再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 「クテーラン人びと」当日パンフ文章。。

演出の戯言

「クテーラン人びと」
まだ題名もない頃から、今回の稿を結ぶまで作家の伊波さんは一年半以上かけて書き直しを続けてきた。長い道程。何しろ現実の方が、創る世界の三段超えで動いていってしまうのだ。本番の頃にはどうなっているのだろう。問題が終わってはいないだろうこと以外は誰にもわからない。
沖縄の現実。
沖縄の矛盾。
簡単に表現に結びつきはしない。
しかしその通り過ぎてしまった稿の中に培われたもの、それが歴史となり力となり、存在と置かれた状況の奥行きがどれ程広がっただろう。
挫けてでも、ただでは終わらない。
正にクテーラン。
沖縄の力。
踏み出す勇気と、
おかしい事におかしいと言える意志、
だけどある理想と現実。
全ての立場の登場人物たち(今回は演者さんも、一つの立場ではなく複数の立場を演じます)に突きつけられる「理想と現実」、この狭間での生き方をどうしっかり存在できるのかにかかっている。
「to be or not to be」(笑)

そしてやっぱり舞台は、楽しく、創意工夫に溢れているものであるべきだ、と強く思う。
「クテーラン人びと」に風よ吹け。


藤井ごう


2019年04月01日(月)



 「クテーラン人びと」沖縄タイムス掲載。

辺野古前の心情を表現

辺野古のゲート前に集う人々と、にらみ合う機動隊員、それぞれの心情を描いた劇「クテーラン人びと」(脚本・伊波雅子、演出・藤井ごう)が29〜31日、国立劇場おきなわで上演される。脚本の伊波は政治的な対立を超えた人物像に焦点を当てたと話す。

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 約4年前から新基地建設で揺れる辺野古で取材を続け、構想を温めていたという伊波。刻々と移り変わる状況に「事実関係の説明ではなく、見方を変えて、集まる人を描いてみてはどうか」と考えた。

 出演者のほとんどが新基地建設「反対」「賛成」両派の2役を務める。伊波は「登場人物に権力者はいない。両派の人に見て、考えてもらうような内容にした」と話す。

 演出を務めた藤井は2018年に再演された「島口説」(脚本・謝名元慶福)でも沖縄の戦後史をテーマに劇を手掛けており、「それぞれの立場を明確にしながら、めげない(クテーラン)人たちへの応援歌にしたい」と言う。

 ゲート前に座り込む元教師の男性役を務める吉村直は「いろいろな立場の人の視点から、現実はどうなのかと考えるきっかけになればいい」と上演に期待する。

 出演は高宮城実人、新城カメ、城間やよい、島袋寛之、古謝渚。主催はエーシーオー沖縄。

 29日は午後7時、30日は午後2時と7時、31日は午後2時からそれぞれ上演。入場料は一般前売り2500円、18歳以下1500円。問い合わせはエーシーオー沖縄、電話098(943)1357。

2019年03月22日(金)
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