KENの日記
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2014年12月17日(水) イスラム過激派の行動

パキスタン北部のペシャワルの学校がイスラム過激派に襲撃されて145名の子供達の命が奪われました。パキスタンで反政府イスラム過激はタリバンですが今回の大量殺戮は一段と残虐になったように思えます。先週パキスタン出身の「マララ・ユスフザイさん」がノーベル平和賞を受賞したばかりですが、マララさんの主張に真っ向から対立するタリバンは「何人ものマララさん(襲撃されること)」が出ることを警告していました。今回の学校襲撃がそのことだとすると全く非人間的で許せない行為です。

シリア・イラク北部の「ISIS」支配地域からも「ISIS」の残虐非道な統治の様子が報道されています。「異教徒・他宗派教徒の殺戮」「異教徒女性の奴隷化・レイプ」等が許されているのだといることです。こうした反体制イスラム原理主義組織は残虐性を「エスカレート」させることによって、団結力を保持して自らの組織を統合を維持しているように思えます。この「残虐性・非人間的行為」を「宗教の教え」と考えることはできません。「イスラム教」では決してそのようなことは教えていないはずです。その「残虐性・非人間性」はどこから来るのでしょうか。

イラクのフセイン政権、シリアのアサド政権による国の支配は「一握り権力者の権力欲」であることから、その構造そのものは「単純」であったのだと思います。しかしその専制体制を崩壊させた後に民主的な政権は立ち上がりませんでした。専制政権はそれ程まで優秀な人材を消し去り、貧困の継続で教育の機会を奪ってきたのでしょう。そうした土壌から生まれたのが「自らの命・他人の命」を尊重しない過激派集団だったのでしょう。そしてその集団の「波長」は先進国において社会から見放された若者達の自暴自棄とピッタリ合ってしまったのだと思います。この問題は決してイスラム諸国だけの問題ではなく現在の西側先進国社会にも根を張っている深刻な問題なのだと思います。



2014年12月16日(火) 原油価格が急激に下落

原油価格の急激な下落が止まりません。今日はWTI先物の原油価格が1バレルで55ドルにまで下落しました。昨年12月の平均価格が訳98ドル程度なので、原油価格は昨年同時期に比べて4割強下がりました。昨年12月のドル/円が105円程度なので今日の相場117円なので為替相場では1割強円が下がっています。為替変動も相当大きいですが原油価格の変動はその数倍の下落です。

アメリカのシェールガスの採算ラインが1バレル60ドル〜70ドルだということなので、今アメリカのシェールガス業者は体力の無い企業から経営が厳しくなっていることでしょう。将来のキャッシュフロー不安から株価は下がり資金借入実効金利は上昇しているはずです。こうした産業の疲弊がアメリカ経済に与える影響がどれ程大きいのか。ガソリン価格が下がる分の消費者購買力増加の効果が大きいのかもしれません。

アメリカは他の先進国よりガソリン価格に占める税金の割合が少ないので、原油価格変動はガソリン価格に直接的に影響を与えます。しかしシェールガス企業がポロポロと破綻をきたし始めるとアメリカ国民のプライドは大きく傷つけられます。サウジアラビアの意図的なシェールガス産業潰しが図に当たると、アメリカの中東戦略において新たな敗北となってしまいます。

問題は中長期的に原油価格が安定的に50〜60ドル程度で推移するのかということです。アメリカのOPEC対抗のためのシェールガス掘削抽出技術は更に進歩するのではないでしょうか。ロシアとかベネズエラとか余力のない産油国が悲鳴をあげる中、アメリカも徹底的に対抗してくることが予想され、シェールガスの採算ラインは徐々に下がっていく可能性はあります。この可能性はそれほど小さいとは思えません。それは技術革新んいよるエネルギー価格の下落です。

そうした状況では資源の無い日本がこれまで進めてきた脱化石エネルギーの「原子力発電所」「再生可能エネルギー」による発電への投資は非常に厳しくなります。ハイブリッド・非ガソリンエンジン自動車などの開発投資も採算が取れなくなる可能性があります。現在ハイブリッド技術では日本企業が先頭を走っていて、ヨーロッパもアメリカもハイブリッドでは出遅れています。むしろディーゼルエンジンの燃費向上の方向が主流のようです。日本でもマツダ自動車はそちらの方向です。「シェールガス革命」の狙いのひとつに日本の自動車産業の押さえ込みがあるのではないかしら。



2014年12月15日(月) 衆議院選挙考えたこと

今朝昨日投開票された衆議院選挙の公式な結果が明らかになりました。伸び悩んだ民主党では首相経験者お「菅」さんが比例区で当選し、同じ東京比例区の海江田玄代表は比例区で復活当選できずに落選というショッキングな結果になったようです。

野党第一党の民主党では捲土重来を図った元議員の復活が少なかったという印象です。民主党が党勢を拡大するための最短近道は前回選挙で敗れた元議員が比例区で復活することだと思いますが、これは相当難しかったようです。逆に自民党一回生新人議員が必死に前回獲得議席を守ったと言えそうです。自民党では石破前幹事長が全快衆議院選挙直後から組織を引き締めていた成果だと思いますし、民主党では全国に目を配り地道な選挙活動を指導する選挙プロがいなかったことが原因でしょう。今回は元議員復活の前に現代表の海江田さんが小選挙区で敗れ比例でも復活できない状況なのですから勝負にならなかった。それでも北海道では2名の元議員が復活したことは民主党の数少ない明るい話題でしょうか。

一方で国民の野党再編に期待する声が票に現れている感じがしました。超ベテランで野党再編に積極的な「小沢・亀井」の両巨頭が議席を守りました。そして再編に障害になりそうだった個性的な「渡辺・石原」の二人が落選しました。民主党では一匹狼的な海江田さんが退場し、その後には野党再編に積極的な議員が選ばれることになるでしょう。維新は辛くも現勢力程度を維持しましたが、その他の第三の極を目指すという政党は淘汰されました。保守自民党に対抗できるリベラル議員は自民党内に多くいると思いますが、今回選挙での大勝利によって現執行部への求心力は高まるものと思われます。従って阿倍首相が過激なタカ派路線を進めない限り与党分裂はありえないでしょう。

非常に他と異なる結果を出したのが沖縄でした。知事選に次いで衆議院選挙でも自民党に「NO」を突き付けました。小選挙区沖縄1区では共産党が、2区では社民党が、3区では生活の党が議席を獲得しました。沖縄だけは他の地域と別な風が吹いているようです。沖縄の基地問題ではもう一度真摯に沖縄県民の声を聞くことが必要かもしれません。明治時代の沖縄併合・第二次世界大戦での沖縄での戦闘を考えると、沖縄以外の選挙結果で沖縄の問題を決めてしまうのは少し酷な感じがします。自民党は沖縄の基地問題の基本路線は変更しないでしょうが難しい舵取りが必要になります。

テレビ報道で気になったことは、午後8時の開票開始からNHK・民放各局が競争で「当選確実」を打ち出すことです。その当選情報を確定させるためにどれだけの労力が費やされていることか。12時間もすれば正式な開票結果がでることが明らかなのに放送局間の競争は過熱してきています。各局とも同じような選挙特集番組を組んでいました。各政党幹部は放送局の「はしご」をしているような状況です。これってそんなに急ぐ必要があるのかしら。700億円かけた衆議院選挙ですが、こういう所にも無駄が発生していると思いました。



2014年12月14日(日) 衆議院選挙と円安状況

今日投票が行われた「衆議院選挙」では自民・公明の与党の圧勝となりそうです。アベノミクスに対する国民の信任が得られたということだと思います。これで選挙前の「円安・株高」の状況は当面その方向で推移しそうです。但し「円安」については少し行き過ぎのような感じを持ちます。

為替相場は各国通貨の金利差で決まるというのですが、現在世界各国どこでも政策金利は底に張り付いているような状況です。このような場合本当に僅かな金利差で為替の動きが決まってしまっているのではないでしょうか。つまりそれは非常に僅かな差が大きな違いを生成しているのだと思うのです。何らかの要因で僅かな金利差が逆転すると為替相場は大きく動くことになると思うのです。

大企業(輸出企業、海外子会社連結企業)の業績が良いのも「円安の効果」が大きいと思います。海外売り上げ、海外子会社の連結利益は円価換算で相当過大評価されるからです。日本の大企業が本当に世界で勝っている状況であるのか。国内市場に特化している企業(多分中小企業が多いでしょう)にとっては円安による輸入原材料価格の高騰は非常に辛いものだと思います。

国内物価が安定している局面においては、多くの庶民にとっては輸入品が安く買え、海外旅行先でも恩恵にあずかれる「円高」が好ましいことは明らかです。豊富な輸入ワインが飲め、海外から多くの音楽家が来日していた昨年までの状況とは様相が大きく変化してしまいました。有名なオペラハウスの引越し公演の数は皆無に等しくなりました。現在の「円安局面」が今後どうなっているのか非常に気になるところです。



2014年12月13日(土) 年賀状を作成中

来年は未年で私の干支です。12年前の前回どんな図案を用いたか忘れてしまいましたが、還暦を迎える来年に向けて少し「気合」を入れて考えています。「羊」は「トラ」とか「龍」に比べると弱々しい存在です。キリスト教でも「弱弱しい人間の象徴」のように扱われますし、イスラム教・ユダヤ教などにおいて「犠牲」として食されてきました。そのように人間に何の抵抗もなく無力で捧げられる存在だからこそ「平和のイメージ」があるのだと思います。

その「羊」の平和イメージを象徴する音楽がバッハの作曲した「羊はは安らかに草を食み(Sheep may safely graze)」だと思います。これはバッハの世俗カンタータのひとつですが、バッハの平和に対する深い洞察と作曲の天才の才能が見事に結実した傑作だと思います。この曲はバッハが仕えていたザクセンの領主(選帝侯)のヴァイセンフェルス公クリスティアンの誕生にに領主に献呈されました。領主の健康・長寿・善政を歌い上げた祝賀曲のようです。「ヨイショ」しているものだとは思いますが。

「羊はは安らかに草を食み」は可憐でノンビリしたオブリガートにのって主題が歌われます。その歌詞は以下のようになっています。この歌詞は非常に単純ですがその意味には非常に考えさせられます。最後の切で「our country」ではなく「countries(ドイツ語でLander)」と複数形を用いているところも注目に値すると思います。
近隣諸国でも同様だと思いますが、時として国内問題から目をそらすために対外関係が用いられます。国内の不満を抑えられないことから対外紛争が始まります。そういうことにならないように国内(足元)をキチンと処理する必要があるのだと思います。世界平和は世界各国の国内問題解決から導かれるのでしょう。


「SHEEP MAY SAFELY GRAZE」
Sheep may safely graze on pasture
When the shepherd guards them well.
Where rulers govern well
we may feel peace and rest
and what makes countries happy

勝手に日本語に訳すと以下のようになります。

羊が草地で安らかに草を食べることができるのは、
羊飼いが羊を上手に世話をするからです。
領主がその住民に対して善政を行うとき、
我々は平和で安住することができます。
そして世界の国々(近隣諸国)に幸せをもたらします。



2014年12月12日(金) 職場の忘年会

今日は職場の忘年会でした。現在の職場は我が家から随分と遠いので仕事の帰りに「飲んで」帰ることはめっきりと減りました。同僚の多くは職場からそれ程遠いところでに住んではいる訳ではありませんが、職場で「飲み会」は確実に減ってきているようです。そんな状況下でも「忘年会」は職場に残った数少ない「定例飲み会」の場です。同僚と色々な話をして楽しいひと時を過ごしました。

中華街のある横浜には中華料理の飲食店が多くありますが、職場の最寄駅の「神奈川新町」も同様で中国人の方が営む格安の中華料理屋さんが多くあります。この種の店はチェーン店ではなく個人経営のようで、上海・広東・大連など出身地域の料理を提供しているようです。そしてその料理・酒の料金は驚くほど安いです。料理人・サービスする人達全てが中国人のようなので日本人アルバイトに比べてもかなり人件費を安く抑えられているのだと思います。

かつてターミナル駅では日本の居酒屋チェーン店が流行しましたが、料金的に言えばこうした格安中国人飲食店に勝てるとは思えません。日本人アルバイトを雇う「日本」の居酒屋チェーン店が値下げ競争しても勝てる相手ではないように思えます。多分中国人の経営する中華料理店は日本の労基署とか最低賃金などとは関係のない世界で成り立っているのではないかと思われます。こうした中国から中国料理飲食店が今後横浜地域に限らず、全国の「飲み屋街」に進出していくのではないかと思います。

政治の世界では「日中間の溝」はなかなか埋まりませんが、「飲み屋街」(横浜に限っても)ではすでに中国人の進出はかなり進んでいて、残念ながら価格的に日本の飲食店が対抗できる水準にはありません。



2014年12月11日(木) 武蔵浦和「エキナカ」オープン



JR武蔵浦和駅の改札内に「ビーンズキッチン」と命名された食事・買い物ゾーンがオープンしました。以前は「ハンバーガーショップ、立ち食いそば屋・回転寿司」の3軒が営業していましたが、高架下ビルの改札外のレストランスペースも取り込んでかなり多くのショップが新装オープンしました。わたくし的に注目しているのは「クリスピードーナッツ」「丸亀製麺」の2軒です。武蔵浦和駅付近では初めての登場で、評判が良い店だけに楽しみです。これに対して残念なのはこれまで改札外のスペースに「とんかつ和幸」が食事ができる店舗を構えていたのですが、移転してショップだけになってしまったことです。

初日の今日は通勤の帰りに寄ってみましたが物凄い混雑でした。武蔵浦和駅利用者がこれ程いるとはびっくりです。クリスビードーナッツを買おうと思ったのですが混雑していたので止めました。話を聴いてみて興味を持ったのは「SWEETBOX」というスィーツ店です。店は小さいですがここでは期間限定で全国の色々なスィーツの販売することになるのだそうです。最近関東に進出した関西発のスィーツ販売形式なのだそうです。

「和洋」取り合わせて全国には数知れない「スィーツ店」がありますが、ネットで取り寄せることができるものが最近増えているとは言え、生物ですから基本的には現地に行って食べるしか方法はありませんでした。我が家でも「ザッハトルテ」を求めて川崎まで言ったことがあります。「SWEETBOX」ではその場所に期間限定で向こうからやってきてくれるのです。どんな「スィーツ」が食べられるのか楽しみです。

JR武蔵浦和駅では改札外飲食店を全部移転・廃止して「改札内」の飲食スペースを作りました。しかし通勤通学でJRを利用する人には便利ですが、JRを使わない住民にとっては不便になります。買い物したいときには「入場券」を買わなければなりません。また例え定期券があっても土日に駅改札内へ買い物で入場しようとすると「入場券」が必要になります。このような不便さをショップの魅力が凌駕できるのかどうか興味あるところです。



2014年12月10日(水) 「マララさん」ノーベル平和賞受賞

今日ノルウェーの首都オスロでノーベル平和賞の授賞式が行われます。今年のノーベル平和賞は17歳のパキスタンの活動家「マララ・ユスフザイ」さんとインドの活動家の「カイラシュ・サティヤルティ」さんに贈られます。

マララさんはイスラム国パキスタンで過激派タリバンが少女・女性の教育禁止していることに反対して活動を推進してきました。2012年はタリバンに頭部を銃撃され重傷を負いましたが、その傷を克服してその後も活発な活動を進めています。「カイラシュ・サティヤルティ」さんはインド国内の子供労働問題に取り組んできたとのことです。インド・パキスタンでは、「貧困、宗教(イスラム教・ヒンズー教)、カースト制度」が密接に絡み合い、社会の停滞を助長し容易にテイクオフできない状態となっています。

イスラム社会における「女性の権利」を拡大し社会での女性の役割を拡大しようという活動は非常に需要です。男女の人数がほぼ同数だと仮定すると、女性を教育を施さず家に閉じ込めることは国民の半分を社会の労働から遠ざけていることになります。多くのイスラム社会が貧困と闘っているとき、女性の教育・社会進出は非常に大きな助けになると思います。また「紛争の無い平和な社会」実現という運動も「女性の力」が男性よりも力強いのではないかと思われます。

シリア・イラクで勢力を拡大してきた原理主義組織「ISIS」は、これまで地域的で比較的特定国に閉じた活動をしてきた原理主義組織が他組織を吸収しようとする活動を展開しているようで非常に憂慮されます。「ISIS」武装兵団が主に先進国からスカウトされた「青年」で構成されているということも特徴で、先進国の社会矛盾を利用して自らの勢力を拡大してきたとも言えます。アメリカ・イギリス等は自国出身のイスラム青年兵士と戦っていることになります。

不気味なイスラム原理主義拡大が非常に難しい局面にあるとき、「マララ」さんの活動が世界的に評価されイスラム圏では数少ない明るい話題を提供してくれました。マララさんのような女性活動家がどんどん活躍し、イスラム社会内部から矛盾をひつつずつ取り除いていってくれることを望んでいます。



2014年12月09日(火) 衆議院選挙の対立軸

今回の衆議院選挙ですが、前回自民党に大敗した「民主党」かの立候補者数は全員当選しても単独で過半数を取れない程度の数だそうです。これは2012年12月の選挙後で大敗してから、その後の阿倍自民党政権下で「党勢立て直し」「候補者探し」に遅れをとった証拠です。「政権交代可能な2大政党制」を目指しながらこのような状態だと民主党は「ジリ貧」だと思います。この点かたすると日本共産党は当選・落選は別にしていつも多くの立候補者を確保しているのは立派なことだと思います。

前回の選挙で民主党に勝った自民党では安倍首相の再登板となりました。現在の民主党内で再登板でも良いですから「首相候補」と成りうる人材がどれくらいいるのか非常に頼りない状態だと思います。現党首・何人かの党首経験者が小選挙区で落選の危機に瀕しているのですから「何をか言わんや」です。

自民党タカ派(右寄り保守)の阿部首相は危険な匂いはしますが、政治手腕に関してはかなり「胆力」があります。多分明治維新を担った「山口県」の政治指導者の流れを汲む「自恃」があるのだと思います。良い悪いは別にして一本筋が通っています。このタカ派の自民党安倍首相に対して、政権交代受け皿としての「リベラル派」はどう頼りないです。

そもそも「保守右派」に対抗する「リベラルの姿」が具体的に見えません。民主党で言うとその大きな支持母体は「総評」であることから保守に真正面から対抗する「左の革新」のように見えます。これでは国民に政権交代の受け皿とは思われません。「維新」はというと「石原慎太郎」と組むのですから「タカ派」の色合いが強く「安倍首相」との対立軸がボケます。こう観ると日本のリベラルは「自民党」の中にいるのだと考えざるを得ません。

現在の「議員内閣制」においては選挙民は「政党」を選ぶこととなり、多数を取った政党の指導者が行政の長(首相)となります。しかし現在の「保守×リベラル」ではなく「与党×野党」という対立構造では「野党」が勝つ可能性は本当に小さい気がします。伝統ある与党自由民主党に対して経験不足で準備不足の民主党では結果が見えています。前回の選挙結果・今回の選挙に対する民主党の取り組みはそれを物語っています。

こうなったらむしろ大統領制を導入し、大統領(行政の長)は「人物」で選び、議会(立法府)は「政党」で選ぶような仕組みに変えてみたらどうでしょう。全国各地で保守候補者に対抗できる「リベラル」な候補者を探し出すより、全国から一人のリベラルリーダを探し出す方が容易な気がするのです。もし日本で大統領選挙が行われれば「阿倍首相」が大統領に選出される可能性は、今回の種議員選挙で勝ことよりかなり小さいだろうと思われるのです。



2014年12月08日(月) 真珠湾攻撃

73年前の12月8日に日本(大日本帝国)は真珠湾を攻撃して対米戦争に突入しました。当時の日本の指導層・知識人はアメリカと戦って勝てると考えていなかったのに、日本の社会の流れの中で無謀な対米開戦への一本道を突き進んでしまいました。それは明治以来の成功体験が国民の思想形成に大きな影響を与えていたとも言えるし、世論形成におおきな役割を果たすべき「マスコミ」が国民感情に阿った結果とも言えます。

丁度衆議院選挙運動期間の折り返し点ですが、この「平和」に関する議論が少なく「アベノミクス」の「成功・失敗」というような経済・財政に関する論点が選挙の中心になっているように見えます。73年前の真珠湾攻撃も原因は経済問題でした。資源の乏しい日本はアメリカに原料輸出を止められると直ぐにも経済に破綻を来たす状態だったのでした。日本の国民経済を守るという理由で戦争を開始してして国民の命を失い、幸せな国民生活を台無しにする結果になりました。

現在も中東ホルムズ海峡を封鎖されれば日本への原油輸送に支障を来たすということで「集団的自衛権の行使」を可能とするような政府見解が出ているようです。超大国への道を突き進む中国と専制体制北朝鮮を隣人に持つ日本はアメリカ軍の基地を沢山抱えることになっています。安保条約でアメリカに守ってもらっていますが、アメリカからすれば中国・ロシアに対抗するアメリカ本土から離れた前線基地としての日本の存在価値が大きいことが安保条約の「肝」でもあります。

今回の衆議院選挙で虚しく感ずるのは、「自民党→アベノミクス推進→社会保障・財政改革→タカ派→中国・韓国と対立→東アジアの緊張」という自民党政権の政治ストーリーに対して、対抗できる勢力が居ないことです。自民党内のハト派的な人がいるはずですが「声」は聞こえてきません。自民党を飛び出したハト派(リベラル)の人は民主党の中で埋没してしまっています。平和を願う国民は誰を選べば良いのか分かりません。今回の選挙で選ばれる政権が来年の「終戦70周年」に対応することになるのですが。




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