琥珀色の時
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2003年02月21日(金) |
アーサー・ヘイリー「殺人課刑事」 |
原題は「DETECTIVE」 殺人課の刑事、マイアミ、とくれば「マイアミバイス」のカッコ良い刑事登場かと思うでしょ。 アロハシャツ着て、日焼けしたドン・ジョンスン、いい男だったなあ。 彼に限っては日本語吹き替えバージョンでよかった、ドンの声聞いたときはちょっとイメージダウン。 マエフリがそのままマイアミバイス話になりそうだが、これはまた別の機会に。
主人公マルコム・エインズリー刑事はもと神父サンという、41才になる部長刑事。 彼が解決した事件で、もう死刑が執行されるという犯人から、死ぬ前に告白があった。 14の殺人事件は俺がやったが、一つは違う…
休暇前の刑事は8時間後の死刑執行に間に合うため400マイルを駆けることになる。 非常にスピード感がある出だしから、死刑執行の描写、過去の事件と休む間もなく読み進んでいく。 さすが長編の名手、訳者も永井淳だからぐいぐい読める。
黙示録にまつわる殺人事件がひとつの主題、このテーマってしばらくブームだったのかな。 映画「セブン」のあたりから聖書にまつわる事柄を主題にした殺人事件もの多かったな。 そしてもうひとつの主題が連続殺人事件と紛れるように起こされた一つの事件。 犯人の虚言なのか、最後の懺悔なのか?その検証が始まる…
殺人事件の発生から解決まで、警察機構がどう動くか、上司との軋轢等々、日本の警察小説と似てはいるがそこは大同小異あり。意外とエインズリーさん上司にめぐまれとる。 細かく描かれる捜査がいい、綿密な調査のため刑事さんは頭と足を動かしている。
しかし幼児虐待は、ちとな、あり得るのかあそこまでッて感じ。 まあそれさえも圧倒的な筆力でアリかと思わせるヘイリー節にのってしまった。
しぶいエインズリー刑事、かっこよさはドン・ジョンスンのソニー刑事に負けるが、ラストは神学の教授であがり!(浮気しないでね)
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