青の階

2005年02月16日(水) 空恋病

もったりとした色の空を眺めながら
ベッドの上で本のページを繰っていた。
愛と怨念に満ちた情熱的な女性の伝記。
こんな天気の日にはこの先わたしが進む道に暗雲が垂れ込めているような、
どうしようもなく憂鬱な気分になる。
せめてこれがにわか雨だったなら。
澱んだ街の空気を清めるかのような、強い雨ならよかった。
同じ日本なのに、冬空がこんなに違うとは思わなかった。
毎日毎日毎日、窓から見えるのは灰色の空。
今、すごく青い空が恋しい。



2005年02月15日(火) 居心地の悪い部屋

深夜に眼が覚めた。
半身を起こして見ると
部屋は深い青に染まり、静寂に満ちていた。
そっと体を横に戻した時、
遠くのほうでサイレンが鳴るのが聞こえた。

眠りを中断された時、
途端に夜は長くなる。
いつもは一瞬のように感じている数時間の睡眠時間を
きちんと数時間分の重さとして感じる。

見慣れない時間の部屋は
自分の部屋のはずなのに居心地が悪い。



2005年02月14日(月) チョコの日

チョコの日なので先輩にチョコを渡しに行った。
一ヶ月ぶりに顔を見た先輩は
頬がこけて目の下に二重に隈が出来て
まるで別人のように干乾びていたので衝撃を受けた。
明日が修論の提出日なので今は追い込みで寝る間も無いようだ。
別の先輩によると今日の研究室は死屍累々、
誰も彼も皆生気を失ってパソコンに向かっているとのこと。
甘いもの食べて元気を振り絞って頑張って欲しい。



2005年02月12日(土) 愛は偉大なり

たまには美味しいチョコが食べたいと思い
うっかりデパートの地下に迷い込んだところ
そこは地獄絵図の世界、阿鼻叫喚ワールドだった。
買うどころかどんなチョコが並んでいるのかも見えない。
とりあえずバレンタインが終わったら出直して
今度こそ自分用に美味しいチョコを買ってやろうと心に誓い
すごすごと売り場から退散した。



2005年02月09日(水) 異界への扉

深夜1-2時だってエレベーターに乗る人は沢山いる。
今朝、駐車場の空きスペースの真ん中に
黒い革靴が一組、きれいに揃えて置いてあった。

学生マンションとはとても奇妙な場所だと思う。
若者達の欲望やら熱気やら無気力さやら退屈やらで
時空がちょっと歪んでいる気がする。
午後、買い物から帰ってきて
静まり返ったマンションの廊下を歩いていると
異次元に迷い込んだような気分になる。
みんな一体どこに行ったのか。
何をしているのか。
生きているのか。

深夜2時、駐車場からは星がよく見える。



2005年02月07日(月) 走れ

仮免の期限が2/28に切れるので必死である。
宿題は半分を休みの最初に終わらせて
ギリギリになってから慌てて残りに取り掛かるタイプ。
免許の教習も、せっかく半分を昨夏に終わらせていたのに
やっぱり今慌てている。



2005年02月04日(金) 夏に関する感傷

久しぶりに本を読んだ。
昨年金沢のホテルに泊まっている時、
サガンが死んだことを新聞で知った。
なので買ってきたのは当然「悲しみよ、こんにちは」
途中で主人公がネズミ色のドレスを着た女性を「美しい」と賞賛するシーンがある。
わたしにはネズミ色というとみすぼらしい、というイメージがあるので
美しいと言う表現は新鮮だった。
ついでにその表現から、映画「8人の女たち」の中の
あるキャラクターが着ていたネズミ色のドレスを思い出した。

ドレスのサテンがきらきら光っている。

滑らかなその手触りがわたしの頭をぼやけさせる。

久しぶりに、自転車で大学に行った。
印画紙を買いに行ったのに、目的を忘れて
関係ない小説とお菓子を買って帰ってきた。
しかし、昨夏痛めた足は、随分調子を取り戻してきたようだ。
この道、あの坂、鉄塔、晴れた空、物憂い午後、
わたしが愛している季節のことをまざまざと思い出し
センチメンタルな気分のままに坂を下り降りた。
帽子にあたった風が耳元でひゅうひゅうと唸っていた。
はやく夏よ来い。


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