| 2014年08月14日(木) |
福島第一原発汚染水処理 |
東京電力福島第1原発海側の地下道に滞留する汚染水を遮断するための「氷の壁」が3カ月以上たっても凍らないとのことです。7月末から大量の氷やドライアイスを投入して凍結させようとしているものの効果がないのだそうです。ここで使われている凍結管の中に冷媒を通して水分を凍らせるという技術は、1〜4号機周囲の土中に「凍土遮水壁」を作る技術と同じものだということで、今後の本格的な汚染地下水対策として「凍土壁による遮蔽」の実現可否が懸念されるところです。
この本格的な凍土壁は、地下30メートルまで凍結管を打ち込んで地下水を凍らせて地下水をブロックしようというもので、全長は1.5キロメートルに及び、総額300億円以上の国費が投入されるのだそうです。冬になって気温・地下水温度が下がればこの「凍土壁」は機能し始めるかも知れませんが、夏場太陽がガンガンと照らす地面では凍結は難しく、冬・春に凍結したとしても夏場の凍結維持には物凄いコストがかかるのではないのかしら。
そもそもこの非現実的な「凍土壁による遮蔽の取組」は実は重要な課題の最初の一歩でしかないことを確認しておく必要があります。
地下を通る汚染水が「海」に流れ出すことを差し当たり食い止めても、現在原子炉を冷やし続けていて処分できない冷却水はどんどん溜まる一方であるのです。この汚染水貯蔵のためのコストは今後どんどん増え続けることになります。問題になっている「トリチウム(三重水素)」は水素との分別が困難なことから現実には汚染水を浄化処理することはできないから貯めておくしか方法はないのです。
原子炉廃炉に向けた「原子炉・燃料プール」からの燃料棒取り出し作業が最も重要なのですが、現在震災当時点検中で運転していなかった「4号機の燃料棒取り出し」が昨年11月から始まっていて、今年年末くらいには全燃料の取り出しが終了する予定のようです。その後、震災当時運転中であった1号機から3号機までの原子炉の「原子炉内と燃料プール」に残された燃料棒(原子炉内の燃料棒は溶けて固まっている模様)の取り出し作業に取り掛かることになります。
1号機から3号機の燃料棒については燃料棒合計数では4号機一機分と同程度の量ですが、こちらは一部が原子炉内に溶解した状態で残っているため、取り出し方法を含めて今後の検討課題が山積しているのです。そして、この燃料棒の処理が終わらない限り、原子炉の冷却作業を継続しなければならず、そのための汚染水(汚染度合が今後どのように推移するかは不明)はどんどん増え続けると言うわけです。福島第一原発の4つに原子炉には以下の燃料棒が残されていて、これから順次取り出しが進められます。冷却水貯蔵対策は大丈夫でしょうか。
1号機 392体 燃料プール:平成29年度〜 原子炉内:平成32年度上半期〜
2号機 615体 燃料プール:平成29年度〜 原子炉内:平成32年度上半期〜
3号機 566体 燃料プール:平成27年上半期〜 原子炉内:平成33年度下半期〜
4号機 1,533体 燃料プール:平成25年11月18日〜 原子炉内:無し
| 2014年08月13日(水) |
カザルスのベートーベン交響曲 |
ちまちまと「IPOD」音源整理を進めていますが、カザルスの指揮したベートーベンの交響曲を聴き直してみて大変感動しています。現在所有しているCDの中にはベートーベンの交響曲の1番、4番、6番、7番の4曲があります。どれもマールボロ音楽祭のライブ録音です。
「チェリスト」としてのカザルスの演奏は残念ながらステレオ録音は数える程しかないようですが、幸いにもオーケストラを振った演奏がかなり残されました。これらの演奏は「ブルーノ・ワルター」が「コロンビア交響楽団」と録音した一連の記録と並んで、後世に音楽ファンに残された過去の大音楽家からの贈り物だと言えます。モノラル録音だと音が悪いですがステレオ録音だと演奏の素晴らしさを堪能できます。フルトヴェングラー・トスカニーニがもう少し長生きしてくれていたなら、後世の音楽愛好家はもっと豊富な宝物を持つことができたのですが。
「ワルター」のステレオ録音が「スタジオ録音」であることに対し、「カザルス」の場合はライブであることが更に名演に拍車をかけていると思います。「カザルス」のベートーベンの音楽に対する敬虔な態度と、オーケストラ楽員が「カザルス」の指揮で演奏できることに感動している様子が見えるような気がしてきます。カザルスの練習は非常に厳しかったと聞いていますが、オーケストラのメンバーは「カザルス」の指示をひとつ漏らさずに確実に表現しようと必死に喰らい着いている感じがします。
私のコレクションのベートーベンの交響曲(1,4,6,7番)においては、最初に序奏が置かれている曲の面白さを再認識しました。1、4、7番は印象的な序奏があります。曲を知っていると何と言うことはないでしょうが、初演の時とか、初めて聞く聴衆が多い場合にはこの序奏は非常に重要な役割を果たすのだと思います。
この3曲で共通しているのは第一主題と大分雰囲気の違う序奏部が付けられていることです。それは4番で最も顕著であり、第一主題以降は長調で推移するにも拘わらず序奏部は短調で書かれていて、非常に不安定なムードを漂わせます。1番でも7番でも第一主題がリズムを刻む快速テンポであることに対し序奏は静的で和音主体です。序奏を聞かせておいて、次に一楽章第一主題に繫がっていくのですが、この3曲ともそこの経過が非常に工夫しているのです。カザルスはベートーベンの意図を深く読み取って、非常に思い入れを込めて第一主題に飛び込んでいくのです。そして第一主題提示は晴れやかで悦びに満ちたものとなっています。聞きなれてしまえば単なる序奏ですが、カザルスで聞くと第一主題の登場が待ち遠しい気持ちにさせられます。
6番(田園)は1・4・7とは違って序奏を持たずいきなり第一主題が提示されます。これはちょうど5番と同じように最初の第一主題の提示部最後に「フェルマータ」を置いて主題を聴衆に印象付けます。6番でははあくまでも「平和で悦びに満ちて」、そして5番ではあくまでも「挑戦的で活動的」です。ここでは聴衆を驚かす必要など全くない。最初から曲全体の雰囲気が提示されることになります。
ベートーベンはどのようにこれらの交響曲をかき分けたのでしょうか。最初に一楽章から4楽章までの「本文」を書いてから「序奏」を付けたのか。それとも一楽章をの主題を決め、その性格から序奏の必要性を吟味したのか。それとも「序奏」が最初に思い浮かんだのか。多分「カザルス」は相当悩んだのだと思われます。
| 2014年08月12日(火) |
エボラ出血熱のワクチン |
西アフリカ(リベリア、ギニア、シィエラレオネ、ナイジェリア)ではエボラ出血熱による死亡者が1000人を超えたとのことです(今年2月の最初の確認から)。これら国々では感染者の隔離治療が十分に行われていないようなので感染はまだまだ拡大しそうです。そんな中で日本も含めて各地からエボラ出血熱対抗のワクチンの開発の情報が出てきました。今のところ以下のような状況です。
日本の富士フィルムのインフルエンザ薬「ファビピラビル」はエボラ出血熱のウイルスに効果があるとのこと。(アメリカの会社と組んでアメリカ疾病予防センタの試験に入っているとのこと)
アメリカのマップ・バオオファーマシューティカルの「ZMapp」という薬が患者に投与された。 (二人のアメリカ人医師に効果があった模様。しかし薬を投与されたスペイン人宣教師は亡くなった)
カナダのテクミラ・ファーマシューティカルは抗エボラ出血熱ウイルス「TKMエボラ」を開発中とのこと。
アメリカのプロフェクタス・バイオサイエンスもエボラ出血熱ウイルスワクチンを開発中とのこと。
イギリスのGSK(グラクソ・スミスクライン)はエボラ出血熱ワクチンの動物実験を終了とのこと。
中国はエボラ出血熱ウイルスの研究を以前から続けていて、抗体DNAの解析を終了し検査キット作成間近。 (ワクチン開発にも急いで取り組む模様)
今こそ世界の英知を結集してワクチンの開発に当たって欲しいと思います。そして次には世界中の支援の輪を広げて感染者が拡大している西アフリカへの援助に当たって欲しいと思います。特に日本は東日本大震災で世界中から支援を受けた経験から今回は先頭を走ってほしいと思います。
イラクの混乱はますます酷くなっているようです。
イスラム教シーア派「ISIS」はイスラム教国家建設を宣言してシリア・イラク北部を勢力下に治めました。「ISIS」は原理主義的な国家建設を目指しているだけに、イスラム教女性・非イスラム住民の人権のことが気にかかります。アメリカは「ISIS」がイラク北部住民(シーア派、非イスラム教徒)の生存を脅かしているとして空爆による攻撃に踏み切りました。
北部の少数派クルド人勢力は有力の油田地帯を確保して、イスラム教シーア派とスンニー派のイラク政権の行方を冷静に見定めようとしています。アメリカの支援の下に大統領に就任した「マスーム大統領」はクルド人系の政治家ですが、イスラム教内の対立に手を焼いているようです。
バグダットのイラク政府内では挙国一致政権樹立を目指すマスーム大統領派は、強硬派イスラム教シーア派のマリキ首相を更迭できないでいます。軍を掌握しているマリキ首相は逆にバグダット市内に軍隊を終結させ「クーデター」の動きを見せています。
アメリカの作戦としては、空爆によって「ISIS」の南部進出を牽制する一方、「ISIS」も受け入れ可能な挙国一致政権を早期に樹立してイラク国内の対立を収束させることにありますが、これには幾つかの前提条件が付いています。まず「ISIS」がアメリカの空爆に対して大規模な反撃に出ないこと。そして強硬的なシーア派マリキ首相がおとなしく第一線から引きさがって挙国一致内閣を樹立できる「穏健」な政治指導者を早期に探し出すことです。
二番目の条件が早期に達成されないと「ISIS」はアメリカの空爆への反撃を開始することになります。もしそうなってしまったらオバマ大統領は夏休みを取っている場合ではなくなります。「ISIS」を主導しているイスラム教スンニー派の原理主義組織の実態は掴み難い存在です。アメリカの攻撃に対し「オサマ・ビン・ラーディン」並みの反撃をする可能性もあるし、アメリカの真意を読み取って自重を続けるかもしれません。差し当たりアメリカの空爆が継続されるとすれば、今年の「9月11日」はアメリカに限らず西側諸国では厳戒態勢が必要になると思われます。
台風11号が四国。近畿地方を縦断し日本列島に抜けました。その影響で関東でも朝から強い雨、トップが吹き荒れて非常に荒れた天気となりました。今年は台風の「当たり年」となりそうです。朝の散歩も短めに切り上げました。カンカン照りの日に比べるとやや涼しいので家に中にいる限りでは過ごし易かったです。しかし台風の通過した地域では大きな被害が出た模様です。
高校卒業40周年の同窓会が長野市で開かれたので出かけて楽しい時間を過ごしてきました。10年前卒業30周年の同窓会より参加人数が減ったとは言え160人余りの出席を得て盛大な同窓会となりました。私のクラスの担任だった物理のN先生もお元気に出席されました。恩師との「年の差」について高校時代は随分かけ離れたように考えていましたがこの年になると非常に身近に感じられます。
高校時代に所属していた「吹奏楽班」の面々も多く参加していました。私達の年代は入部者数が多く前後の世代を見ても人数面では強力な世代だったと思います。同期入部のクラリネット族6人(男性3人、女性3人)の全員顔を会わせました。卒業40周年ですから高校のクラブで顔を合わせてから43年ということになります。それぞれユニークな個性をもっていた面々でその名残りははっきり残っている一方で、40数年の人生経験の円熟身が加わって、昔の仲間と非常に心地良い時間を過ごすことができました。
今日の東京株式市場は久しぶりの大幅下落。昨日に比べて454円安で日経平均終値は15000円を大幅に下回りました。そして「円」が買われて、株式市場が閉まる頃では対ユーロで前日に比べて「約2円高」程度の水準に達しました。これはウクライナ情勢、シリア・イラク情勢、イスラエル対マハスの戦闘など各地の地政学リスクが増大したことによるとのことです。
先進国通貨の中で、これらの影響が最も少ないと見られている通貨が「円」だということで、円の上昇率が最大となっているようです。海外売り上げの換算や輸出では「円高」は嫌われますが、逆に海外旅行をする上では「円高」の効果は非常に大きいものがあります。来月に旅行を計画しているので、何時頃「ユーロ」買うと有利となるのか注目していきたいと思います。
NHK朝の連続テレビドラマ「花子とアン」で「蓮子さん」の駆け落ち相手の宮本龍介(実名は宮崎竜介)の母が登場しています。タイトルロールより「蓮子」さんとか「伊藤伝右衛門」が話題になっていますが、この宮崎龍介の母「宮崎槌(ツチ)」さんも十分に物語になる背景をお持ちなのです。テレビでは庶民の暮らしを知らない「蓮子」さんをチクチク苛める「姑」のキャラクターを与えられていますが、これから別なエピソードが語られるのでしょうか。
まず、「宮崎槌」さんは「孫文」を支援して辛亥革命に貢献した「宮崎滔天(本名虎蔵)」の奥さんです。この「滔天」という人はもっぱら中国革命に情熱を燃やしましたから、正業を持たず「家」にも帰らずに中国・日本各地を駆け回るという生活をしていたので「婦人」の槌さんが様々な仕事をしながら子供を育てました。更に「滔天」の活動を助けて中国からの留学生(革命の志士)の世話をしました。辛亥革命で中心的な役割を果たす「黄興」「宋教仁」などは「ツチ」さんの世話になった代表的な革命家です。この中国革命家支援は長男の龍介も手伝いました。因みに「滔天」は辛亥革命後は浪曲師になって師匠と全国を回る生活に入ってしまいます。この時も「ツチ」さんは家で子供達を一人で育てることになりました。
こう書くと「宮崎槌」さんは小さいときから苦しい生活を送った苦労人のように想像しそうですが、実は「宮崎槌」は熊本県玉名の名家「前田家」の次女として生まれました。前田家の豪邸は有名で熊本赴任中の「夏目漱石」が滞在したことがあり、その時の模様から「草枕」が生まれました。因みに草枕に登場する出戻りの旅館のお嬢さんは「槌さん」の姉の「卓(つな)さん」がモデルだそうです。
この前田家には「滔天」の関係で「黄興」も一時身を寄せていたことがありました。「卓(ツナ)」さんも「弟さん」も後に中国人の革命志士の世話をすることになります。「槌さん」は姉弟・子供も動員して中国革命の支援をしたのでした。「宮崎滔天・槌夫妻」は多分現在でも中国でもっとも尊敬されている「夫婦」だろうと思われます。中国との関係がギクシャクしている時期ですから、是非この「宮崎滔天・槌夫妻」のことを、ドラマのどこかで触れて欲しいと思います。
| 2014年08月06日(水) |
暑い夜が続いています。 |
梅雨明け直後の暑さが続いています。昼間も暑いですが夜の暑さも半端ではありません。これまで「クーラー」をつけずに我慢してきましたが、さすがにこの暑さで夜中に眼を覚ましてしまい、睡眠不足になりかねないのでクーラーを運転して寝ることにしました。クーラー無しの時には「蚊」を見かけませんでしたが、クーラーで部屋を冷しいると早速「蚊」がうるさく飛び回り始めました。夏の暑さで「蚊」も元気が無かったようです。
先週の土曜に2日のことですが、別所沼散歩の帰りの「浦和西南桜散歩道」で「クマゼミ」の声を聞きました。大阪に住んでいるときの「クマゼミ」の鳴き声の大音響を経験しましたが、関東に住んでいるときには「クマゼミ」の声を聞いた記憶はありません。いよいよ「クマゼミ」が「さいたま市」にも進出して来ました。
| 2014年08月05日(火) |
小保方さんの上司の笹井さんの死 |
SATP細胞で世間を騒がせている小保方さんの上司である「笹井芳樹さん」(理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの副センター長)が自殺しました。小保方さんを含む関係者に宛てた複数の遺書が残されていたということから覚悟を決めての自殺のようです。「STAP」細胞問題でついに人命が失われてしまいました。
「笹井さん」の置かれた立場を週刊誌的にいうと、「IPS細胞」でノーベルを受賞した山中京大教授は「笹井さん」の後任にあたり、山中教授のノーベル賞受賞はライバルの「笹井さん」にとって非常に悔しく何とかして挽回したいと考えていたと思われます。そこに現われたのが「STAP細胞」を信ずる「小保方さん」でした。「笹井さん」は「IPS」細胞より製法が簡単で優れていると言われる小保方さんの「STAP細胞」のアイデアに飛び付き、詳細な検証をしないまま世の中に大々的に発表してしまったという構図でした。
4月に会見した「笹井副センター長」は優秀な学者らしく非常に冷静でした。しかも肝心な「STAP細胞製造」に関する責任は上手くかわすなど、世間に付き合いでも非常に対応上手であることを示していました。その時は「STAP細胞」の存在についても完全否定をしていませんでした。「STAP現象を前提にしないと説明できない部分がある」と発言して「STAP細胞存在の含み」を残していました。また「STAP細胞」騒動の渦中にあった3月には「上原賞(賞金2000万円)」を受賞しました。STAP細胞問題から辞退の可能性が喧伝される中で、自信があったのか辞退せずに賞を受け取りました。線の細い秀才タイプの学者であったらとても世間に顔向けできないだろうと思っていましたが、これらの対応を見ていると結構「太太しい面」を持ち合わせているのだなと感心していました。
しかし、その「太太しい面」が最後にこういう結末に繋がってしまったのだと思います。勉強は出来るけど「運動が苦手」とか「女性に弱い」とか、「秀才笹井さん」は自分の弱点を認めるべきだったと思います。あるいは「失敗」を素直に認めるべきだったと思います。4月の会見は一見謝罪したように見えますが、本当は「強がり」を通す苦しい言い逃れ会見だったと思います。「笹井さん」に助言するシニアの研究者がいなかったのでしょうか。
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