ぐっどくりふ旅行会社-Good Cliff Tours-
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2007年12月26日(水) ビーバーの最後。

ドイツは12月25日と26日がクリスマスで祝日です。
というわけで、今日は昼間からビール瓶を片手に、湯たんぽで暖を取りつつ、
ごろごろ雑誌を読んだり、ネットをしたり、ひたすら自堕落に過ごしております。

24日から25日は、友人実家にご招待で、ひたすら食べ、飲み、プレゼント交換をし、
クリスマスには恒例となっているらしいメルヘンの映画(チェコスロバキア製作の
シンデレラとか、東ドイツ製作の雪の女王だとか)を観、真夜中のミサに行き、
翌日は、こちら式ゆで卵の食べ方(黄身が柔らかいので、半分くらいまで殻をむいたら
エッグスタンドにのせて、上からスプーンですくって食べる)を教わりつつ朝食を取ったのち、
昔の日本のお正月のように、どっこも閉まっているドイツのクリスマスを正統に過ごすべく
エルベ川沿いの公園に散歩に出かけました。(ホント、散歩するくらいしかすることがない)
快晴。冬の低い陽がさす川べりは何とも美しく、数年前の洪水のときはここまで水が来たんだよーとか
川べりにずっと何キロだか行けば焼き物で有名な町だとか、友人の説明をうけつつ、
水溜りの氷をばりばり割って喜んでみたり、人の姿を見つけて「餌だ!」とばかり集まってくる鴨に
「何も持ってないんだよ〜」と手を振って謝ってみたり。

そんな感じで、ぶらぶら歩いていると、街の動物園がありました。動物園といっても
象やキリンがいる大きなものじゃなくて、ヤギや羊や馬がいて普通に触ったりできる、
地域密着型なものにちょっと毛が生えた程度。入り口が工事中で、カギがかかっていなかったので
とりあえずそのまま入り、入り口近くにあったビーバーの池で2頭が仲良く(?)クリスマスの朝食をとっているところや
時々氷の浮く池にざぶんと入って、岸に上がって毛づくろいしている姿を「可愛いね〜」と
眺めておりました。
ビーバーの池はほとんどが凍り付いており、朝食中の2頭がいる反対側では、
クリスマスの朝にひと泳ぎしたいのか、別の1頭が水につかり氷をかりかり割りながら、
泳げる範囲を広げている最中。
「だいぶ泳げる範囲を広げたね」などとのん気に眺めているうちは良かったのですが、
どうも様子がおかしい。
「あれ、溺れかけてない?」と私がいうと、最初「ビーバーが溺れるわけないじゃん」と鼻で笑っていた友人も
どう考えても岸を目指して行動しているビーバーに、「頑張れ、キミならできる!」と声援を送る始末。
どうにか岸近くまで氷を割り進んだビーバーですが、岸に上がるまではなかなかいかず、
ときおり水中で息を整えてアタックするものの、体半分がどうしても上がりきらない。
そのうち飼育係さんがやってきて、友人が状況を説明すると「どれどれ」とばかりに池のふちまで行き、
鉄の棒で池の氷を割り始めました。その音に驚いたのか、水にもぐるビーバー。
飼育係さんが氷を割ってくれたので、これなら岸に上がれるという状態になったのに
今度はビーバーが上がってこない。「ビーバー、上がってこないよ」と不安がる私に
「大丈夫だよ、ビーバーは結構長く潜水できるんだよ」と友人。しかし…
氷を割り続けていた飼育係さんがその手を止め、「そりゃないだろう」というような声とともに
水の中から引き上げたのは、ぐったりとしたビーバーの体でした。
「失神してるんじゃないですか」という友人に、ビーバーの体をさぐり「もう駄目」という飼育係さん。
おいおいクリスマスの朝ですよ。
飼育係さんの話では、このビーバーは年老いたメスで、最近動きの鈍さが顕著になってきていたとのこと。
仕方がなかった、起こりうることだと言って、飼育係さんはどこかに電話で連絡を取っていました。

なんとなくしんみりとした気分の帰り道、友人がふと「ビーバー、自殺だったのかもね」と言い出しました。
「クリスマスだし、この日にって」
クリスマスに自殺をしようと決意した年老いたメスビーバーの心中やいかにと考えつつ、
私の返答は、餌を食べて毛づくろいするだけで、仲間を助けようとしなかった
池の反対側にいた若夫婦ビーバーへの批判でありました。
「たぶん、あのおばあちゃんビーバーは結構あの若夫婦を助けてたと思うよ。子供の面倒をみてあげたりさ」
「そうそう、たまには夫婦で映画でも観てらっしゃいと、ベビーシッター引き受けたりね」
そんな友人のアホな返答に、何となく沈んだ空気も飛んだクリスマスの朝なのでした。
ビーバーの魂よ、安らかに…


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