遺書

2009年05月04日(月) 1888 磔

この手に触れる彼女の、冷ややかな、いま

慈しまれた過去、愛しまれた未来
前後をどれ程の愛で埋め尽くしても

穿たれた現在は埋まらない

唇開けず 喉震わさず 舌動かすこともなく
僕は 「 」を 言葉にする

僕の中だけに響いて、決して誰にも伝わらない
僕の中だけに落ちて、決して誰もが拾わない
そんな「 」を 言葉にする

彼岸と此岸で別けられた 僕等は二度と伝わらない

「 」

透明な彼女の横顔に 背中を向けて 歩きだす
此処に彼女は居るけれど もう此の場所には何もないのだと

僕は、噛み締めた


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