| 2015年01月16日(金) |
久しぶりに埼京線大混雑に遭遇 |
今日夕方、池袋で用を足した後に埼京線で帰宅しようと池袋・埼京線ホームに上がったところ、埼京線下りホームは電車に乗れない客で大混雑の状況でした。構内放送によると、下り4番戦ホームに停車している列車のパンタグラフにビニール袋が絡まってしまったとのこと。その列車は下りホームで30分近く動かない状況だったようです。勿論この4番線ホームの下り列車は満員ギューギュー詰め。3番戦にも次の下り列車が止まっていましたがこれもほぼ満員でした。
4番線ホーム列車が「先発」だということで、後から来た利用客が身体を押し込もうとします。車内はドア近くに限らず車内中央付近まで満員でした。私もドア付近の隙間を狙って後ろ向きに身体を押し込めどうにかこの列車に乗ることができました。ところがここで構内放送が流されました。「車両の都合で3番線ホームの列車が先発します。」 当然ですがドア付近の客のかなりの人数が今度は3番線の列車に殺到しました。3番線列車に前から乗っていた人達にはラッキーです。私も4番線列車から3番線列車に乗り換えました。
先発列車に乗ることができてやっと安心していたところ再び構内放送。「先発は4番線の列車になりました。ご迷惑おかけして済みません」。こうなった以上意地で4番線ホームの列車に移りました。そして漸く下り列車は出発しました。車内は勿論超満員。身体が曲がったまま駅を3つ通過しました。しかし、それほど混んでいるというのに、スマホを取り出してゲームを始めようとする方がいました。周囲の冷たい視線も何のその「メール」のやりとりをしていました。余程緊急の用事があったのでしょう。
スリランカを訪問した「ローマ法王」が短いスリランカ滞在時間の中で、北部の「マドゥーチャーチ」を訪問しました。コロンボからマドゥーまでの長時間の車での移動は高齢な法王の身体に非常に大きな負担になるだろうと思っていたら、コロンボとマドゥーチャーチの間をヘリコプターで往復したということです。
幸運にも私はマドゥー教会を訪問するチャンスがありました。とにかくとんでもないジャングルの中にある教会なのです。辿り着くことが困難であればある程「巡礼」の価値が上がると考えるならば、マドゥーチャーチは世界でも有数の「巡礼地」なのです。
私が訪れた時代は周囲のジャングルはスリランカ反政府組織の支配下でした。当然ですが戦局が緊迫してくると訪問することはできませんが、幸い私が滞在した時代に内戦終結に向けた話し合いのムードが醸成され、政府軍・反政府軍とも非常に冷静に対応していたので訪問することが出来たのでした。
教会のあるジャングルの南側には北西部の主要都市マナーに向かう街道(マナー・ロード)がヴァウニアから走っています。その道沿いには嘗て鉄道が走っていましたが、当然のことながら鉄のレールは全て剥がされていました。この鉄道の復興はまだ時間がかかりそうです。
フランシスコ法王の訪れを機会にマドゥーチャーには「キリスト教徒」だけでなく、仏教徒・ヒンズー教徒・イスラム教徒のスリランカ人が多く参拝に押し掛けたようです。考えるとスリランカにある教会(キリスト教)、寺院(仏教)、コーヴィル(ヒンドゥー寺院)、モスク(イスラム教寺院)は非常に寛容だったと思います。宗教の別なく誰でも参拝できました。
この状況に比べるとインドの現役のヒンドゥー寺院(世界遺産に登録されていない)とかゾロアスター教寺院の「アジアーリ」は異教徒の神聖な区域への入場を断っていました。スリランカのおおらかさの基本は多数を占める仏教徒の姿勢にあるのかもしれません。数日前の大統領選挙で「国内融和」に向けてハッキリと意思表示したスリランカの人々は、フランシス法王を迎えて法王の法話を聴き、フランシス法王と共に祈ったことで、自分達の選択の正しかったことを実感したと思います。
| 2015年01月14日(水) |
幼い子を戦争に巻きむとは・・・ |
ナイジェリアでは自爆テロ事件が連続発生しています。1月10日に発生したナイジェリア北東部の自爆テロ事件では爆弾を身体に巻いて自爆したのは少女であったとのことです。多くの人が集まる市場付近で発生した事件では二人の少女が自爆しましたが、ひとりの少女が自爆した後にもう一人の少女が怖くなって逃げ出し、逃げる途中で爆弾が爆発したとのことです。
この少女は自分の身体に爆弾が巻かれているとは知らなかったので、一方の少女が自爆した光景を見て事態を理解してパニックになったのではないかと思われます。ナイジャリアでは過激派「ボコ・ハラム」が多数の少女を誘拐した事件がありましたが、このような形で少女を戦争の道具に使うことになるとは考えていませんでした。全く同じ人間の仕業とは思えません。
シリアの「ISIS」からは少年がスパイを処刑する映像が公開されたようです。幼い少年がスパイ容疑の二人の外国人に対して発砲している映像だということです。少年はこれからISISの兵士に育てられていくのでしょう。平気な顔で残虐行為を行う兵士になっていくのでしょうか。純粋な幼い子供をテロリストに育てていく仕組みには暗澹たる気持ちを持ちます。
70数年前に「神風特攻隊」を考え出した日本の行動も多分欧米諸国を震撼させたのだと思います。戦争終盤の発生した「南太平洋諸島での日本人(軍人・民間人)の玉砕」も欧米人には理解することは難しかったと思います。現在の日本国民の殆どは上記の「子供を戦争の道具に使うこと」を理解できないと思いますが、私達の親世代・祖父母世代は日本人が経験した恐ろしい時代を覚えているはすです。
終戦70周年の今年、かつて地獄を経験した日本人が何か現在の現代世界の問題解決に繋がるような活動ができないものかと考えてしまいます。
| 2015年01月13日(火) |
フランシスコ法王がスリランカ訪問 |
今日からローマ法王がスリランカを訪問しています。就任したばかりのシリセーナ大統領には非常に嬉しい法王の訪問だと思います。何と言ってもフランシスコ法王は「宗教対立解消、人権侵害救済・正義の実行」に対して非常に毅然とした主張を打ち出しています。現在の世界の至る所に見ることができる「過激派・原理主義等」の人々が一般市民の生存を脅かす活動をしていることに対して非常に心を痛めています。
シリセーナ大統領も民族紛争終結後のスリランカ社会の民族間の融和が進まないこと、国民の間の貧富の差の拡大していることを憂えていました。フランシスコ法王もシリセーナ大統領も、「インフラ整備・経済立て直し」だけではスリランカの民族問題は解決しないと考えていました。今回の法王の訪問は政権交代を実現したシリセーナ大統領・スリランカ国民への大きな激励になったと思います。
ところでフランシスコ法王は短いスリランカ滞在の中でスリランカ北部の「マドゥー教会」を訪問する計画があるようです。マドゥー教会はスリランカ最古のカトリック教会で、都市から非常に離れた場所にあったお陰でインドゴアからキリスト教が伝道された頃の遺物をたっぷり残しています。フランシスコ法王のスリランカ訪問を期にキリスト教会の修復・復興が進んで欲しいと思います。
| 2015年01月12日(月) |
サッカーアジアカップ開幕 |
サッカーのアジアカップがオーストラリアで始まりました。グループDの日本・イラク・ヨルダン・パレスチナによるグループリーグ戦一回戦が今日行われ、日本は初戦でパレスチナと戦い「4対0」で勝ちました。試合の内容はこれからのアジアカップでの戦い、その後のワールドカップを目指す戦いにおいて大変な苦戦が予想される戦い振りだったと思います。
勝たないよりは勝った方が良かいと思いますが、勝ったことによって日本代表チームの危機感が緩んでしまうことが一番心配です。それは昨年のブラジルワールドカップにおける惨敗のことです。そしてその後の日本代表立て直しに向けた抜本的な意識改革が必要なことです。新聞でもネットでも日本サッカーの目指す方向性がかなり議論されました。しかし、まだ日本の「ポゼッションサッカー」を捨てきれない雰囲気があります。しかし日本のポゼッションサッカーは強豪国には通用しないはあきらかです。
それは「スピードの遅いパス」を回すことで「ポゼッションできている」と選手もファンも考えている事から来ます。日本選手は基本テクニックレベルが低いので「早いパス」を受けきれないのでパススピードは遅くなります。加えて長距離パスはボールスピードが速くなるため長距離パスも受けられないのです。このような緩いパス回しをしていると敵と接近した時にボールを奪われてしまうので、どうしても接近戦を嫌がり敵から離れた所でパス回しを行うこととなります。こうした試合方法では強豪国に勝ことはできないでしょう。
グループDのもうひとつの試合「イラクとヨルダン」は非常に厳しいサッカーをしていました。イラクもヨルダンも選手の能力は非常に高いです。日本は次にイラクと戦うこととなりますがそこで現在の日本代表の力が厳然と評価されることになるでしょう。
今日はラグビー「トップリーグ」の第2ステージ最終戦がありました。これまで応援してきた「シャイニングアークス」は第7節まで7戦全敗でグループAの最下位です。前節のサントリー戦では「意地」を見せて「一点差」の惜敗だったので、今日は「1勝」を期待して秩父宮ラグビー場に出かけました。相手はAグループ3位の東芝でした。
さすが「サントリー」より上位にいるだけあって東芝は強かった。試合結果は「31対14」の敗戦でした。この試合ではアークスは最初から良いところなく、東芝は着実に点差を広げていきました。後半30分過ぎからアークスは疲れの見える東芝から連続トライを奪いましたが試合の趨勢は既に決まっていました。この結果アークスは第2ステージ全敗で8位が決定です。これでトップリーグの試合は終了です。
アークスの今後の試合日程は「全日本ラグビー選手権」にむけたトップリーグワイルドカードトーナメントとなります。全日本選手権にはトップリーグ上位4チームが自動的に参戦できますが、トップリーグの残り二つの代表枠決定のために、トップリーグAグループの5位から8位チームと、Bグループ1位から4位までのチームの間のトーナメント試合が行われます。
Aグループ最下位のアークスはBグループ1位の「リコー」と1月24日に戦うことになりました。トップリーグ上位Aグループの下の順位の下位Bグループとは言え、相手はBグループで勝ち試合を重ねてきた強豪です。強いAグループの中で連戦連敗のアークスには厳しい相手だと思います。ここは是非Aグループの維持を見せて欲しいと思います。
なお、トップリーグAグループ上位4チームによるプレーオフトーナメントには、神戸製鋼、ヤマハ発動機、東芝、パナソニックが進みました。ワイルドカードトーナメント出場チームは、NTTコムアークス、リコー、サントリー、近鉄、キャノン、NEC、トヨタ自動車、NTTドコモです。また、2月8日に開幕するラグビー全日本選手権に出場する大学4チームは、帝京、筑波、慶応、東海の4大学チームです。ラグビー今シーズンの最後の山場がやってきます。
フランスのパリでイスラム過激派のテロが相次ぎました。ひとつは風刺漫画で有名な出版社にテロリストが突入した事件、もうひとつは女性警察官銃撃事件です。二つのテロ事件犯人は現場から逃走して、それぞれ印刷工場、スーパーマーケットに人質をとって立て籠もり警官隊との睨み合いとなりました。そしてほぼ同時刻に警察部隊が突入を敢行してテロリストを殺害し人質を救出しました。しかし出版社襲撃事件では12人の犠牲者が、女性警官殺害事件では女性警官の他に人質4人が殺害された模様です。
フランスはアフリカに多くの植民地を持っていた関係でアフリカ系住民を多く抱えています。そしてその住民の多くはイスラム教信者です。従ってフランスは人種・宗教に関して自由であり、異なる宗教・人種の国民の間の融和を図ることが社会安定のために必要でした。もう一つのフランスの特徴は「自由」です。アメリカに贈られた「自由の女神」は自由の象徴です。今回「表現の自由」を貫いた風刺画家・および出版社がイスラム過激派に襲われました。フランスのオランド大統領は懸命にもこの二つの事件を過激なテロリストの犯罪として激しく非難する一方で、フランス国内で宗教間の対立に繋がらないように細心の注意を払いました。この姿勢はアメリカオバマ大統領を始めとする現在西側の指導者が非常に注意しているポイントです。
しかしフランスの風刺漫画家もイスラム教の人達の考え方をもう少し斟酌すべきであったと思います。幾ら「表現の自由」があるといっても「他人に嫌な思い」を与えることは差し控えるべきだと思います。イスラム教において偶像崇拝は禁止されているし、モハメットやその家族の肖像を描くことは伝統的に行われていません。これはキリスト教、仏教と全く異なるイスラム教の習慣であり伝統なのです。「モハメットの顔」が風刺画で描かれることについては「イスラム教徒」が嫌悪感を感ずることは容易に想像できます。この嫌悪感を「テロ行為」に繋げてしまう「過激思想」が良くないことは明らかなのですが、他の人の気持ちを「Offend」するような行為は慎むべきだと思いました。
| 2015年01月09日(金) |
スリランカ大統領交替 |
8日に投開票が行われたスリランカ大統領選挙で、現職ラジャパクサ大統領の3選阻止を目指して立候補したラジャパクサ政権保健相のマイトリパラ・シリセナ氏(63)氏が当選しました。ラジャパクサ大統領が敗北を認め、今夜中にも大統領宣誓式が行われる模様です。
今回の大統領選挙は選挙終盤になって非常に接戦模様となりました。基本的には民族紛争勝利・終結の実績を誇る現職のラジャパクサ氏の優勢が伝えられていましたが、対立候補のシリセナ氏の清潔さ・誠実さが次第にスリランカ国民の人気を得ていったようです。逆にラジャパクサ大統領には身内びいきの政治運営・不正(裏金)の噂が付き纏った結果、シンハラ人を含めたスリランカ国民から思わぬシッペを食らった格好となってしまいました。
スリランカの選挙区毎の得票状況をみてみると、北部ジャフナ地区、東部バティカローラ地区等タミール人口の多い地域では圧倒的に「シリセナ氏」の得票が高く、ラジャパクサ氏は出身地のハンバントタを筆頭に南部・中部の農村地帯で得票を伸ばしました。都市圏のコロンボ・キャンディなどでは若干ラジャパクサ氏がリードしつつも、タミール・モスリムの批判票がシリセナ氏に回りほぼ均衡というところでしょうか。
民族紛争の敗北側のタミール人にとっては今回の大統領選挙は、どちらの候補者もシンハラ系という選択肢の無い選挙でした。従って投票挙ボイコットで低投票率が心配されたのでした。しかしそのようなタミール人の気持を汲み取ったシリセナ候補に対してタミール人の票が集まった模様です。
スリランカは内戦終了後にそれまで遅れていたインフラ整備に資金を集中的に投下してきました。コロンボと空港・コロンボと南部ゴール地区を結ぶ高速道路が整備されたほか、ラジャパクサ大統領出身地ハンバントタには国際航路用の港湾と国際空港が整備されつつあります。後者はインド洋に中継拠点を確保したい中国と出身地ハンバントタを開発したいラジャパクサ大統領の思惑が一致した結果でした。今回大統領がシリセナ氏に代わることで、これまでの急激な開発のテンポを少し落ちるのではないかと思われます。そしてスリランカ政府の視点が民族紛争で疲弊した北部・東部の再建に、また都市部での貧富格差拡大対策に向けられると良いと思います。
今回の選挙では、スリランカの選挙に付き物の暴力事件・テロ行為などの犯罪が抑えられ、かなりの得票率に達したことはスリランカ国民の勝利だと思います。軍は最後まで中立を守りました。国営放送局が大統領寄りの報道をしたことは反省の余地が有るにしろ、民族紛争終了後のスリランカで平和的な選挙が行われ、国民の意思が見事に反映されたことは有意義だと思います。
| 2015年01月08日(木) |
大阪都構想と民主党代表選挙 |
橋本大阪市長は今年の5月17日に「大阪都構想」に対する住民投票を実施し、そこで自らの都構想が否決された場合には政界を引退する考えだそうです。大阪市議会と大阪府議会の野党はこの橋本市長の住民投票案を受け入れ、住民投票によって「都構想案」を一挙に消し去ろうと考えています。果たして橋本市長の5年越し政策が市民の賛同を得るのか、風雲児橋本市長が政界を去るのか、住民投票までまだ5カ月以上ありますが2015年上半期の注目の審判です。
その橋本市長が今月18日に投開票される民主党党首選挙で立候補者に注文を付けています。党首選に立候補している長妻(54)細野(43)岡田(61)の3氏が野党再編に前向きなのか否定的なのかはっきり宣言せよと要求したもの。昨年12月の衆議院選での立候補を見送り「都構想」実現にむけて大阪市長を続けることとした橋本市長にしてみれば、野党大敗の衆議院選挙後速やかに野党再編を行って自民党に対抗できる勢力を作りたい気持ちは良く分かります。
民主党が前回同様に選挙後に「ノロノロ」とやっていたのでは自民党の「1強時代」はより強化され長期化しそうです。イギリスの「労働党」が良い例ですが、労働組合色の強い政党は政権交替可能な2大政党になることはできません。民主党が真に政権交代可能な政党となるためには、橋本市長が提示する「踏み絵」を踏む必要があると思います。逆に自民党政権が安泰であるためには、今のような民主党の中途半端な姿が最高なのです。
橋本市長は5月の「住民投票」で勝利する自信十分です。大阪での実績・人気上昇をバネにして一気に中央政界への進出方法を考えているでしょう。今年5月以降どのような政界となるのか。波乱の羊年の様相です。
ニューヨークの原油先物価格が1バレル50ドルを割り込んでいます。昨年の春には1バレル100ドル以上していたのですからその半分以下となっている状態です。これは経済発展エンジンであった中国経済の減速からくる需要低下とシェールガス採掘技術等の進歩に伴う供給増加があるとのいうことです。OPECがアメリカシェールオイル産業を痛めつけるために減産せずに供給しているようですが、アメリカには痛手になっていないようです。
そしてここに来てまた新たな供給拡大が検討されているようです。共和党が勝利したアメリカ議会ではカナダ産原油をメキシコ湾岸にある製油所に運搬するためのアメリカ縦断パイプパイプライン建設を許可しようとしているのす。この提案は2008年に認可申請されていたのですが、議会で賛成を得られずにこれまで日の目を見なかったのでした。オバマ大統領が拒否権を発動しなければこの建設は急ピッチで進められます。
現在メキシコ湾岸の製油所では中東産(OPEC)の重質原油を輸入して精製を行っているのだそうですが、カナダ産重質原油が安く輸送されることになるとOPEC諸国にとっては更に供給先が減ることになります。カナダの原油はオイルサンド形態ではあり精製にこすとがかかりこれま開発が遅れていたものの、世界有数の埋蔵量があるのだそうです。既存の製油施設に送ることが出来るようになると、中東より輸送距離は短いので原油採掘が商売として成り立てくるというのです。
日本が第二次世界大戦でアメリカと戦うこととなったのはアメリカが日本に対する原油の輸出を禁止したからでした。原油調達はその国の産業を支える最も重要な要素の一つです。アメリカは第二次世界大戦後OPECが支配することとなった原油マーケットでの主導権を奪回すべくシェールガス採掘技術を完成させ、カナダ産オイルサンドの活用にも着手しました。日本・ヨーロッパが中東・ロシアのエネルギーに頼る体制を横目に見ながら自らのエネルギー確保戦略に長期計画を着々と進めてきたのでした。このような原油マーケットを眺めるとアメリカ経済の底力(株高)には驚くばかりです。
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