遺書

2006年10月08日(日) 1278 逃避行

灰色のビル群から
ちょっとした逃避行
アルミフレームの自転車でたどり着く
眩しい砂浜の奥

青に吸い込まれて
少しだけ沈んだ僕が
透き通る水色の
向こうに見た虹色の風景

日傘を差す
白いワンピースの少女の
麦わら帽子飛ばす風が
彩りみどりの花々を撫ぜた

遠い向こうでキラキラ輝く赤いサイレンが
誰かの危機を伝えた
少し向こうで黒々としたカラスの群れが
夕暮れを告げた

次第に現実味を帯びてくる世界

灰色のビル群から
ちょっとした逃避行
モノクロームな世界に欺かれた
僕のちょっとした心の洗濯

含んだ海水の分だけ重くなった
夕焼けに輝くアルミフレームが
静かに軋みながら
僕を帰路に運んだ

色鮮やかな世界の色を
少しずつ消していく黒い夜のように
僕もまた
静かな世界に、戻るのだ


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