
図書館貸出を長らく待っていた「忘れられた巨人」の順番が到来し、ハヤカワ文庫版を借りて昨年のノーベル文学賞作家の作品を読むことができました。どちらかというと新しい作品を追うよりも少しずつでも「古典」を読む方に力点をおいているのですが、今回は長崎出身の「カズオ・イシグロ」がどのような小説を書いているのか興味が沸き作品を読んでみました。
「民族や国家にとっての歴史という公的な「記憶」に関する」ストーリーと、そのストーリーを辿っていく「アクセルとベアトリス老夫婦の私的な記憶」が延々と扱われていきます。民族・国家の記憶は「恨みの気持ち」が「復讐」の連鎖を惹起し何時までも平和が訪れません。私的な記憶は「不義への恨み」が嫉妬・誹りの感情を何時までも「棘」のように残り続けます。解決の手段はありません。物語では「クエリグの霧」が記憶を消してくれます。文学だからこそできる解決方法です。しかし「クエリグ」が倒された後に起こると想定される民族・国家間に復讐の連鎖は物語に描かれません。記憶を取り戻した老夫婦の方はクールに別の道を歩んでいくことにあります。
公的にも私的にも「記憶」が消されているので、「物語」は過去の経緯が分からないまま結末(クエリグ退治)に向かってどんどん進みます。ナレーターが過去の歴史を知っているのか、知らないのか、知っていて隠しているのか「読者」は「座り心地が悪いまま」物語を辿るしかありません。最後の章ではナレーターが登場人物の「船頭」に唐突に代わります。そして居心地が悪いまま物語は終了します。読み終わって爽快感がそれほど無いです。ハヤカワ文庫のが普通の文庫より縦長で、我が家にある市販のブックカバーに入らないのは何とかして欲しかったです。
| 2018年03月16日(金) |
ピザストーンが当たった。 |

日本ハムのチルドピザ「石窯工房」の「ピザストーンプレゼント」に応募していたところ、目出度く当選して「ピザストーン」が届きました。この皿は岐阜県多治見市の美濃焼の「前畑陶器」の製品で、オーブンレンジ・オーブントースターで冷凍ピザを焼くときに使う調理器具です。本格的なピザ窯は炎の熱量ではなく「窯内の熱量」で短時間にピザを焼き上げるのですが、この皿を予め焼いておくことで、窯に近い熱量を出して調理できるようになっているようです。
「石窯工房のピザ」もそうですが、チーズを増量したり、トマトソースをトッピングしたり、オリーブオイルを追加したりすることで、より美味しくピザを食べることができます。家にはピザを焼くことを考慮して大きなグリルを設置しています。電子レンジあるいはこのグリルでこの「ピザストーン」を使ってみようと思います。
| 2018年03月15日(木) |
財務省文書書き換え事件 |
今回の「財務省文書書き換え事件」の全容を解明する場合にぶち当たる難問があります。それは財務省理財局がなぜ文書を書き換えたのかということです。財務省の官僚が自分や時の政権に都合の悪い「証拠」を文書に残すはずがありません。事実今回判明した決議所文書書き換えで削除された「文言」は決して、それ自体が不正の証拠となるような性質のものではありません。優秀な官僚がそれが分かっていながら「自ら」書き換えることは到底理解できない状況です。
それではどのような力が働いたのか。優秀な官僚に対して文書書き換え(そしてそのストーリに沿った国会説明)を官僚に強いることができるのは「かなり強大な権力」である必要があります。官僚に対して「決議書を修正」し、「虚偽の国会説明」をさせてもそれがバレないと思わせる権力の持ち主です。そして自分に従った官僚に対して大きな「報償」を与えることができる力も必要です。
そしてその力の持ち主は「論理の厳密さ」を求めるというよりは「安全サイド」で「アバウト」であり、かなり「心配性」で「予め大事を採る」タイプです。安倍首相夫人を絶対に守り抜くということを前提に「少しでも引っ掛かりそうな」証拠は残らず消し去らないと気が済まないタイプです。そこは非常に徹底しているのです。
安倍首相に近くて官僚に対して「権力」があり、安倍首相周辺を守るために「心配性」で立ち回る人物(政治家)とはいったい誰でしょうか。高級官僚の人事権を握る内閣府の中で安倍首相を補佐する政治家ならば、そうしたスペックにピッタリ符合しているように見えます。
| 2018年03月12日(月) |
財務省文書「書き換え」 |
朝日新聞がすっぱ抜いた「財務省の文書書き換え」問題に関して、財務省が「書き換えがあった」旨を政府・国会に報告しました。既に先週土曜日から「書き換えを認める」の情報が流されていました。今のところ書き換えが行われた文書とその内容の報告に留まり、「誰が・何の為に」という背景調査の結果は出ていません。
先週金曜日の佐川国税庁長官の辞任は「文書書き換え」を財務省が認める決断を背景に為されたもののようです。「誰が・何のために」という疑問ですが、野党は一斉に政治家(安倍首相)らの関与の糸口を掴むべく攻勢に出ています。しかしそれは無理だろうと思います。政治家は「忖度」され、それえを遠くから拒否せずに見守っているにとどまり、直接「働き掛けるような」危ない行為はする筈がありません。
私は「官僚の忖度」を誘引する理由として「内閣人事局」の役割が大きいと思います。内閣人局は国家公務員の人事を一元的に統括する部局で内閣の下に置かれます。それまでの国家公務員の人事は各省庁単位にバラバラに行われ、各省の「天下り先の確保」を巡って各省の行政が誘導されかねない状況に置かれていました。その弊害を抑えるために官僚の人事を各省庁から取り上げ内閣に一元化されたのでした。しかし今度は「時の内閣」の意向を実現するために行政が歪められる事態となってしまったようです。
この集中人事制度の下で官僚は「自らの昇進・天下り先確保」のため、時の内閣に都合の良いような行動を採るようになっていきます。そしてそれは決して以前の「省庁グルミ」の形ではありません。内閣官房の有力若手政治家(首相のブレーン)が形成する省庁横断的な「官僚グループ」が巧妙に「忖度」の状況を作っていくのだと想像されます。首相ブレーンは着実に与党内で実績を積み上げ、仲間の官僚は順調に(同期のトップを切って)昇進していく構図です。
そして多くの場合は「忖度」が表面化せずに通常の行政業務として淡々とこなされ、極く稀な場合には今回のように官僚サイドの不手際(あるいは良心?)によって問題が明るみ出ます。この場合切り捨てられるのは「忖度した」官僚だけですが、長い目でみるとその影響は政権の崩壊に繋がっていく「力」を持っていると思います。小泉議員がコメントした「自由民主党は官僚だけに責任に終わらせない」という言葉を何らかの形で実現して欲しいと思います。
| 2018年03月09日(金) |
ニュースが多かった。 |
今日はニュースが多い一日でした。
まず、森友学園への国有地売却問題に関しての近畿財務局の決裁文書が書き換えられたとする疑惑で佐川国税庁長官が辞任しました。そして近畿財務局の当該案件を担当していた職員が自殺していたことが明るみにでました。何も疚しいことが無ければ「辞任」する必要もないし「自殺」する必要もないはずです。何も疚しいことがないのに「辞任」「自殺」するようなことがあったとすれば、更に悲惨で「病んでいる」状況と言わざるを得ません。
北朝鮮「非核化」問題で新たな動きがありました。北朝鮮の金正恩氏がトランプ米大統領との会談を要請しましたが、韓国の特使からその情報を伝えられた「トランプ大統領」は即座に今年5月末までに金正恩氏と会談する旨を発表しました。北朝鮮とアメリカの首脳会談が開催されることは歴史に記録される重大事案です。エルサレムへの大使館移転・シリアの泥沼化で中東情勢は混迷していますが、朝鮮半島問題では光明が見えてきた感じです。但し朝鮮半島非核化はアメリカの大統領「一代」で解決するような問題ではありません。また北朝鮮の専制体制に比べると日本を含め西側の政治はポピュリズムに左右されるし資本主義経済も浮沈が激しいです。北朝鮮に長期的に一貫した姿勢で対応できるだけの体制が必要となります。トランプ政権は非常に不安定なことが気になります。
| 2018年03月06日(火) |
韓国大統領特使団が平壌訪問 |
平昌オリンピックで韓国と北朝鮮の関係が一挙に友好ムードに変化した後、韓国の文在寅大統領の特使団が平壌を訪問しました。「北」の歓迎ぶりはこれまで考えられないようなもので、北朝鮮のテレビ番組で金正恩氏が先頭に立って友好ムードを演出しました。そして韓国特使団と金正恩氏は6項目の合意を発表しました。6項目は以下のとおり。
▼4月末の南北首脳会談開催 ▼首脳間のホットライン設置 ▼北朝鮮の非核化の意志表明 ▼米朝対話の用意表明 ▼対話期間中の戦略的挑発の凍結 ▼韓国側のテコンドー演武団と芸術団の平壌訪問
4月末の「南北首脳会談」は板門店の韓国側施設で行われるようです。また難しいだろうと思われていた「非核化」についても盛り込まれ、米朝対話についても北朝鮮が前向きの姿勢を見せました。これで一気に北朝鮮問題が進展するのでしょうか。トランプ大統領は「制裁圧力」の成果だとしていますが、韓国の特使が速やかにアメリカを訪問して今回の南北合意事項を説明して、アメリカに「下駄」を預けるようです。
| 2018年03月02日(金) |
韓国の「独立運動記念日」 |
3月1日は韓国の「独立運動記念日(Independence Movement Day)」でした。 3月1日は1919年1月に亡くなられた李氏朝鮮王国国王「高宗」の葬儀3月3日に向けて、現在のソウルを中心に起こった独立運動を記念する記念日です。韓国の文在寅大統領は日本に向けてかなり踏み込んだ批判を行いました。
現在の政治は横に置いて切っ掛けとなった「国王高宗」について少し調べてみましたの記録しておきます。高宗は1852年生まれで1863年に11歳で李氏朝鮮26代国王に即位しました。日本の明治維新の数年前です。1897年日清戦争後に李氏朝鮮王国が「清」からの独立が確認されたことにより大韓帝国の初代皇帝となります。1910年の韓国併合以降は大日本帝国の王族となりました。「高宗」は朝鮮半島から日本の明治時代から大正時代前半を見ていたことになります。
明治になって日本では「征韓論争」が交わされ「西南戦争」に発展しました。そもそも「高宗」の実父「興宣大院君」が幼い「高宗」に代わって政権中枢に座り、強硬な「鎖国政策」を採用して日本との国交を断絶しようとしたことが発端です。大院君の政策は明治政府が「西郷」を失うことの原因となりました。
「高宗」の皇后は「閔妃」です。大院君を除いて政権を握った「閔妃」は「清」と接近します。1884年朝鮮の改革を目指す「金玉均」等は閔政権打倒を目指して甲申政変 を起こしますが「清」国軍に敗れ日本に逃避しました。日本では佐野市の「須永元」などが支援しました。
1895年4月日本は日清戦争に勝利し下関条約を締結します。「清」の後ろ盾を失った「閔妃」はロシアに接近しようとします。そして日本領事館も関わったとされる「閔妃」暗殺事件が発生します。日本は隣の独立国の王妃を暗殺するという前代未聞のテロ行為を行いました。1905年日路戦争に勝利した日本は大韓帝国を保護国化し、1910に韓国併合へと突き進みます。
これだけ見ても韓国(朝鮮)と日本の摩擦は大変なものです。NHKで「西郷どん」を放送中ですが、西郷隆盛を「朝鮮問題」で失ったことは日本の大きな損失だったと思います。
| 2018年02月26日(月) |
平昌オリンピック閉幕 |
平昌オリンピックが閉幕しました。日本選手が獲得したメダルは「13個」(金:4、銀5、銅:4)に達してこれまでの冬のオリンピック史上で最多となりました。フィギュアスケート男子、スピードスケート女子で世界トップクラスの選手が確実にメダルを獲得したのが大きい原因だと思います。一方、ジャンプ(男・女)、スピードスケート男子等これまでメダルメダルを獲得してきた種目で世界トップクラスの選手と実力差が開いてしまった競技も見受けられました。
スポーツと並んで「南北朝鮮の接近」が目立った大会でした。3月8日から18日まで行われる「パラリンピック」が」終了するまでアメリカも北朝鮮も目立った動きはないと思いますが、パラリンピック終了後に再び緊張が走るのか、春に向けて「雪解けムード」で事態打開に進むのか目を離せません。

別所沼公演の「河津桜」の花が漸く開花しました。さいたま市は例年になく厳しい寒さが続いていますが春は確実に近づいていることを実感しました。まだ来週厳しい寒波が来そうだという予報があります。河津櫻は健気にも花を開きながら冬を耐えるのです。
今日は平昌オリンピックの「男子フィギュアスケート」で、羽生選手・宇野選手が金メダル・銀メダルを獲得しました。羽生選手は怪我を克服しての金メダル、宇野選手はともすると羽生選手にだけスポットライトが当たる雰囲気の中での意地の銀メダルだったと思います。世界の強豪を退けてのメダル獲得は大変立派だと思いました。
将棋界では「第11回朝日杯将棋オープン戦」が行われ藤井5段が優勝しました。優勝した藤井棋士は史上最年少で「6段」に昇進しました。優勝賞金は「750万円」だそうです。若い藤井棋士はこれからのどんどん賞金を稼いでいくことでしょう。
平昌オリンピックではスポーツ競技と並んで「北朝鮮からの訪韓団」が話題になりました。開会式には金正恩の妹「金与正」氏が北朝鮮のNo.2の「金永南」氏と共に出席しました。「金与正」氏の韓国滞在中は文在寅韓国大統領が異例の歓待ぶりで正式に「金正恩」氏からの正式な北朝鮮訪問要請を受けました。この文在寅大統領の北朝鮮訪問はオリンピック閉幕後の米韓合同軍事演習の動向との関係でどのように推移していくの注目されます。
昨年の今日2月13日には、マレーシアのクアラルンプール空港で北朝鮮の「金正男」氏が毒物で暗殺されました。金正男氏については中国政府が将来の北朝鮮指導者の選択枝の一つとして保護していました。そして北朝鮮内からも嘗てNo.2であった「張成沢」氏がバックアップしていたということです。
しかし「張成沢」氏は、2012年8月訪中した際に、当時の中国の胡錦濤国家主席と「北朝鮮指導者、金正恩氏を降ろし正恩氏の兄の金正男氏を擁立する可能性」について話し合ったことが北朝鮮に密告されました。張成沢氏は2013年末に処刑され北朝鮮内の親中派が一掃されたという経緯があります。2012年・2013年は中国の政権移行期にあたっていて「薄熙来」「周永康」等の逮捕者が出た時期と重なります。
北朝鮮は昨年2月の金正男氏を暗殺して指導者交代受け皿の可能性の芽を摘み取り、一年間かけて「核兵器・長距離ミサイル技術」を磨いて「核保有国」としての地位を得ました。次の北朝鮮の出方が気になるところです。
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