青の階

2005年05月27日(金) 胎動

自転車置き場に長く長く影が伸びて、
それからゆっくり闇が落ちてきた。
どこか遠いところ、遠い、遠い、遠いところへ
行きたいと切望しているわたしたちを置いて
日常は廻り続ける。
海を見てると落ち着くし、
日が暮れた後の波音を聴いていると癒される、
浜辺で焚き火をして、
ちらちら揺れる火をずっと見ていたい、
そんな話をしていた。
きたないことが多すぎて、指の先から体が腐ってくるような感覚に襲われる。
まだ20年しか生きていないのにこうなのだ。
汚れたと感じた分だけ、潮騒で洗い流したい。



2005年05月24日(火) 黙り込む夕暮れ

授業が終わった後、みんなはバスで帰るので、
わたしは自転車で帰るので、
バス停の手前でわたしだけが右に曲がる。
わたしのいないところで
どんな楽しい話をしているのか、
電車の窓から
どんなに美しい夕日を見ているのか、
そんなばかなことを気にしている。
5月も終わりに近いのに、にわかに憂鬱になってきた。
笑えば笑うほど、喉の奥がぎゅっと痛む。



2005年05月22日(日) すんなり伸びた睫毛眺めて

交響楽団の友達の演奏会を聴きに行った。
コンサートホールは、なんというか
空間をすごく無駄に(贅沢に?)使った建築で、
一緒に行った友達と「面白いけど理論のH先生が怒りそうな建物だね」
などと苦笑していた。
そういえばソロじゃなくてオケを聴きに行くのは随分久しぶりだ。
同じ楽器でもソロとオケじゃ音が全然違うので変な感じがする。
今日はヴァイオリンがすごくうまい人がいて、くらくらした。
おおきくあくびをしながら隣を盗み見れば
友達が真剣な表情で演奏に聴き入っていたのでどきりとした。
彼女の恋は順調で、わたしは最近少し寂しい。



2005年05月20日(金) ウィンク☆ウィンク

英語のコミュニケーションの時間に
お互いにプリントに載っている質問を出し合いましょう、みたいな授業があって
その中のひとつに「Can you demonstrate how to wink?」という質問文が。
そういうわけで、今日はだれかれかまわずウィンクしまくりだった。
にっこりわらって、
ばっちん!



2005年05月14日(土) エンジン

GWに友達が車に乗ってきたのを見たせいか、
免許を持っている男の子たちは
鳥のヒナのようにピヨピヨと「車ほしい」を繰り返している。
わたしは疲れやすいし、したら勉強が苦しくなるし、
夜や休日は自分の時間を持ちたい派だから
バイトはしていないけれど
したらちょっとはお金がたまるのかな、
やっぱり、自分の車があったらいいな、とみんなと一緒に憧れている。

車とかバイクがあると、
世界が広がるとはほんとなのだなあ、と思う。
早朝、皆より少し早い時間に教室に行って
机の上にドライブマップを広げ、
あそこに行こう、ここに行こう、
ここを通ってあのルートで行こう、
そう話してるだけでなんだかもうそこに行ったような気分になる。

とにかく遠くに行きたいよ。
海が見える場所まで行きたい。



2005年05月13日(金) 晴天賛歌

空が晴れてると
なんだかうまくいくような気がする。
一緒においでよ、と言われるだけで
すごく幸せな気持ちで笑える。



2005年05月12日(木) 夢のガーディアン

やっと、また金曜日が巡ってくる。
一週間はとても長い。
ようで短い。
毎日一体何をやってるんだろうと思う。
色んなことが時々虚しくなってしまう。
ひとに何かを言われた日などは特に。
わたしはみんなに沢山の隠し事を持っていて、
だからそう見えるんだろう。
別にそんなに気楽で優雅に暮らしてるわけじゃない。

それでも言うつもりはない。
昔の傷も、密かな恋も、夢も、愛も、
わたしだけが知っていればいい。


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