ジンジャーエール湖畔・於
目次


2002年09月18日(水) 踵を返す白馬の王子

 

 ププの杞憂

 昨晩そとで猫の鳴き声が凄くって
 家猫のププも
 「おれも行かなきゃやばくね?」
 ってSOWASOWA
 
  −喧嘩かな?
 
  −違うと思うよ、鳴きかたが違う

  −じゃ、なんだよ!

  −恋の季節
 
  −だったらなおさらププの出番なしね
   かわいい玉もうないし
   ププの知らない世界だ

  −えーわかんないよ?このコのかわいい玉取ったの
   だいぶ大きくなってからだったから
   経験あるよ、たぶん
   やっちゃってるね、こいつ

  −・・・・・(ショックをうけてるわたし=おネエ)


 わたしは本当に自分がどうにかなってしまいそうなくらい
 ププが可愛くて可愛くて可愛くて
 中1の時からだからもう10年も一緒にいるのに、ププがいる生活に全然慣れなくって
 家でぼ−っとしているとき、ふとした拍子にププの姿が目にはいると
  胸ときめく
 ちっとも愛おしさが色褪せなくて常に新鮮な感動があって
 これは、もお。完璧な愛だな、と思う。
 十年愛。
 ププがわたしの完璧な恋人。
 恋人がいない女性には猫がつきものだけど、わたしの愛はそんなもんじゃねー
 とおもいたい
 逆にいつまでたってもわたしに完璧な恋人ができないのは
 ププの所為だと思う
 ププに優る可愛オトコいない
 ププがどっかの猫とセクッてたら悲しい 
 ププにちょっかいだした牝猫みんな猫汁にして喰ってやるー
  こンの、どろぶぉー猫がぁっっ!!
 って包丁もって追っかける
 (この文章は変態的、獣姦願望めいているのであとで消すかも)

 茶トラのププは顔だけは白いんだけど口元は紅さしたみたく
 茶色がポチっとなってて sexy・・・
 うっすらピンク色の口の中が見える
 その中には、人にうつると害になるというパスツレラ菌が無数に潜む
 けれどわたしはププへのキッスの欲望が抑えられない
 ププに触らないで長生きするより
 ププを可愛がって早く死ぬ
 世にも可愛い「猫」という生物の口の中に温床をえらんだ
 パスツレラ菌ってかしこいなー
 わたしみたくイヤらしい人間が猫にキスするの狙ってるンだ



 私の気持ちを表す”みそひともじ(三十一文字)”

             ↓

  やわ肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君 


  
  ほらまただ馬の蹄の音がする君とのキスに夢中になると



 上の歌は有名な与謝野晶子のもの。柔らかな肌の下を流れる熱い血潮、
そんな若さと情熱に溢れた私に触れようともしないで、寂しくはないんですか、
世のありふれた道徳ばかりを説いているあなたといったら・・・。(松平盟子訳)

 下の歌は先日池袋コミュニティカレッジの恋愛短歌賞という企画で佳作だった作品です。
 「馬の蹄の音がする」
 っていうのは白馬にのった王子様の馬の蹄のことで、
 だれかとキスしてても、どこかにいる運命の人を想っているのです。
 これはこのまえ知ったある言葉なんだけど、
 「運命の人に出会うには禁欲的じゃなきゃいけない」んだって。
 そ・の・と・お・り・だ・よ・ね!!

 映画「アメリ」で、恋人はいるの?ときかれたアメリが
 「まだいません」
 ていう答え方してて、コレはイイ。とおもった。
 普通は「今いません」とかこたえちゃうよね。 
 “まだ”が効いてる!
 




2002年09月17日(火) クマキトキコ(熊が木に登って喜ぶ子)が囁く商品番号

 

 私の1つめのバイトの通販の受注の会社は
 1時間に電話が多くて3本しかかかってこないの
 ヒマなのでスカイブルーのHI-TEC-Cで手のひらなぞって歌ってやるー
 

  あ ぁ わ た し の 短 か い うん めい せん


 「なぁーに、やってんのォォォ???」
 いっつもオーバーリアクションでうるさいのは川端さん
 「ちょっとー、みてみぃ。この人の手キモチワルイことになってるから」
 裏にすわっていた天野さんまで微笑みをたたえつつ寄ってくる
 「ほんとお!なんで?これ手相?指紋?」
 (手相です。)
 (こーやって綺麗な色のペンでくっきり描いたら)
 (わたしの運命もスカイブルーの素晴らしいものになるかもしれないと、思って・・・)
 「ぎゃははは!意味フメ−」
 (綺麗でしょ。わたしの運命線)

 ここには情熱の電話オペレーターはいないよ

 ここにいるのは
 「あくびの涙のせいで目が開かないよ−」
 と騒ぐギリシャ哲学の退屈しない教え方に悩む女の子と
 「怖い話しよー えだ豆ちょー怖えーよ」
 しか云わない歩いて十分のところに住む男みたいな女と
 「鰐肉ってさーチキンと魚のようだったわー。」
 なんて自慢気な三十代後半の主婦
 とか そんなオンナたちです

 ユーコ−ぎゃるずの机のまわりは
 今は鶴の季節です
 最初にそれを始めたのは大人しい菊池さんで
 それが伝染して
 いつのまにかみんなして折りまくってる
 折り鶴
 ピンクのめも帳で折ると可愛ーんだよね
 でもちょっと鶴、多過ぎ・・・
 電話の脇 広辞苑の棚 カタログのあいだ パソコンのキーボード
 つる つる つる つる つる つる つる つる つる つる つる
 つる つる つる つる つる つる つる つる つる つる つる
  電話なんか鳴らない
 みんな一心不乱に つる つる つる つる つる つる つる つる


 「だれが入院してるの?」って他の人がみたら思うでしょうね



    


2002年09月16日(月) ココア甘くてぼやく ママ

 雨なのに家さがし
 わたし
 メリーベル(まま会社での渾名。)
 A子ちゃん
 三人で鷺沼ってとこまで物件みにいった。

 わたしはほんとおは高円寺とかー浅草とかーに
 住みてーっんだよ!

 
 いっつも家みにいくとどっかの部屋を
 「わたしの部屋さー」とかいっちゃうんだよね
 ここはーリビング、ここはーメリーベルの部屋、
 とか想定してみてるから、つい。
  例:「わたしの部屋さー陽当たりどうなのかな。」
 それ聞いて不動産屋のお兄さんかなり嬉しそうだった。
 これは脈あり!て思ったみたい。
 ことわるのに。期待させてゴメンナ。


 そこの家、玄関の絨毯がボロッボロ!
 前すんでた人がいつも帰りがおそかったもんだから
 飼い犬がいつも玄関で待ってたんだって。
 それで絨毯ボロッボロ。地団駄したんだよ、犬。
 かわいそうだったんだ。
 うちなんて猫なのにいそいで帰るもん。
 猫は寝てるから大丈夫だよってみんないうけど
 それでもわたしが帰ると玄関まで来てゴロにャンするから
 やっぱり、早く帰るらなきゃと思う。
 それが犬だったらなおさらです。
 

 駅前の℃トールでA子ちゃんの彼氏との別れ話きく。
 わたしが生まれる前からふたりはつきあっていたから
 かなりながいのに。20年以上だよ。
 愛も去るのね。と煙草をぷかり。

 出会いかたが痺れる。

 彼が医者として働いていた病院の電話交換室にA子ちゃんはいたの。
 彼が交換室にたまたま用事があってのぞいた時にはじめて彼は
 A子ちゃんという人をみつけるの。
 『なんだか黒目がちの静かーなお嬢さんがいるなー』って思ったって。
 でもその時はまだふたりは言葉をかわさなかったの。
 ある時、A子ちゃんが仕事中に電話をうけると
  「ぼく。・・・想湖だよ。外科の。」
 A子ちゃんはすぐ彼だとわかったといいます。だけど
  「え?」
 とわざとトボケけます。
  「この前、交換室で会ったじゃない、想湖。」
  「はぁ...?」
  「きみ、名前なんていうの?」
 A子ちゃんはその時うれしくてしょうがなかったって。でも
  「あのー失礼ですけど、何なんですかッ?」
 すぐ名前を教えると軽いオンナにみられると思い
 毅然とした態度でそう応えたそう。
 想湖の何度目かの電話でやっとA子ちゃんは名前を教えたんだった。
 それから、はじめてふたりはデートするの。

 当時A子ちゃんと一緒に住んでいたメリーベルが云うには、
 「その日想湖とA子さん目黒エンペラー行って帰って来なかったんだよ!
  あたしが7時に帰らないだけで田舎に『お父ちゃん、メリーが帰って
  来ないんだけど〜』って電話かけて怒る人がさ!」
 
 さんざん焦らして名前も教えなかったのに
 ずいぶん簡単に目黒エンペラーいっちゃうんだね。
 そっちは焦らさないなんて気のいい女性だと思う。

 ただ、気になるのはその時、想湖は奥さんをもらったばっかだったということ。
 結婚したばっかですぐに他に好きな女の人ができちまうの?
 まったく、男ってやつぁ〜よお。
 そんなの想湖のような奴だけだと信じたい。


  
   (註:「メリーベル」ママの渾名 萩尾望都『ポーの一族』から
      「A子ちゃん」ママ姉です 現在50才独身です     
      「想湖」仮名です
      「目黒エンペラー」目黒にある老舗ラブホ)
 


2002年09月14日(土) 私の保健室

 


 トモダチが鼻の穴の横のピアスの穴をいじりながら
  「おまえの日記の『鬱』とか『躁』ってナニ?」
 と聞くので、『過去』と『未来』だよって教えました。
 
 意味はありません。
 さいしょは、「躁鬱めくら日記」というタイトルつけてたから
 その名残りでもあるけど。
 過去から未来へ接眼的に自閉的に一貫性なく
 ゆらめくさまが躁鬱病にたとえられるからです。

 それに私は不謹慎にも狂人にあこがれているので、躁とか鬱とか
 そういう響きに弱いんだ。
 羽目はずしたり、感情に突き動かされたり、我を失うことがないから、
 できないから、そうことできる狂ったものにあこがれるんです。
 お酒(おしゃけ)飲んでも普段とかわらないしつまんないんだ。
 
 よくわたしが、狂った行動する人にあこがれる、というと
 あんたこそ狂人じゃ。と冗談まじりにいわれるけど、本当はそれは違うとおもう。
 ある場面においては突発的だととれるような大胆なことわたしは平気でしてしまって
 周りの人を困らせてしまうこともあるかもしれない。
 けど、それは常識とか理性の範囲ないでの小さいスケールの中で許された
 大胆さ、奔放さでしかないと思う。
 狂人のとりとめもなさ、突拍子のなさ、無意識さとか、
 狂人に限らず恋愛に陶酔している人間の常軌を逸した熱情とか、馬鹿らしさ
 だとか、すごくて。ちょっとした自我の喪失というか、未知の受容が
 そこにはあって・・・・

 (つかれました、後でかきます)

 
 最近は『海』『快』もいいとおもっているんだー。
 阿藤海から阿藤快に改名したことで過去と未来を表現。
 対立項目だったら、『ポジティブぶす』『ネガティブぶす』とか。
 『A感覚』『V感覚』、『タッキー』『翼』とか。
 『あぶら肌』『かさかさ肌』とか。
 ・・・つまらないことは、もうやめます。

 今度は目次を『LOVE』に変えました。
 『LOVE』『鬱』『躁』とつづけて読むと
  「LOVE。ウッソ〜」
 みたいになっておもしろいと思って。
 ・・・おもしろくない?ないね。
 高田純二が女性を口説きつつも(LOVE)、
 ふとした瞬間にオカマであることに気づきあわてて(うっそーん)
 誤魔化しているイメージで。

 あと、その鼻の穴が三つあるトモダチにいわれて
 カウンターをつけることにした。
 カウンタか。カウンターって伸ばさないよね。
 バーじゃないんだから。
 
 
 




2002年09月12日(木) HOTEL 愛すランド

 

 生で太陽の塔みた

 下のクチビル尖らせた顔みたいなのが

 このまえの夏季集中講義で一緒だった浜野サンて女の子に

 似ているんだよーと友達に教える

 太陽の塔のプリクラもとる

 ワタシと友達の間に塔がある構図

 浜野サンももちろん写ってるで




 

 帰りもハイウェイバスでTOKIOへ

 席が二階の一番前ではしゃいだ

 フロントガラスの真ん前で景色が迫ってきて

 オペラでも歌いたい気分です

 わたし高速道路ってダ・イ・ス・キ!

 特に夜の高速道路ね!

 車の明りがぽつぽつと赤・黄・緑・紫と

 チラチラと紺色の空気のなかに浮かぶのを眺めているだけで

 うっとりする

 それに高速って町中みたくチマチマ曲ったりせずに

 ひたすらまっすぐなのもいい

 パーキングエリアもいい

 それになんつったって

 高速そばに建っている数々のラブホテルたちが可愛いくってさー

 誰か高速からみえるラブホ写真集つくってくんないかなー

 都築響一あたり よろしくたのむよー

 

 小さい時、田舎に帰るといつも

 「かおちゃん、あそこ行きたーい!!お城ー!ねえ、ねえ」

 とねだってた

 お城のような建築とか自由の女神オッ建ってたりとか打ち上げ花火

 みたいな電飾とかできらびやかなそこはなんか知らんけど

 素晴らしいパラダイスなんだと思った 桃源郷

 連れてけー

 それはまだわたしにとって”透明高速”であって

 ”東名高速”は存在しなかった頃のこと









 


2002年09月11日(水) 止まらないよ 止まらないよ



 朝、やじうまワイドつけたらタッキー&翼ナマ出演

 今日デビューCD発売だそう
 
 司会者になぜデビューを今日にしたのかと訊かれ

 「やっぱり、去年の、9月11日のテロの事を、忘れちゃいけないなと・・・」

 とタッキー 神妙な面持ちで

 まさかタッキー&翼がそんな背景から誕生してるとは

 考えもしなかったわ





2002年09月10日(火) 尾道だ、まちがえるなよ、尿道と

 

尾道の人はみんなとっても優しくて親切
 どのくらいイイ人かというと
 道あるいてると、どこ行くのー、と話しかけてきて
 別に道きいてないのに教えようとしてきます
 しかもそれでまちがっていたりします 

 宿のおばさんもいい人
 でもおばさんのすすめる店とか場所にいくと
 必ず同じ宿に泊まっているアベックに遭ってしまうのが
 気まずいやら可笑しいやら
 きっとお客さんみんなに同じとこ勧めてるのでしょう


 「喫茶・占い400円」とかいてあった民家があって入ってみたら
 じーさんでてきて占いとはいえない妙な人生訓みたいの
 一方的にアドヴァイスされる
 部屋一面に手書きの相田みつをみたいな言葉がはりつけてあった
 変なカードだしてきて一枚ひかされ、出たカードが
 ”インナーハピネス”っていうやつ
 じーさんいわく、わたしは
 「もっと映画みたり涙の物語みた方がよい」そう
 「涙をながすことは恥ずかしいことではない」そう
 「君には刺激が必要だ」そう
 「夢を持った方がいい」そう
 占いじゃない

 友達は”ウォーター”ひいて、開口一番
 「去年別れた彼とはいつ頃?」と
 ズバリと言い当てられ・・・もせず
 (じーさんは『どうだ!当たってるだろ』って感じだった)
 「別れてませんけど・・・」
 いったら、トンチンカンな前言を気にもせで
 「何年くらいつき合ってるの?」とか「結婚は考えてるの?」とか云ってた
 結局、こっちに聞いてるんジャン!て感じ
 占いじゃない
 「志しとして2500円もらえれば、友人として(?)
 1人1500円でここに泊まることができます。」とも云われる 
 友人としてってなに?


 ★



 夜、新開という町のバーに行きました
 遊廓というか赤線だかそういう町だったらしく
 建物がその面影を残しています
 尾道でここを知らないのはもぐりといわれるバー・暁
 洋酒の数や訪れた有名人の数はハンパじゃないです
 うちの大学の総長まできていたのにはビックリした
 マスターはラーメン大好き小池さん似
 ここでも見たいっていってないのに
 店のことが載った雑誌やら小説やら付箋やら棒線やら
 みせられる
 「Pen」とかそういうオトナの男性雑誌や、片岡義男の小説の
 『三十代後半の、しかし若くみえるマスターが・・・』
 ってとこに強く線がひいてあって、友達と笑った、こっそり


 お客のサラリーマン2人とちょっと飲んだけど
 全然厭な感じじゃなかった
 普通こういうとこで声かけてくる奴なんて退屈なのにね
 旅先のせいか 尾道の人のよさか
 状況劇場の話しとか稲垣足穂の話しなんて
 したんだぜ?
 そんな会話飲み屋ででるのありえなくねー?
 今度東京に転勤だからといって又会う約束したけど
 もう会わないでおこ


 ★
 

 旅館の門限ギリギリに帰って

 歯ァみがいて蒲団に飛び込む

 酔っぱらってるのでいつまでも同じギャグで笑い続ける

 

 「無理!リ−ム−!」

 ぎゃっはははっ☆

 「フェリー乗る!ブライアン・フェリー!」

 ぷっくっっくぅ〜〜〜っ☆

 「去年の彼と別れたのはいつ?(占いのじーさんの真似)」

 がっはははっっ☆



 早く寝れ!

 なんて言わないで

 わたしたちは硝子の粒

 ケラケラといつまでも笑い転げていいじゃない

 ユラユラといつまでも踊りつづけていいじゃない
 
 フラフラといつまでも調子はずれに歌っていいじゃない 
 
 「リ−ム−!」「リーム−!」

 「みて!お腹チョ−でてる」「やべーよニキビ潰れた」

 「無理!」「リ−ム−!」

 「中国人みたくね?」「リ・ム−氏とか?」

 「李さんの餃子!」「去年の彼と別れたのは・・・」


 きゃはははは

 あはははは

 いいじゃない うるさくしたって

 ちょっとぐらい 騒いだって

 調子こいたって 許してよ


 わたしたちは今 とっても輝いてて

 髪の毛の先から爪までもキレイなうすみどり色

 クランベリーフィズの中に浮かぶマスカットみたく

 きっと甘酸っぱいよ  

 99回目の「リ−ム−」でようやく笑い疲れて

 やがては深く眠りにおちていく

 そして憂鬱な朝を迎えるんです


2002年09月09日(月) あなたはわたしのこっちの横顔だけをみてて



 夜行バスはすぐに消灯されてしまうので

 みんなまっくらなバスの中でリクライニングして脚をのばして

 ほぼまっすぐの体勢で眠っています

 静かに静かに(ZZZ・・・)

 眠れないからカーテンめくって窓のぞく

 外はハイウェイ 疾走中だぜ いえい

 乱れ髪サスーン

 車内ふりかえると
 
 まっすぐの身体が横たわる

 何本も ずらーっと

 ししゃもみたいだ

 ここは大きなロースターの中です

 眠る何本もの身体は並べられたおサカナです

 覚悟しろー
 
 起きたらば、身体まっくろだよ、オレたちきっと





 


2002年09月08日(日) メイプル・マンゴー・おーいお茶

 

 好きなのは、旅を夢みること
 嫌なのは、旅立つまでのエトセトラ



 三泊するからー、パンツは四枚? あれ、三枚か。
 でもでも、夜行バスで車内泊だから、やっぱパンツニ枚?
 あーっ!わかんねー
 あれ、三日目この服だと靴と合わないジャン!
 とか、
 携帯の充電器もってくの忘れないようにしなきゃ、
 とか
 ママが「おにぎりもってっく?バスの中でお腹すいちゃうよ」
 「お金は二ケ所に分けなさいよねー」とか言うの
 とか

 嫌 な、んだよお、ねえええ



 理想は
 この町を誰にも知られずにそっと抜け出して、
 どこか知らないところへあてもなくふらりと行くこと

 

 でもそれには、
 母の心配だとか
 パンツのことだとか
 コンタクトケアだとか
 わずらわしいことが幾つかあって
 気分じゃないんだよ
 なんか、違うような気がして止めたくなってきてしまう

 
 あ、でも、持ってく本やCD選ぶのは楽しいものです
 今回はショパンや川上弘美など連れていきます


 ♪ らーらららーららららーららららーらさびしんぼー
                              
   (ショパンの「別れの曲」に合わせて歌いましょう)                      




2002年09月03日(火) かなしいのはひとりでパピコしてる人


  日本でいちばん愛されて
  日本でいちばん働いて
  日本でいちばん可哀相な  ねこ

  それはハロー キティだよ

 地域限定ストラップで全国コスプレ営業
 キティちゃん焼きで顔を鉄板でジュージューされて
 バースデイカードでみんなの誕生日をお祝い
 病院ではナース姿で患者さんはげまして
 コギャルのために日焼けにもなってみせる
 プリクラとして彼氏と彼女の恋を応援(二人が別れた後も)
 今年は巳年だからって谷ナオミみたく蛇にまきつかれたりもしたわ
 キティには盆暮正月ありません
 いつでもみんなのマスコット
 双子のミミィやお父さんお母さんにも会いたかろう
 けれども愚痴のひとつもこぼしませぬ
 怖い サンリオが怖いから
 ミミィはお母さんのアップルπ食べてるのに
 キティだけが今日もコスプレ
 取り巻きのウサギたちにうしろでチクチクされながらもニコニコ
 三本髭キューティクル光るコスプレ魂
 わたしは悲しい越後獅子

 ああ キティ
キティ・ホワイト
 重さ林檎三個分のきみはとっても
 けなげ
 

  


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