告白。ただ、どうしようもない、告白。

2004年11月08日(月) さんのいち

2003年05月02日(金)の日記、『に』の続きです。



私は弱者を甚振る感覚を味わってしまった。
私は好い気になった。

あの時姉は泣きながら懇願してきた。
私に懇願してきた。

「自分で死なれへん!深海が殺して!」

姉は、私の言葉、行動で深く取り乱し、そして多分、もう少しで、

…死んでくれるんじゃないか、と思った。


姉の死ぬという言動に対して、笑みが、零れた。
嬉しい、それは私にとってとても気持ちの良い環境。
嬉しい、嬉しい。



また、姉が病院から戻ってきた時、私は再び紐を持って姉に会いに行った。
前の時の、姉の取り乱す様を思い浮かべながら。


「紐、あげる。死んでよ。」

またきっと取り乱す。好い気味。そして今度こそ本当に死んでよ。
少し、心が沸き立っていた。
こんな事で悦びを感じる自分に、なんの疑問も持っていなかった。
姉さえいなければ。
その思いだけが支配していた。


「はぁ、アンタ何言うてるん?
阿呆ちゃう、死ぬわけないやん。」


返ってきた反応は、私の待っていたものとは全く別物。


………あれ?

心の中で、酷く動揺した。
前に見た姉と、別人になってる。
普通の状態の姉になってる。
動揺した心を隠すために、咄嗟に冷静な振りをして言葉を続けた。


「自分で死なれへんねやったら殺したる。」

「アンタそれ殺人やで。」

「そうやな、でも精神異常者の姉に耐え切れず、とか涙ながらに語ったら、情状酌量の余地は十分にあるし。」

「そうかも知れんけどな、犯罪者には変わりないわ。
ちょっとお婆ちゃん、この子おかしいわ。」

むか。

「頭おかしい人におかしいなんて言われたくないわ。」

「もー良いって。どっか行って。
アンタに付き合ってるほど暇やないねん。」

姉は私を無視して歩き出した。
その時の姉は何故かスーツ姿。
片手にケータイを持って、メイクもしていた。

「どこ行くん、早よ死んでや。」

「この子ヤバイって、警察呼ぶで。」

手に持っていた折り畳みのケータイを開く姉。

取り上げて、真っ二つに折った。

「アンタ何するん!信じられへん弁償してや!」

「これから死ぬ人に必要ないやろ。」

「ふざけんな!」

そこに祖母と母が止めに入ってきた。
「ちょっと○○(姉の名)!
深海に構ってんと早よ行き!」
姉と私を遠ざけようとしている。
でも、姉は聞き入れずに私に向かってきた。

掴み合った。
祖母と母がまた止めようとしていたけれど、私には姉しか目に入っていない。
姉の髪を束で掴んだ。
必死に頭を引く姉。

「離せや!
お婆ちゃん警察呼んで!
殺されるって!!」

私は離さない。離さない。離さない。

思いっきり頭を引いた姉、反動で勢いよく後ろに2mほどつんのめって、派手に尻餅をついた。
手には姉の髪がぐるぐると絡まって残っていた。

「ははは、どんくさ。」

笑ってやった。見下してやった。
アンタは下等だ。
嫌い、憎い、なんでそんな所から私を見上げているの。

「信じられへん、お婆ちゃん警察呼んでって!」

祖母は躊躇っていた。
電話に向かう事はせず、私を宥めていた。

立ち上がった姉に、叩かれた。
3倍、叩き返した。

「アンタ暴力しかでけへんの、頭悪いなぁ!
もっと頭使いーや!」

ふん。
じゃ、お望み通り。

思い切り頭突きを噛ましてやった。
姉と掴み合いながらも、飛び切りのユーモアを演出してやった。

「った…阿呆やろ!
意味違うって!」

「うん、知ってる。
面白いやろ?」

「最悪…!」


と、視界にガラス戸が見えた。
傍には止める母。

良し。

姉の髪を掴んで、ガラス戸に向かって引いた。

それも演出だ。
ガラス戸に頭をぶつけられそうになる恐怖を、姉に与えるための、演出。

案の定、既の事で母が止めてくれたので、私も血を見ないで済んだ。
大成功。

また、笑ってやった。
見下して、笑ってやった。













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