
  
       ぐすっ 」


『あああ 泣かないでください


「ひっく ひっく 
 だってさぁ

 あたしそんなにネコ好きじゃないもん」


『ぐあああああ』


「しくしく」


『それはひどいいいいい』


「ぐすっ」


『なぜ我々は労働しなければならないのか!!』

「ほんまに。なぁ。
 そんなにずっと真剣に仕事ばっかりしてられへん」

『ずっと仕事できる人っていますよね
 あれがすごいと思う』


「編集部にもそういう女の人いるけど
 30代なりそうで まだ独身で
 仕事は出来るし 気も強いけど
 でも
 それってどうなん? って思う・・・」


『よこもれギャザー!』





サラダを食らい、

チーズフォンデュは餅ばかり。はぁ。

もちもちしてる。



その後は家で、ぬいぐるみのミッフィーをいじりたおしながら会社の話。


将来、独立する人間というのは、何が違うのだろうか。ぐう




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