朝。駅の近くの交差点で。信号が青になるのを待っていると、 「おはよー。」といいながら、右から左へそれは通り過ぎていきました。 あまりの突然さに、一瞬時はとまり。なにごとかと視線を向ければ、それ トラックの助手席から身を乗り出して、こちらに向かって大きく両手を振るにいさんの姿が…。にいさんははるか遠く、トラックが見えなくなるまで同じポーズで手を振り続けていました。
信号待ちをしていたのはわたしだけではなく。普通のサラリーマンのおっちゃんや、高校生たち。OLさんなどなど、たくさんの人がいたのですが、…誰の知り合い? もし自分の知り合いだったとして。あまりの恥ずかしさに自らさらけ出すことはせず、ひっそりと他人のフリを決め込む。そう思えば、あの場の誰の知り合いだったとしても、永遠に知られることのない、一過性の娯楽のようなもの。そう思えば済む話なのだが、あのにいさんの心情が知りたいような知りたくないような。
昔。田舎にいた頃。 下校中のあたしの横を宅配便の運転手が、どういうわけか助手席の窓を全開の上、奇声を発しながら通り過ぎていきました。ということが3回ほどありました。
なんだったんだ。
|