彼らはたぶん。金曜日に新宿を出発しました。
全国各地へ幸せを届ける旅に出たのです。
途中、渋滞やら異常気象…数々の困難が待ち構えていたことでしょう。
なのに彼らはそれを乗り越え、目的の地にたどり着き、幸せを届けて。
住処に戻って安息を迎えたはず。

ところが、まだ一匹。幸せを届けることのできない彼。
彼は黒い猫です。
名前はヤマトです。
ほかの猫たちと同じように旅に出ました。
しかし、どうやら道に迷ってしまったようなのです。
ここがどこなのかわかりません。
お腹もすきました。
でも、食べるものがありません。
食べられるようなものといえば、道端の草くらいのものです。
お腹がすいて、すきすぎて…。
もういっぽも歩くことができません。
前に出ることができません。
とうとう彼はお届け物の『幸せ』を、食べてしまいました。
お届け先のうがちゅに申し訳ないと思いながら、食べてしまいました。
だって、お腹がすきすぎて。死んでしまいそうだったから。

ごめんにゃ〜。うがちゅぅぅ。


幸せが届くのを楽しみにしていたうがちゅの耳に、なにかが聞こえました。
「ごめんにゃぁぁ……」
猫たちに託された『幸せ』は、
群馬と神奈川には土曜日に、長野には日曜日に届いたのです。
なのに、うがちゅの埼玉には、まだ届きません。
火曜日の今日になっても届きません。
うがちゅは思いました。
「きっとエンタ（ティ●メント●ールド）が、彼に餌を持たせるのを忘れたから、
……お腹をすかせてたどり着けないのね」
かわいそうに…。
あるいはまた、うがちゅの名前を変な風に書いてしまったのかもしれません
（うがちゅの本名は静子ではないです）。
迷子になっているのかもしれません。

うがちゅは思うのです。
お腹をすかせて食べてしまったのだとしても、怒らないから。
だって、『幸せ』はきらきら味。とっても美味に違いないんですもの。
その『幸せ』で、あなたのお腹が満たされるのなら…いいのよヤマト。
がんばったあなたの顔を、一日でも早く、あたしにみせてっ。
名前がちっが〜う！って怒ってぶったりしないから、ね。

・・・・・・・

なんて書いてるけどねぇ。
なんで届かねぇんだよ。潤と温泉旅行の写真！
しかもなんか「おまけつき」だっていうじゃねぇかっ。
先週土曜に「届いたよ」一報入電から、ずっと待ってんだよ。
ぷんぷん。

・・・・・・・

寝巻き代わりの浴衣が欲しい。
って、ぽそっと母親に言ったら。
とれたて新鮮じゃがいもと一緒に浴衣セット（草履に至るまで）が届いた。
別のネコが届けてくれた。
浴衣着て…出掛けるとこなんて、ないんだけどな…（寝巻き代わり）。
どこに着ていこう？