ジンジャーエール湖畔・於
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突然だが、小田和正の自己ベストアルバムのCMは変だ。 小田さん本人が出演していて、自転車で坂を立ちこぎしながら そのアルバムに入っているすべての曲のサビの部分だけを歌って 紹介、というものだ。けれど、、、
♪きらきらっあのーひあのーときっさよならっさよならっ (「キラキラ」→「ラブストーリーは突然に」→「さよなら」)
とまあこんな調子でなにかにとり憑かれたかのように、なにかに追われているかのように、落ち着きなく15曲歌い流しまたたく間にCMは終わる。 あんた?ちょっと!大丈夫!?と言いたくなる異常な和正。 映画「シャイン」のジェフリー・ラッシュ扮するデビット・ヘルフゴット のことをちょっと思い出した。 異常な和正の歌はまるで言語サラダだったから。 自転車で坂をのぼりながらこんなせわしなく歌をうたうのは さぞ大変だっただろうに。 息があがってさぞ鼻の穴がふくらむことだっただろうに。 小田さんはこんなこともやってくれちゃうんですねぇ。 あの坂はdokoの坂なのだろうか・・・
ブックオフにて「箱庭センチメンタル」(小林キユウ)購入。 文京区音羽幼女殺害事件、新潟県柏崎市女性誘拐監禁事件、佐賀市十七歳少年 バスジャック事件、世田谷一家殺害事件、弘前市武富士強盗放火事件、浅草レッサーパンダ短大生刺殺事件。 これらはどれもまだ幾分か記憶に新しい衝撃的な事件である。 著者は徹底してこれらの事件の足どりを追い、いわば追体験のように 現場を訪れることで、犯人がみていたであろう風景を想像する。 そうして見えてくる事件風景、その世界は意外なほど穏やかだったりする。 それ故に、そこで起きた事件が恐ろしく思われる。 例えば文京区音羽幼女殺害事件の現場である音羽幼稚園前の公衆トイレ。 男子用・女子用と書かれた小さな小さなかわいいトイレ。 そのトイレ脇におかれたシクラメンの鉢。 横には人形とココアの缶が置かれている。 園児たちがかわりばんこにジョウロを持って水をやっている姿が 目にうかぶ、と著者は想像してみる。
年中うかない顔してため息ついてるワタシでも、 「世界中にアイ・ラブ・ユウ」 なんて思う瞬間もある。たまに。 けどふだんは世界はグロテスクにみえる。 それはもしかして、感性の鈍い私が見落としているだけ? 世界はほんとうはちっともグロテスクなんかじゃなく、 素晴らしい、愛おしいものなのだろうか。 たまに垣間見る「世界中にアイ・ラブ・ユウ」が真実なのか。 そんな風にくるくる反転する世界観で生きているのがわたしたちなのでしょうか。 こういう矛盾・渾沌・不条理に出くわすと、ますます私の頭の中は 対応できなくなってしまう。 理解できない世界に生きることがこわくてしょうがない。 人生は冒険? いやなだなー。ジンジャーエール飲んでいたい。 これからおこることにワックワク・どきどき!なんて発想できない。 すべて不確かなもの。でもそれがいや。 え?わからないからこそ楽しいんじゃないかって??
| 2002年04月26日(金) |
きらめきミッドナイト |
「ときめきトゥナイト」を再読。 蘭世が主人公の第一部は文句なく楽しい。 人間界に住む魔界人の蘭世とその片思いの相手の真壁くん、恋のライバルの神谷さん、蘭世を好きな魔界の王子のアロン、アロンと蘭世をくっつけようと画策するバンパイアの父・望利と狼女の母・椎羅、という恋のすくらんぶる交差点なゆる〜い展開の初期1.2巻が特に好きだ。 りぼんで連載していた当時小学生の私は、この漫画から”トゥナイト”という単語を初めて知った。 なんだかその響きにドキドキした。 しかし実は、中学で英語を習うまで”トゥナイト”は『トゥ』と発音せず ずっと”とうナイト”だと思っていた。 そんなある日、新聞のテレビ欄をみてたら「トゥナイト」という番組があるではないか!どんな番組?きっと「ときめきトゥナイト」のように かわいくってちょっぴり不思議な世界がそこにはあるんじゃないかしら。
しかし深夜のテレビ朝日、小学生がそこにみたものは・・・
| 2002年04月21日(日) |
ロシアとロバとその他のものに |
こういうなんとも適当なタイトルを自作の絵につける画家、 マルク・シャガール。 そんなシャガールの展覧会をみた。 私はこういう美術館などに来ると、なんだかしんないけど笑ってしまう。 まさに女蛭子能収、である。 二年くらい前のサントリー美術館でもそれが起きてしまった。 どんな興味があってか何故だか水墨画を見に行ったのだ。 そこで、運命的な出会い!「寒山拾得」の発見である。 こどもなんだかオヤジなんだかわからん寒山と拾得の『に〜んまり』 の絵を大量に眺めていると、ちょっとしたトリップ感があった。 も〜クラクラするようなその微笑み!ったらない。 服装もズルズルと裾を引き摺るようなかたちで、ともすればヨダレでも垂らしていそうな、漫画だったら「デヘへ〜」というオノマトペで表されていそうなぐらダラシナイ寒山拾得のたたずまい。 それらとガラス越しに対峙する私の心境といえば、まるでにらめっこ。 そう、にらめっこなのです。 にらめっこってたいして面白い顔を相手がしている訳じゃなくても どーしょもなく笑いがこみ上げてくるでしょ?あの感じ。
そして今回のシャガール。 笑いに至るまでには少し鍛練が必要とされる。 寒山拾得と違ってこちら側がツッコんでやらねばならない。 寒山拾得が天然のボケであるジミー大西だとしたら、 シャガールはさしずめ松本人志とでもいおうか。 あんまり上手い例えではないけれど。 幻想的で謎めいていてそれでいて気持ち悪いよな禍々しさはまさに私好み。 でもロバが!ニワトリが!おっさんが!浮遊してるまるで無重力のような 構図、奥のほうにちっさく描かれたヘタウマな人々、ところかまわず現われる 抱きあう男女、尻がチェロになっていて自ら弾かんとする馬、首がもげた男、 ろくろ首のように首がニョロニョロ伸びて顔だけ女の人にチュッ!、 まるで見世物小屋的世界。 感動した!(小泉純ちゃん) 人生でもっとも私が大事だと思うことは「笑い」です。 シャガールも寒山拾得も別に笑わそうと描かれたわけでは ないのだろうけれど、そこに笑いの要素がみられるってことは 大切なことだと思うのです。
ひさしぶりの上野は駅がとっても綺麗になっていて驚いた。 東北への玄関口という演歌くさい世界からはかけ離れてしまったなぁ。 上野駅の中にできた浅草染太郎でそば入り豚天を食べた。
大学の今年度の授業の登録結果を受取に行く。 久々に学科の人やら友達に会って、皆やすみの間に 微妙に変化しててそれが見てて楽しい。 そんな中、最も私を惹きつけた人物が・・・ それは教室に何食わぬ顔であらわれたチョンマゲ頭の君。 自毛でチョンマゲを結っておられるのです。?ちゃんと額も剃ってあって。 最初は一見してハゲヅラでもかぶってるのかと思ったほど、それ程普通では 考えられないその髪型に私の脳みそがついてかなかったってこと。 なんで?チョンマゲ・・・? さらに不思議なのは、そんなチョンマゲ野郎の闖入に色めきたっているのは 私だけだったということ。 教室内の人々は全然気にしている様子もなく、ほとんど無視。 というか当の本人も別段態度に変わった風はなくちょっとしたら 周りに溶け込んでて見逃してしまうほどの普通さ。 もちかちて、私だけに見えるチョンマゲなのかしら??なんて。 実は、彼、自分の頭がチョンマゲ結ってあることすら知らないのじゃ ないかしら。夜中に何者の手によってチョンマゲ頭を施され、 朝も遅刻ギリギリで焦って家を出てきたとかなんかで 今日起きてからまだ一度も鏡を見てないのじゃないかな、 と、大胆予測。 それにしても本当に笑いを通り越して唖然、というかシュ−ルレアリスティックですらあるあのチョンマゲ頭。 あの頭で電車乗ったり、家で一人でテレビみたり、麻雀したり、飲み潰れたり、時には泣いたり、笑ったり、失恋したり・・・ なんてゆー大学生の日常生活を過ごしてるとこ想像してみると 本当にシュールである。
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