天才から来るメールはちょっとすごい。
天才は一日に何十通もメールを送る。
天才のメールの文章はなんか変。
英語と日本語、漢字とひらがなとカタカナの使い方が滅茶苦茶。
日本語のメールの締めがbest regardsってのは変だし、
とりひきさきのかいしゃのなまえは漢字でかいてほしいし…。

それにしても研究者っていつ寝てるんだろう？
おかしい。

業の深い女であった。
春を捨て
夏に膿み
秋に爛れ
冬に凍り
そして眠る。

研究室に引き篭もっている間に
いつの間にかすっかり葉桜になってしまっていたので、
桜を追って北へ向かった。

黄昏、薄暗い箱の中には沢山の人がゆらゆらして居たので
目を閉じて、
夜の花のことを考えた。

あれがしたい、これもしたいと
いつまでも子供のままの春だった。

遠出して行った美術展が
ちょっと期待はずれだったので残念。

でも夕方の空は青くて
きれいだったので、
まあいいか。

うつくしきものよ
永遠であれ。

欲しいものが多すぎて
とてもとても多すぎて、
忘れてしまえと思う。
握り締めた指の先で皮膚が破れ
掌に薄く血が滲むので、
爪の先に舌を差し込み、
嘗め、
そしていつまでも噛み続ける。

わたしの中の何かが
目を覚ませばいいのに。

ひそやかにいきづく
未来、希望、夢、
そんなものを拾い集めて奥歯の裏に隠しておいた。
薄暗い部屋で、
その奥歯は
オパァルのように煌き光を放つだろう。

鼓動の速さで、
色を変える奥歯。
わたしの愛。

今日は関東で会議のようなものがあって、
それに行くために旅費の一部に補助を貰ったので
なんだかうれしかったのでした。
といっても当然知識のない4回生が役に立つはずもなく、
貝になるわたしでした。
はやく役に立つようになりたいな…。