遺書

2005年08月29日(月) わたし #030829

ただ此処で死にゆく僕である私の言葉、それだけ
言葉は、止めない

#

「世の中に未練なんてない、と固唾を飲んで覚悟した
 未練が本当にないなら固唾を呑む必要もないのですが
 覚悟ができたらなら私に不安や未来はない、意味はない」


生きていることは、
死んでいくと同じ

生きてる意味は死ぬためにあるの


死にゆく私を映す鏡はとても汚れている
死んだ星を映す鏡もとても汚れている

曇って、曇って、もう何も映せないというくらいに


死のタンクが満ちれば私は死ぬのですけど、
今はもう満タンに近い状態
だから、

星空を見上げれば
私には今までより遥かに多い星が見えている

星の光は過去の光、とっくの昔に死んだ光
死に近づけば近づくほど多く見えるのは
それは死の象徴である、と静かに教えている


けれどこう考えられる私は生きているんですよね、
呼吸もするし、まばたきもする、心臓も脈を打つし…

けどね、それだけでは
生きてる、本当に?
と、たずねられたらきっと言葉に詰まるでしょうね

生きているのに死んでいる、そんな感じなのは
生きていることは死んでいくことだから


絶望や不安でさえも、今の私なら活力になるのです
それはマイナスイメージなんだけど、
死にゆく私自身がマイナスですし、
絶望が多いほど、今は生きていける、同時に死んでいく

けどね、逆に死んでくということは、生きていると言うこと
だから、私はどうでもいい


こう、言葉を連ねる僕の私が世界から離れていくのはわかる

生まれたときが一番近くで
死ぬときが一番遠い

或いはそれは錯覚で

生まれたときが一番遠くで
死ぬときが一番近いのだろうか


この私の存在は
誰の言葉を借りて存在しているかは知らない

けど、文章上の無数の私も知らないと思います
みんな同じだと私は思います
だから、いいのです
これは、忘れてください

#

いま一度
生まれたこの私を、
僕は殺そうとしています

殺すと言うと大そうなことに聞こえるかもしれませんが
そんなことは毎日やっています

この私の物語が終われば、
私は死にます、それは僕が殺したことになります
…だからこそ、言葉は止めない

#

生きている意味を求めるの
それは、死んでいくからこそ大事なものなのです

実際にはそんなもの生きていくことには必要無いことだけれども
求めることを意識したら求めずには居られませんよね

見つけたら、きっと私の生涯は最高の意味になるのでしょう
だからこそ、大事なものなのです
だからこそ、生きていくことには必要ないのです

#

僕と私は今、共通の暗闇を見ている
白い暗がりを見つめる

何も書いていない闇の中に
文字の形をした黒い光を作っていきます

僕がそれを作り
その上で私は踊っています

そして、それは詩になります

僕がそれを終え
その上で私は眠ります

そして、それは死になります

ただ、作って終わる世界を
僕は、愛してしまった

だからこそ、だからこそ言葉は止めない

それなのに、終わりはきて

#

私は、終わる

days873/work920:21min00sec
comment

僕は作者で、
私は登場人物

僕は彼女を、今この手で殺しました


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