愛玩人形の抱き方+

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2007年03月21日(水) 人形のいなくなる日

とりかえしのつかない致命傷をうけて

身体を引き裂かれる痛みに泣き叫び

失われてゆく人工血液を必死でとめようとし

零れ落ちる部品に悲鳴を上げ

絶望のうちに機能が止まるのだと


おもっていた


けれど その日を迎えてみれば
それは
おどろくほどあっけないものだった


まるで眠りにおちる直前みたいに

体温と同じ温度の水へ沈み込むように

ふわふわとあたたかく

つつみこまれるようにひんやりして

まどろみのなかにいるみたいに 心地好い


もうめざめないのだ とおもうと

それはすこしかなしいけれど

でもしかたない



それすらも

もうすぐ 光のなかにとけるんでしょう


* * *


ひとつの結末をむかえましたので
愛玩人形の抱き方+ は これで終了です
人形はいなくなってしまいました

いままで読んでくださった方
通りすがりに眼をとめてくださった方
そっと言葉をかけてくださった方
そして 結局 この場所をおしえることのなかったあなたへ

どうかどうか 心からの感謝を


どうもありがとうございました


ichino |MAILBoardText庵Antena

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