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2006年04月16日(日) 傷痕が美しいわけがない。

クシシュトフ・キェシロフスキ原案の映画「美しき運命の傷痕」を観て
来ました。東京万歳ですね。銀座まで行ってきましたよ。以前、同じく
キェシロフスキ原案の「ヘブン」という映画もありましたが、これはそれと
同じくくり。原題(?)は「地獄」です。

で、感想をひと言にまとめると「クシシュトフ、あなたは早死にしすぎ
ました」ですね。クソ映画。いや、キェシロフスキを追い求めすぎる私にも
問題があるのかもしれませんが、これだけいい材料が揃っても、監督がクソ
だと、クソ映画が出来上がってしまうという良い見本です。監督は「ノー
マンズランド」の人で、評判が良かったので楽しみにしていたのですが
何というか、やはり欠けている。キェシロフスキと比べると、駄目。思うに
監督はキェシロフスキを意識しすぎたのだと思う。例えば、フェルメールの
絵をどんなに上手く真似しても、本物を観たことがある人にとっては、
ただの模写であり、そんな絵を描き手が「上手く描けたでしょう、どんな
もんです」と大威張りで出してきても、失笑を買うだけなのです。
二番煎じ。こんな作品をよくもまあ世の中に出したなというのが正直な感想
です。「ノーマンズランド」は未見ですが、良い作品だと聞いているので
正直そんな監督がここまで「真似っこ」するとは思いませんでした。しかし
最初から最後まで「真似っこ」ならまだしも、この美しい物語に、中途半端
なオープニングと音楽で下手なミステリーサスペンスのような味をつけて
しまったことは許せません。キェシロフスキの映画は最初から最後まで
とにかく繊細な美しさがあった。1本の作品に流れがあった。観る者は
その流れに身をゆだねる快感を味わった。残念ながら、この作品には
流れがありません。ひとつひとつのシーンは美しくても、やはりその裏に
「真似っこ」の姿を見、また流れのなさは不快でしかなく、映画館の椅子が
とっても座り心地が良かっただけに残念でなりません。あと、払った
大学生料金1500円也も。

映画館でもらったチラシを観て知ったのですが、つい先日までキェシロフスキ
作品を一挙上映してたんですね。唯一、劇場で観ていない「ふたりの
ベロニカ」もニュープリントで出したとか。くっそー、それを見逃したのが
悔しいぜ。泣きっ面に蜂で日曜日の銀座を歩いた社長なのでした。


まるそ |MAIL