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ご近所さんの味 - 2007年11月15日(木)

先日、高校時代の友人や後輩と遊ぶために地元に帰った。
ついでに実家に寄ると、
お母さんが大量に小アジの南蛮漬けを作っていた。
なぜそんなにアジがあったのかと言うと、
釣り好きのご近所さんが大量に獲って来たのを
おすそ分けしてもらったからだった。
もちろん、お母さんが作ったその南蛮漬けを
分けてもらって我が家の夕食にした。

それでもまだ食べきれない量の南蛮漬けが
余っていたので、お母さんは別のご近所さんに
おすそ分けをしにいそいそと出かけていったりしていた。

この“おすそ分け”の風習は実家の近所では
あたりまえのことで、たぶん、南蛮漬けを
盛り付けて持っていった器には
ご近所さんが作った料理が乗って返ってくる。
下町ならではの良い風習だと思う。


2年前に死んだ犬がまだ健在で、裏口につながれて
いた頃は、留守中でも常に裏口の鍵はあいていた。
一応番犬らしく知らない人が近付くと吠えまくるので
安心だと思っていたのだ。
さすがに今はきちんと戸締りしているし、今から
考えると超無用心だけど、まぁ、特に盗られるものも
ないので問題は起こらなかった。

それどころか、家に帰ってくるとテーブルに
かわいい器に盛り付けられた筑前煮なんかが
乗っていることがよくあった。
たまたま家に誰も居ない時は、近所の人が
おすそ分けに持ってきてくれた料理を、
犬のいる裏口から勝手に上がりこんでテーブルに
置いていってくれるのだ。
犬も近所の人にはなついていたので吠えなかった。

留守中に空き巣被害にあうどころか、ものが増えている家。
とてもレアだと思う。

その器を見て、「あ、これは○○さん家の器だ。
あのおばちゃんが持ってきてくれたんだな」
と、あたりまえに思っていた。

そして我が家の夕飯のおかずが一品増えるのだった。
だから私には、
“おふくろの味”と“近所のおばちゃんの味”
がある。
ありがたいことだ。


いろいろ物騒な世の中なので、
私はこんなご近所付き合いを築けそうな気がしないけど、
こんなやり取りが21世紀になってもあるのって凄いと思う。


...




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