おかあさんっていいにおい♪
洗濯してたりお料理してたりなにおい…そんな歌があったよね？

辺見マリさんに会った。
マリちゃんと呼びたくなるような…呼べないけどさ、そんな気さくな人だった。
いろいろなお話をしてくれたけど、舞い上がってしまったあたしは、
反応を返すのがせいいっぱいで。
なにを話したかなんて覚えてない…
けど、言葉としてじゃなく感覚に直接なにかが残った、そんな感じ。
そのおはなしは、小さな大切な愛情物語で、泣いた自分にびびった。
しっかりと目を見て話すのが、なにか吸い取られてそうな感じがして、
次第に落ち着いてきた自分がちょっとすごい。
母親を思い出していた。
歌手としてでなく、ひとりの女性として、ひとりの母親として、
普通の人間として普通に接してくれたせいかもしれない。
そして。マリさんのまわりは、なぜかとてもいいにおいがしたんだ。

帰り道。
まるでこどもに言い聞かせるみたいに話す彼女を思い出して。

かあちゃんの声ききたいかも…。
電話、した。