白い原稿用紙

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2003年08月11日(月) 夏 落ちこぼれ

夏まっさかり〜〜〜。

漫画界の2大恐怖進行
お盆進行に乗り遅れたあたくしは
ちょっとやけくそ気味かも。

お盆とお正月は編集部や印刷屋さんがお休みになるので
早めに進行しなければいけないのよ。
漫画家にとっては締め切りが早くなると言う事なのよ。

そしてあたくしは
デザイナーさんがお休みになる前に
原稿を上げる事ができなかった落ちこぼれ……。

慌てて無理して仕上げるより
ゆっくりいいものを仕上げましょう、と
言って下さった編集さんのお言葉に甘えはしたものの
なんとか間に合わないかとじたばたしたんだけど
間に合わなかったの。
ええもう綺麗さっぱり。

すでに間に合わない日から6日も過ぎてから
ああ、間に合わなかったのね〜と実感がわいて
ようやくパニックから脱出しました。

コミックスの手直しと描き下ろし分なのん。
それで発売日がのびることはないのですけど
宣伝を打つのが間に合わないかもしれないと。

痛いわ。
それでなくとも本誌がなくなって、
宣伝できるところは限られているのに。

でも営業の方にも御迷惑をかけてしまったのかも。
ご免なさい。。。。。

というわけで
焼け石に水だけどここで宣伝なのよ。
星の館最後のコミックス「奴隷達の条件」
(毎度買いにくいタイトルでご免遊ばせ)
総ページ248ページ A5判 1200円
9月20日発売
描き下ろし短編16ページ。

どんな短編かはこれから考えます。

そういうわけでパニックもおさまったので
(いやんなおさまり方だけどん)
ようやく我にかえって
通販作業、サイトの更新作業などをやっております。
いろいろお待たせしてごめんなさい。

油断してると
お盆もあっという間に通り過ぎてしまうので
気合い入れ直して頑張るわ。

今年の夏も 猛スピードで駆け抜けそうな予感。
海に行きたいなんて贅沢は言わないわ。
終わってしまう前に映画に行きたい〜〜。


2003年08月04日(月) ほんと〜にあった怖い話

夏よっ。
夏と言えば怪談。
怪談と言えば稲川淳二さん。
TVでも、あのお顔を拝見する事が
多くなって来た所を見ると
夏本番ですわね。

そして稲川さん関連の怪談本も
たくさん見かけます。
今回描かせて頂いた、呪怨の叫び。
稲川さんのお話しを描かせて頂いたのは
これで何回目かは覚えていないのですけれど。
今回……恐怖の体験が……(ここで声をひそめる)

仕事でばたばたしていたので
外のポストに「呪怨の叫び」の献本が
届いていたのに気が付かず
あたくしがその本を目にしたのは
買って下さった皆様より
一週間か十日ほど遅くなったかと思うわ。

そして自分の掲載ページを確かめる。
小さな原稿用紙だったので
トーンはちゃんと出ているか、
描線が荒すぎないかと確認するため
……だったのですけど
あたくしはそこに
恐ろしいモノを発見してしまったのよ。

先に買って読んで下さった皆様は
気がつかれたかもしれないわね。

あたくしが描いた稲川さんの肖像……

そこには……



お鬚を描き忘れていたのよ〜〜〜〜っ
きゃ〜〜〜〜〜
なんて怖いお話しなの〜〜〜〜っっ

はぁはぁはぁ。
あ、あら、怖いのはあたくしだけかしら。

言い訳すれば、
あたくしが始めて稲川さんを描かせて頂いたのは
もう数年前。
実はその取材の時に撮ったお写真を
今でも大事に取ってあるのよ。
ツーショットで写ってる記念写真とかもあるし。
(すみません。取材なのにミーハーで)
稲川さんのお話しを描く時は
その時を楽しく思い出しながら
その写真を資料に描いていたんですの。
もうかなり前のものなんだけど
なにしろ相手は芸能人。
そうそう老け込んだりはいたしませんので
その頃の写真でも
今と変わらないんですのよ。

 ……楽しく思い出すと言うより
恐ろしく思い出してるんですけれど。
なにしろあの臨場感溢れる語り口を
サシで聞いたんですもの。

そう、つまり
その時の稲川さんはお髭を剃っていらしたのよ。
そのままの稲川さんを描いてしまったのよ。

今回、編集さんがちゃんと
「稲川さんの写真が必要なら用意します」と
おっしゃって下さったのを
「大丈夫です」とかエラそうにお断りしたのに〜〜

今日TVで稲川さんを拝見して
「お、お髭っっっっ」といきなり気がついたのでした。
自分が描き忘れた事に。。。。。

ま、まあ、
描いてないモノが描いてなかっただけなんだから
別に怖くもないわよね、
描いてないモノが描いてあったらコワイけど。

でも実は……
あったのよ…………
描いてないモノが描いてあったのよ………………
怖いでしょう〜〜〜〜〜

描き文字で……
キャラの頭に矢印がしてあって……
「メッシュ」って。

どうやら絵がわかりづらいと思った編集さんが
説明を描き足して下さったらしいわ。
いや〜ん ごめんなさいごめんなさい。
気を使わせてしまって〜〜。

はぁはぁはぁ。

どうかしら。
夏の暑さをぶっとばす怖い話だったでしょ。

あたくしにとってだけ。


2003年07月31日(木) 無限の夢と可能性

一仕事は終わったものの
やらなければいけない事が多すぎてパニック。

ひとつづつ片付けて行けばいいとわかっていても
優先順位がつけられないほど
早急にやらなければいけない事が多すぎて〜〜。
え〜〜ん。

錯乱して
お洗濯に大掃除やってしまいました。
洗濯物がそうたまっていたわけでもないのだけれど
梅雨の間に洗ったものの、
なんとなく湿っぽい匂いが残ってしまったものを
まとめて洗い直し。
3回も洗濯機をまわしつつ、
やはり梅雨で湿っぽくなったお部屋を拭き掃除。
すごく湿気が多いのよ、このお家。
勢いで押し入れの中まで手を付けようとして
ようやく我に返りましたわ。

こんなことしてる場合じゃない〜〜〜〜〜〜。

我に返って仕事をしつつ見ていた
ドラマの再放送で
小さな子供がかなりの高齢のおじ様に
「おじさんは将来、何になりたいの?」
と聞くシーンがあったわ。

とっても偶然なんだけど
あたくしは一昨日思い出していた事があるの。

数年前、2つ年上の友人に、
「まりとは将来何になりたいの?」
と聞かれた事があった事。
その友人はピアノの先生。
随分 欲張りだわ。
まだなりたいものがあるのね貴女は。
その時あたくしは質問返しで
その問いには答えなかったけど
一昨日思ったのよ。
あたくしは将来 漫画家になりたいわ、と。
今だってそうだし その数年前だってそうだったわ。
でも
描いていなければ漫画家とは呼べないこの商売。
そして明日も仕事があるとは限らない
不安定この上ない稼業。

かなりの漫画家が
将来の不安をかかえていると思うの。

不安を抱えてウン十年
よくまあやってきたものだわ。

希望にあふれ、
怖いもの知らずで無限の可能性を信じてた
若かかりし頃ならともかく、
いいかげん 落ち着いていなきゃいけない
この年頃になると
「大丈夫なの?」という気分になるのは必至。

そろそろ親の面倒も見たいお年頃。
なのにまだまだ頼りなさすぎるのよ。
自分が。

どうしたものか 将来、
と思ってその友人の問いを思い出したのね。
思い出して
自分の中で答えを探したところ、
あたくし 将来 漫画家になりたい。
と思ってしまったわ。

正直、
好きで好きでしょうがないこの稼業を
ここまで楽しんでやって来ちゃって
いいのかしらという思いがいつもあったわ。

これからの人生
たとえば介護の仕事とか そういう
ひと様のお役に立つ事を勉強した方がよくはないかと
身内の病気にあって
真剣に考えちゃったりも致しましたわ。

でも どうやら
あたくしの中の若者はまだ
無限の夢を見ているらしいわ。

漫画家になりたい、と言ってきかないのよ。

しょうがないわね。
好き勝手なことばっかりして。
まあ、どうしようもなくなるまで
やりたいようになさい、と
あたくしの中の母親が申します。
……のでお言葉に甘える事にいたしました。

あたくし
将来 漫画家になりたい。

で、その今日のドラマ、
おじ様は小説家で 
書こうとしてまだ取りかかれないでいるという
設定らしかったの。
何回かとばしちゃったのでよくわからないんだけど。

「将来は小説家になりたい」

とそのおじ様は子供に言うの。

このドラマを再放送で見た今だからこそ
このフレーズが重なったのねえ と思うと
なんだかおもしろかったわ。
リアルタイムで見ていたら重ならなかったのよね。

ところで その友人がそんな事を
あたくしに聞いたのはなぜか。
友人もいろいろ思うトコロがあったから、
ということもあるからこそだけど、
その前日の事。
ピアノを教えている幼稚園の子に
「将来 なにになりたいの?」と聞いたんですって。
その子は小さな声で こう答えたんだそうよ。

「うさぎ……」



夢は無限だわっ。


2003年07月26日(土) カラフルな季節

なかなか梅雨があけず
湿気の多い時期が続きますわね。

たいていの漫画描きはこの時期
同様の苦労を味わっていると思いますわ。
原稿用紙が湿気る、という。

紙が水分を含むと
ペンは滲むわ、ひっかかるわ、
トーンはうまくくっつかないわ、
汚れやすくなるわ、
紙がしなって へんな癖がついて波うっちゃうわ、
ほんとうに困ったものなのよ。
波打つとあとの作業がとってもしにくいの。

どうしても って時は
エアコンのドライをつけていたのだけれど
最初からエアコン嫌いに加えて
この寒さ。
とてもその方法を採用する気にはなれないわ。

今年はいろいろ考えた末採用した方法。

原稿大の密閉容器に乾燥剤を4袋ほど放り込む。
それを2つ用意して
たとえばペンが入った方、入っていない方 と
作業によって分けますの。
手元にあるのは
今まさに作業中の一枚だけ。
終わったら速攻 作業済みの方に方放り込むわけなの。

めんどくさいし、
乾燥剤はあっというまにダメになって
取り替えが大変だけど 
あらいい感じ。
いつものように湿気をふくんで
ぐんにゃりする感じがありませんことよ。
乾燥剤は箱買い。

う〜ん あったまいい〜あたくし。
と悦に入りつつ珈琲を飲む。
飲もうとした瞬間に作業ミスを見つけて
一瞬手が止まる。
手は止まったけど
慣性の法則に従って 中の珈琲だけは
あたくしの口元に走ろうとしてカップから飛び出し
たった今 眺めていた原稿のど真ん中に
ぼっちゃんと…………。

これだけ気をつけて
めんどくさい思いもいとわず、投資もして
湿気を排除してきたあたくしの苦労は
珈琲カップに吸い込まれて行ったわ。

粗忽さでは誰にもひけは取らないと自負し、
他人さまは遭遇しない数々の修羅場を
くぐり抜けて来たあたくしとしては
もちろん
たとえ珈琲カップの半分をぶちまけても
それしきのことで
青くなってパニックったりはいたしません。

青くはならないけど
原稿は茶色くなったわ。
さらに
つやベタのインクが滲んで灰色にもなったわ。
いやん。カラフル。

シーンは決めのめんどくさい絡み。
とても描きなおして同じように描けるとは思えないので
修正を試みます。

滲んだつやベタ部分と汚れがひどいところは
カミソリで削ぎ落とし 描きなおし。
乾燥剤入り密閉容器の中で
完璧に乾かしてから
他の部分は砂消しゴムを念入りに。

肉眼では茶色いけど
これで印刷には出ないはずよ。
経験上知ってるの。
余計な知識のような気もするけど
あたくしには大事な知識なのよ。

珈琲の染みは印刷に出ちゃう事があるけど
紅茶なら大丈夫とか
血はホワイトをかけても滲んで出て来ちゃうので
削るか切り張りしかないとか。
粗忽じゃない人にとってはトレビアの泉状態ね。
それから ものすごい力でトーンを貼付けてるので
貼り付けを間違えた時剥がそうとすると
紙まではがれてしまう時、
たいていの人はドライヤーをかけるけど
タバコ吸いのあたくしは
ライターで裏から一瞬あぶると言う方法を
採用しています。
あぶりすぎると焦げて穴が空くので
慣れていない方にはお勧めできませんけど。
それが慣れてしまうあたくしもどうかしら。

あら。
こぼしたのがオレンジジュースだったら
あぶり出し原稿の出来上がりね?


珈琲原稿の修正はできたけど
やっぱりこの原稿は波打ってしまったのでした。
これから細かくトーンを貼らねばならないのに
おのれ〜〜。

はっ。
さすがのあたくしも
まだ試していない方法があるわっ。

ア、アイロンかけてみちゃおうかしら。。。。


2003年07月24日(木) まつげの思い出

今、進めている原稿は滞りなく進んでいますけど
まだ手を付けていない 他の原稿が
限り無くヤバ気な今日この頃。

テンパっている時は
ちょっとした不都合が
ものすごく気になるものでございます。

まつげが。
あたくしの薄く数少ない控え目なまつげが。
こころもち、そこはかとなく
一部 逆さまつげになっている風情なの。

目の端がとってもカユイん。

鏡で見ても どのあたりがそうなのかわからないわ。
しょうがないので
まつげカーラーを持ち出して来て
お出かけでもないのに まつげ修正。
それにしても
ほんとうに掛け値無しに薄いまつげなことよのう。

昔から 濃いまつげの人に憧れたものだったわ。

昔 引っ越し先を探していた時、
「猫が飼える家」を条件に探していて
あちこちの不動産屋にくそみそに言われた事があったけど
その中でも もっとも罵倒してくれた
20代半ばぐらいの殿方。
なんて罵倒されたかは
嫌な事は忘れるあたくしとしては
さっさと記憶から消えてしまったけど、
そのまつげが 殿方としては無用に長く
濃かった事は忘れていないわよ。
いっそ忘れたいのに
あまりにうらやましかったから
忘れられないじゃないの どうして下さるの。

はるか昔の高校時代、
ものすごく可愛い友だちがいたわ。
色白で漆黒の髪。
でも自分が可愛いと言う自覚がなくて
好感度は高いんだけど
あまりにも無防備で
端から見てるととっても心配。

そのお嬢さまがある日
いつもとどこか印象が違うのよ。
すこおし 印象がぼけているの。
なにかあったかと注意して見てみれば
右目のまつげが全部ないのよっ。

「どどど、どうしたのっ!?」

この頃は今と違い高校生は純情で
お化粧なんかしたことがなかったわ。
あたくしはともかく そのお嬢様は
ほんとにお嬢様で 
皇族の方が通っていらした学校在籍だったし。
その彼女が
はじめて化粧らしきものをしようと
お友達と微笑ましく遊んでいた時、
友人の取り出したる「まつげカーラー」。
使い方がわからない彼女に
そのお友達が「じゃあ やってあげる」と
向かい合った体勢からそれをやってくれたところ
悲しいかな 他人の目、
加減がわからず お肉まで挟んじゃったらしいわ。

「痛いっ!!」
とそのお嬢様、
思わず お友だちから身を引いた所
彼女のまつがだけが
お友達の握りしめた まつげカーラーに
残っちゃったわけだったのよ。
一本残らず 全部。

あいたたたた。

彼女の美しさは
ほんの少し損なわれただけで
すぐに元に戻ったけど。

今日、自分の貧相なまつげをカールするため
何度もお肉まではさんじゃいつつ
そんな昔の事まで思い出しちゃったわ。

あたくしの場合、
もともと薄いんだから
全部抜けてもたいして変わりはないんだけど、
薄いからこそ愛しいモノがあるのよ。

頼りなくなって来た髪の毛を
それはそれは大事に扱う
うすらハゲの親父さま方の気持ちがよくわかるわ。

そういうわけで
まつげをカールしつつ
今日も残業〜〜〜。


2003年07月18日(金) 心配事脱出

お仕事が遅々として進まないと言うか
遅々としつつも進んでいると言うか。

このところ早急に考えなければいけなかった
7月末のお引っ越しが
どうやらしなくてすむようになりましたわ。
早く大家さんと詳しい交渉をしなければ……
すぐに出ろと言われても
7月中にはとても無理だわ、
でも今 話し合いの時間を取る余裕がナイわ、
と ぐずぐず延ばしていましたけれど
どうやら8月には契約更新して下さるようです。

た、助かったわ〜。
少なくとも8月いっぱいは
動きが取れないところだったし〜(嬉し泣き)

それにしても
「この家を売ると言うお話しはどこまで進んでいますか?」
と不動産屋さんに聞いた時の
「そんなお話しありましたっけ?」
と言うお返事は 
とっても助かるけどいったいなんなの???

なんだか大家さんってば
「言ってみただけ〜〜」という感じなのか
「あなたが買うと言うのなら長年の付き合いだし
売ってあげてもよくってよ〜」という感じだったのか
真意を測りかねますわ。

この数カ月
猫の為にはここ以上の環境はそうは見つからないし、
引越し自体も大変だし
野良猫のしまじろうは連れていけないし
ほっていくには忍びないし
無理矢理連れて行っても
猫4匹飼うのを許してくれるとこなんて
山の中の廃屋ぐらいしかないんじゃないかしら、
あああ いったいどうしたらと
小さくて平坦な胸を傷めていた
あたくしの立場はいったいドコに飛んで行ったの〜?

飛んで行った方がありがたいんだけど〜。

それにしても
平穏な漫画家のお引っ越しと言うのは
あまり遭遇した事はないんだけど。
たいてい締め切りを抱え、
描きかけの原稿を大事に握りしめ
トラックにゆられていくようなのばっかりだわ。
自分のも他人のも。
ゆられるだけならまだしも
トラックの中で描きかねない状態だったり。
預金通帳を段ボールに放り込む事はあっても
描きかけの原稿は
肌身離さず持って歩く 漫画家の引越し。

話はずれるけど おそらく、
火事、地震とかの災害があっても
たいていの漫画描きは
金目のものより、まず原稿をひっつかむでしょう。
本能的に。
もちろん、現在進行形の原稿に限りますけど。
我に返れば
どうしてカードや通帳をつかまなかったのかと
涙にくれるとしても。

それを思うと昨今の小説家さんは
苦労がしのばれるわ。
原稿用紙に書いてた時代はいいけど
ワープロやパソコンが多くなった現代では
それらをひっつかむのはいかにも大変そうだわ。
いくら火事場の馬鹿力で パソコンを担げたとしても
書きかけで電源をいきなり引っこ抜くわけにいかないし、
正しい終了なんて悠長に待っていたら
逃げ遅れそうだし。。。。

あらん。
ほんとに話がずれまくりだわ。

引越さなくてよくなって
当面の心配事が消えたせいで 
ちょっと浮かれているかしら。

浮かれてないで 仕事をすすめなさいっつ〜の。

とりあえず心安らかに
ゴミを捨てに行って参ります。

人生において ゴミ捨てがどんなに大切か
昨日 実感しましたのよ。

お世話になっている不動産屋さんは
同じ町内に住んでいらして、
昨日のゴミ捨て場でばったりと会ったのよ。
それで そのままゴミを握りしめながら
ずるずる先延ばしにしていた
この家のお引越しのお話しを
一気に片付ける事が出来たのですのよ。
そうでなければ まだ
電話する事から逃げていたかも知れないあたくし。

幸運はまだ 
あたくしの人生にいろいろ残っていそうだわ。
今後も楽しみね。

これぐらいでラッキーになれるあたくしの頭の中が
一番 幸運かも。


2003年07月15日(火) プチスランプ脱出

漫画原稿流出事件について
「漫画原稿を守る会」が発足されました。
賛同して下さる漫画描きさんは
下記のサイトにメールをお願いします との事です。

川島れいこ先生サイト
http://www.k-reiko.jp/

渡辺やよい先生サイト
http://www02.so-net.ne.jp/~yayoi/index.html

被害者の方を応援しています、という気持ちと
これからこういう事件が起こらないように
という気持ちをお持ちの方の
署名に近いものです。
有名な人じゃないと意味がない 
と言うのではないと思いますので
どうぞお気持ちのある方はメールをお願いします。



さて。
あたくし自身は ようやくプチスランプを
抜けたかと思われる今日この頃ですのん。

「プチ」とか言うとかわいらしいですけど、
実体は
ほんの単純な顔のアップさえ描けないと言う
締め切りを抱える身にとっては
とても憎たらしい状態ですのよ。

一日 白い原稿用紙と向き合って(この日記じゃなく)
うんうんうなって頑張っても
一日が終わっても一コマしか進んでいない……。
あたくしは別に
消しゴムのカスをコレクションしてるわけじゃないのよ。

前の仕事から今回の仕事に入るのに
ちょっと間が空いちゃったせいもあるかもしれないわ。

  一日休めば自分にわかる。
  二日休めば周囲にわかる。
  三日休めば読者にわかる。

なんてぇ事を申しまして、
日々お稽古が必要な職種の人々に
広く知れ渡る言い伝えでございます。

一ヶ月も休んだらもはやプロとは名乗れなくなり
三ヶ月も休んだら人類やめなきゃならなくなるかも。
なんだかよくわからないけど。

同業の友だちに
「絵がすいすいと描けるサプリとかないかしら?」
と愚痴るともなくつぶやいたら
返って来たお返事が
「絵が描けるサプリとネームができるサプリがあります。
でもどちらかひとつしか使えません。
どちらにしますか?」
金のオノと銀のオノじゃないんだから。。。。

後先考えない漫画描きとしては
今は絵の方をお願いしたいわ。
絵のサプリを使うと
ネームが出来なくなる副作用とかあったら困るけど。

サプリはともかく
こういう時のプチスランプの
あたくし的抜け出し方を 混乱のあまり忘れて
脱出に時間がかかってしまいましたわ。

その抜け出し方はいたって簡単。
でもクソ忙しい時には ちょっと度胸が必要なのよ。

それは
本当に上手い絵描きさんたちの画集を
じっくりと眺める事だったりします。

パクろうってんじゃないのよ。
ほんとにうまい絵やデッサンや構図に
自分の目と頭を慣れさせてやるの。

「本物を見ろ。
本物の上手い絵やイラストをいつも見ていろ」と
かって師事した先生に
言われていたのを思い出しましたわ。
思い出すのが遅いけど。

もちろん それでいきなりうまくなるほど
世の中は甘くありません。
さらに、それに慣れた後 自分の絵を見て
その下手さにもっと凹むという
副作用の危険も大きいんですの。

どんなに上手くても漫画じゃだめなのよ。
漫画描きさんの画面は
みんなそれぞれ独特のデフォルメがあるから。
似た絵になってしまうだけの気がするわ。

思い出してみれば
このところ漫画しか見ていなかったわ。

そして見ました。じろじろと。
手元にある何冊もの画集。
TVの美術館巡り番組、絵画の紹介番組
仕事の手を止めてまで。

な、なんだか描ける気になってきたわ。

でも一日一コマしか描けない状況は同じだけど。
同じだけど ただ凹んでいた時より
もうちょっと前向きな気分なのよ。
気分さえ出来上がれば あとは大丈夫なのよ。
絵を描くのが楽しいと思ってしまいさえすれば
勝ったも同然。

しょせん人間なんて単純な生き物ね。
あたくしだけかしら。

せめて一日二コマ描けるように頑張るわ。
それじゃ締めきり間に合わないけど。

ちなみにこのプチスランプ
あたくしが皆様にお願いした間違い探しには
なんの関係もないですので念のため〜〜。
間違い情報を下さった方々、ありがとう〜。
ちゃんとメールや書き込みは
専用ファイルを作って保存してありますから
今後の役に立てさせて頂きたいと思いますっ。

自分の妙な癖が発覚した今、
これからあの阿呆な間違いを犯す事はないのよと思うと
心の底からほっといたしますわ。

ほ、ほんとに犯さないかどうかは心がけ次第〜


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