KENの日記
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2014年06月20日(金) 須坂に帰省

今日は休みを取って須坂の自宅に帰省しました。冬の厳しい長野県須坂市の自宅は冬の間は「水道の元栓を締め、ガスを止め、ガス風呂釜凍結防止のために通電」しています。この冬場対策を終了し、家に風を通したり、伸び放題になっている庭の草取りをしたりするのが目的です。事前に市役所水道局と地元のガス会社に連絡して元栓開放処理をお願いしておきました。

ガス会社の方は元栓を開けて、湯沸かし器・風呂釜の機能をチェックし、ガス漏れも無いことをチェックしてくれました。これら開栓処理も含めて無料。一方水道局の方は午前中に元栓を開けておいてくれたのですが、それだけで「900円」かかります。競争の在る無しかなのでしょうが、ガス会社のサービスの良さには感心しました。

今回は今年1月以来で約5ヶ月振りの帰省でしたが室内は予想外に奇麗でした。しかしさすがに水道水は5ヶ月止めて置くと「茶色」に濁っています。須坂の水は「鉄分」が多いので止めて置くと変色が激しいようです。明日は朝から庭の草取りをします。



2014年06月19日(木) スペイングループリーグで敗退

サッカーワールドカップ前回大会優勝国スペインがグループリーグで敗退しました。初戦のオランダ戦で5対1と大敗し、後の無い今日のチリ戦でも2対0と全く良いところがありませんでした。逆にチリはスペインのパスサッカーを思わせるようなパス回しと、運動量の豊富な執拗な守備でスペインを完全に封じ込めました。スペインは2大会連続優勝が期待されましたが前回大会からの4年間でサッカーの戦法が変わり、前回大会で活躍したメンバーが4歳老化したという現実に直面したのでした。

嘗てスペインの強壮で鳴らした「スペイン無敵艦隊」はオスマントルコとのレパントの海戦に勝利した後、イギリス・オランダ連合艦隊に敗れました。これは「無敵艦隊」が比較的波の穏やかなな地中海での海戦に向いた操船方法を得意とし、艦砲射撃での戦闘よりも接近戦あるいは接舷しての戦闘を得意としていたことに対し、英・蘭軍は波の荒い大西洋での戦闘を訓練し、比較的長距離艦砲で戦う戦法を駆使した戦い方の差も勝敗を分けたといわれています。無敵艦隊は「レパント沖の海戦」の成功体験から逃れることができなかったのでした。

サッカーに戻ると「ポゼッションサッカー」で接近戦に強いスペインサッカーに対して、守備を固めてボールを奪った後の早いカウンターで得点するオランダ・チリの戦い方が勝利したのだと思います。スペインの運動量も決して少なくないのですが、チリの選手の運動量と意識の高さがスペインを上回っていました。金曜日の日本はどうなるでしょうか。



2014年06月18日(水) 非常に心配なイラク情勢

イラク情勢はますます混迷の度を増しています。イスラム教スンニー国家設立を目指す武装集団(ISIS)が北部のイラク第二の都市を制圧し同国最大の原油精製施設を掌握して首都バグダットに近づいています。これに堪らずイラク政府はアメリカに助けをもとめたようです。

アメリカ・イギリス主体の国連軍がサダムフセイン政権を倒してイラクに親米政権を樹立し、国を治めるための軍隊・警察組織を育成強化してきましたが、そのイラク政府軍・警察は脆くもアルカイーダ系の武装集団に敗れてしまいました。これは例えて言えば、明治時代の西南戦争において西郷軍が政府軍をどんどん打ち負かして大阪・京都を制圧し、東海道を首都東京にむけて進軍してくるようなものです。明治政府は堪らずにアメリカに艦隊派遣を依頼して駿河湾あたりで西郷軍を迎え撃つといった構図でしょうか。

今回のイランの反政府組織がどうしてそんなに強いのか。少し調べてみるとその「残忍性」に強さの秘密があるのではないかと思われてきます。ISISはイラク政府とその軍隊を「背徳者」と呼んで非常に残忍な方法で殺戮します。「9.11」の同時多発テロは非常に残忍な行為でしたが、最近のナイジェリアのテロや今回のイラクの武装勢力の行為は、その「残忍さ」を受け継ぐとともに、更に「過激で非情」な集団になっているように思えます。「テロ」に残忍さの段階を付けるのも変ですが、テロ集団が存続している限りテロ集団は「より過激」になっていく可能性があるのだと思います。これは「インフルエンザウイルス」が伝播しながらその毒性がどんどん強くなる傾向に似ています。

少し前にリビアのカダフィ独裁政権が倒れたことをきっかけにして「アラブの春」が訪れるのではないかと期待されました。サダム・フセインにしろカダフィ大佐にしろ西側の指導者からすると大変な無法者だったかもしれませんが、アルカイーダに繫がるテログループからすると「ずいぶんまし」な政権だったのだと思います。

今回のISISはイラクからシリアに至る地域にスンニー派イスラム国家を樹立を目指しているのだと言います。シリアのアサド政権にしても現在のイラクのシーア派政権とは近いのでアメリカとしては随分複雑な関係を作ってしまいました。「悪漢を倒すとさら性質の悪い悪漢が入り込む」地域なのだと思います。人間社会にはいきなり先進国並みの民主主義国家が忽然と出現するようなゲームのようなストーリーはないようです。



2014年06月17日(火) ムラヴィンスキーの超絶名演が・・・

IPOD収録の音楽を整理しています。ムラヴィンスキー・レニングラードフィルの演奏は名演が多いのですが、今回改めて聞いてみて驚いた演奏があります。それはムラビンスキー・レニングラードフィルが1959年4月24日にモスクワ音楽院大ホールで行われた演奏会の「ライヴ」だというステレオ録音です。曲目はシューベルトの未完成とチャイコフスキーの交響曲第4番です。今回別のIPODに入れ直して通勤途中にイヤホンで聞いてみました。

未完成もムラヴィンスキーらしい引き締まった演奏ですが、チャイコフスキーの演奏は物凄い演奏技術には正直ビックリしました。この演奏水準は現代オーケストラ合奏技術の最高峰だろうと思われます。1960年に同コンビがヨーロッパに演奏旅行をして記念碑的なチャイコフスキーの4・5・6番の交響曲を録音をするのですが、その以前にこれほどの演奏が鮮明なステレオ録音で残っているとはびっくりしました。

ところが「ネット」でこの演奏の評価を確かめようと思って調べてみると、この演奏はヨーロッパで録音された有名なセットの中の4番の焼き直しなのだそうです。そしてその焼き直しが素人には分からないように演奏時間を少し短くして(ピッチを上げて)再集録しているとのこと。「A=446」になっているのだそうです。

チャイコフスキーの4番でこれをやられたら物凄い演奏になるはずです。特に3楽章の木管の旋律や、終楽章でのは弦楽合奏と木管群のスケールの受け渡し、トランペットの高音での強奏など、このような速いテンポで正確な演奏を誰ができるでしょうか。その情報を知って聞いてみると、さすがに異常なほどのスピードになっていることに気づきました。このCD買って最初に聞いた時には1960年のヨーロッパ録音の4番を凌駕する演奏に出会ったと思いましたがそう感ずるのも当たり前でした。

「未完成」の方もたぶんこれも既存の何れかの演奏の焼き回しなのでしょう。この演奏はテンポはそのままのようです。ムラヴィンスキーファンなら納得する水準の演奏だと思います。



2014年06月16日(月) サッカーワールドカップの有望チーム

サッカーワールドカップのグループリーグでは熱戦が続いています。今日まで搭乗したチームで気になったチームは、イタリア、アルゼンチン、フランスです。

イタリアは強豪イングランドを下して順調に発信しました。ピルロの年齢が心配になりますがチームワークで補っています。フランスは前回大会が嘘のようなチームワークの良さを見せています。若手選手が多くチーム一丸となって闘っているのが強みに繋がっています。リベリの欠場も若手の頑張りで十分補っています。アルゼンチンも若手中心の守備陣が安定していることに加え、エースの「メッシ」の活躍で「ボスニア・ヘルチェゴビナ戦」に勝ちました。「デマリア」が少し精細を欠いているのが心配です。スペインを破った「オランダ」も若手が育っているようです。

総じて好調なチームが若手活用に成功しているチームだと言えると思います。反対に調子が出ないのは「ベテラン」に頼っているチームのように見えます。顕著な例が「日本」。本田は「前回」が最盛期で現在は既に坂道を下っているように見えます。遠藤に至っては何をか言わんやです。「走り勝つ」ことが日本決勝トーナメントへの最低条件だと思いますが、現在の陣容ではグループリーグで勝利をあげることが出来るかどうか心配になります。

同じように「イングランド」も元気がありません。「ジェラード・ルーニー」に頼っているようでは他の強豪国に比べて明らかに「元気度」が違います。イングランドは若手がどれだけ活躍できるかがキーになるでしょう。西ドイツがそろそろ登場しますがどの程度の若返りを見せているか注目されます。またオランダに大敗したスペインも世代交代に失敗したのではないでしょうか。

やはり「失敗の最大要因は成功体験」なのかもしれません。本田・遠藤、ジェラード・ルーニー、シャビ・イニエスタ等のスーパースターが全盛時代を気づくと、世代交代がどうしても遅れてしまうのかもしれません。



2014年06月15日(日) 舞子の孫文記念館訪問

西宮の関西学院で結婚式があって昨日から関西に来ています。土曜日の神戸・大阪はなかなかホテルが取れなかったのですが、新大阪に近い御堂筋線の「西中島南方」の手頃なホテルを確保することが出来ました。結婚式の行われた阪急宝塚線「甲東園」からは西宮北口・十三を経由して直ぐでした。

今日は荷物をホテルに預けて「妻と長女」と3人で午前中に舞子公園を散策し、午後はそれ程遅くならならうちに新大阪から新幹線で関東に戻ることとしました。舞子公園には「孫文記念館」や明石海峡大橋に関する展示施設があります。私の目的は「孫文記念館」ですが「妻と娘」は明石海峡大橋の橋の中にある「海上プロムナード」を漢学しました。公園を散策するには絶好の日和で雄大で美しい「明石海峡大橋」と海を堪能することが出来ました。

舞子公園にある「孫文記念館」は日本で唯一の孫文記念館です。中華街は横浜・神戸・長崎にありますが、孫文に関する限り神戸中華街社会と神戸の学術・公共団体の連携は強固で、非常に立派な孫文記念館を運営しています。しかも孫文に関する研究や中国文化に関する地域社会の学習活動もここを拠点に行われており、孫文・在日中国人社会・神戸の社会の交流が現在でも継続していることは素晴らしいと思いました。日曜のこの日の学習室では中国語セミナーが行われていました。長崎についても「梅屋庄吉」の業績を顕彰する動きの中で「孫文」との関わりを再見直しする動きが最近になって活発化しえいます。我が「横浜」が一歩遅れている感じがします。

非常にてんきが良かったこの日の写真を掲載しておきます。下の写真が「孫文記念館」とその斜め上空を通過する明石海峡大橋です。




続いて明石海峡大橋の中に設置されている見学コースの「海上プロムナード」展望室は海上約50m上空にあります。そこで居る「妻と長女」を下からカメラで撮影しました。






今回大阪・神戸・西宮を旅行してみて「便利になった」とつくづく感じたのは、関東で使える「スイカ」が関西のJR、私鉄、地下鉄でも使えることです。今回の旅行では新幹線の指定席券を事前に買った他は鉄道の切符を一切買いませんでした。新幹線を新大阪で降りて、地下鉄での移動も、結婚式場のある阪急甲東園までの往復も、大阪から舞子公園までのJR快速も全て「スイカ」で対応できました。つまり行先までの電車の乗車駅と降車駅さえ事前にチェックしておけば後は「スイカ」が全て処理してくれるのです。従って午前中に舞子までいって1時間程度見学して新大阪に戻ってくるというような旅程を組むことが出来るのです。(さすがに梅田駅の地下鉄・JR・阪急の乗り換えは苦労しますが)



2014年06月14日(土) 関西学院での結婚式

義弟(妻の弟)の結婚しが兵庫県西宮の関西学院にある教会・会館で行われたので、一家4人(長男は新潟から、妻・長女・私は埼玉から)で出席してきました。長男は前日から大阪入りしましたが、埼玉の3人は6時50分東京発の「のぞみ」に乗って梅田からは阪急電車を乗り継いで、午前10時30分頃に関西学院のある阪急甲東園まで旅をしました。阪急梅田駅で偶然に長男と出くわしたのにはビックリしました。

関西学院はキリスト教系(プロテスタント}の大学ですので当然教会での結婚式だとは予想していましたが、大学の教鞭を執っている教授が司式したりオルガンをひかれたりする本格的なキリスト教式の結婚式でした。式場は関西学院ランパス記念礼拝堂で、司式、立会人(二人)、奏楽、聖歌隊、そして新郎新婦、家族・友人で行われました。

式次第は以下の通り厳粛に進行しました。途中関西学院のゴスペルサークルの元気の良い歌も加わって厳粛さの中にも溌剌としていて心のこもった雰囲気がありました。

〇新郎・立会人入場
〇新婦および新婦の両親入場
〇聖書朗読
〇賛美歌(愛する二人に)
〇応答(司式→新郎、司式→新婦、司式→家族・友人)
〇聖書朗読
〇式辞
〇祈祷
〇誓約
〇指輪交換
〇祈祷
〇宣言
〇賛美歌(望みとよろこび)
〇祝福の祈り
〇奏楽(新郎新婦退場)
〇退場

結婚式の後は同じ敷地内の会館に場所を移してレセプションが行われました。様々なお話やら、歌やらが披露されてとても楽しい宴会でした。新郎・新婦はこの日のために非常に細々と準備を進めたようで、二人の新しいを過度でを祝う思い出に残る披露宴だったと思います。



2014年06月13日(金) サッカーワールドカップいきなり日本人審判団話題提供

ブラジルサッカーワールドカップはいよいよ始まりました。開会式に引き続いて最初の試合である「ブラジル対クロアチア」の試合が行われ「3対1」でブラジルが好スタートを切りました。この記念すべき開幕試合の審判はなんと日本人審判団が勤めました。メインは西村さんというもちろん国際審判ライセンスを持つ方ですが、同点で迎えた後半にクロアチア陣内で「PK」を判定し、これをネイマールがキチント決め手ブラジルが勝ち越しを決めることとなったのでした。

録画映像でその「PK」判定となったシーンを見ましたが非常に微妙な状況だと思いました。毅然とした態度でPKを言い渡した西村さんの審判態度は良しとすべきですが、そのPK判断が正しかったかというと、私は非常に疑問を持ちました。クロアチアゴールに迫ったブラジルの選手がクロアチア選手に引っ張られて転んだのですが、その転び方は「8割方」自ら転んだように見えます。あのシーンでは「PKに当たらない」と判定しても全く問題無いと思われました。

審判は「公正な試合のために反則を罰する」とともに「両チームにある種のメッセージを送ってフェアでかつ流れが止まらない魅力あふれる試合を促す」責任もあると思います。今後もあの程度の行為で「PK」が与えられるとなれば、各チームはどんどんそのような行為を繰り返すこととなってしまいます。審判は毅然として自分の理想とするサッカーを実現すべく指導していくべきで、この場合むしろ反則を取らないでゲームを続けさせ、両チームにフェアなプレーを励行させる「シグナル」を送るべきだったと思います。

というのも、今回のワールドカップはたぶんスピードサッカーのオンパレードになると思うからです。パスさっかーではなく、走るサッカー・ドリブルで相手を抜いていくサッカーが主流となってきました。そういうサッカーを円滑に運営するためには、審判もそういう「サッカー観」を持たなければなりません。日本のJリーグあるいはワールドカップアジア予選と、南米・ヨーロッパのサッカーのレベルの差が現われてしまったような気がします。



2014年06月12日(木) アーリーン・オジェーのシューベルト歌曲

1991年モーツアルト没後200年のウィーンステファン教会におけるミサで「レクイエム」のソプラノを歌っていた「アーリーン・オジェー」のほかの演奏が聞きたくてCDを買おうと思っていたところ、かなり昔に買ったままになっていたシューベルト歌曲集の一枚がなんとオジェーの演奏でした。それはシューベルト「ゲーテの詩による歌曲集」でオジェー没後の1994年に発売されたCDです。(私の持っているのは同じ内容で6枚組みの中の一枚ですが)



録音は1978年の録音だとのことなのでオジェー39歳の歌です。このCDはオジェー没後に発売されたものなのでジャケットにはオジェーの晩年の写真(といってもオジェーは53歳で亡くなっていますが)が使われていて少し違和感を感じます。録音の声はこのジャケットの写真の印象とは大分違って若々しいものです。身体に余分な脂肪がそれついていない時代で響きが純粋で澄んでいると思えます。

録音されいる歌の詳細な中身を勉強したわけではないのですが、IPODに入れて何回か聞き、歌の題名・歌詞を少し調べてみると、この選曲と録音は尋常なものではないものだと思い至りました。このCDはゲーテの詩にシューベルトが旋律をつけた以下の曲で出構成されています。

1.糸を紡ぐグレートヒェン(D.118)
2.グレートヒェンの祈り(D.564)
3.クレールヒェンの歌「愛」(D.210)
4.ミニョンの歌「ただ憧れを知る者だけが」(D.481)
5.ミニョン「私に言わせないで」(D.726)
6.ミニョン「大人になるまでこのままに」(D.727)
7.ミニョン「君よ知るや南の国」(D.321)
8.野ばら (D.257)
9.ミニョンの歌「私に言わせないで」(D.877−2)
10.ミニョンの歌「大人になるまでこのままに」(D.877.3)
11.ミニョンの歌「ただあこがれを知る者だけが」(D.877.4)
12.恋する女の手紙(D.673)
13.ズライカ1(D.720)
14.ズライカ2(D.717)

「グレートヒェン」は「ファウスト」に登場する少女で、ファウストに見初められ裏切られて不幸になって死ぬ可愛そうな女性です。「クレールヒェン」はやはりゲーテ作の「エグモント」の中で、エグモント侯爵の恋人で、エグモントの処刑に絶望して自殺するというやはり不遇な女性。「ミニヨン」は「ウイルヘルム・マイスター」でウイルヘルムに裏切られ不幸のうちに死ぬ可愛そうなサーカスの少女。「ズライカ」はゲーテと交換詩集を交わしたゲーテの恋人の「呼び名」です。

この歌集は、男性のゲーテが描いた女性の心情に、シューベルトが美しい旋律を付け、女性のアーリーン・オジェーが歌っているのです。どの歌もオジェーが気持ちを込めて歌っています。あまりにも深刻なので胸が詰まりそうになります。中間に「幕間の休憩」のような「野ばら」を挟んでいます。「野ばら」で少し安らぐのですが、直ぐにまた厳しい歌が始まるのです。ゲートの作品では主人公が勝手に町娘に恋をして、結局その女性を不幸にしてしまう描写が多く用いられているようです。オジェーの歌は「よくもこんなに可愛そうな女性を登場させたわね」という訴えているような感じがします。

オジェーの声はなんと美しく上品なのでしょう。低音から高音までそして弱音から強音まで統一感ある響きを聞かせてくれます。そして非常に純粋でケレン味のないストレートな歌です。しかしそれにも増して引き込まれるのは、オジェーが「詩の意味」を的確に表現していることだと思います。それは何の純粋に「少女」の気持ちを自分にダブらせているかのようです。これはゲーテが素晴らしいのか、シューベルトが偉大なのか、オジェーがすごいのか。

オジェーは1986年のイギリス王室アンドリュー王子の結婚式でモーツアルト(Exsultate Jubilate)を歌い、1991年のモーツアルト没後200年ミサの際にレクイエムを歌いました。そうしたセレモニアルな場所に選ばれたのは、オジェーが持つ歌の品格とともに、非常に知的で洗練された歌の表現力によるものだと思われます。



2014年06月11日(水) ワールドカップの賑わいの裏では

ブラジルワールドカップ開幕目前で先進国の目はブラジルに集中していますが、中近東・西アジアでからは非常に気になるニュースが発信されています。

イスラム過激派グループと10年来の抗争を続けているパキスタンでは、先週の日曜日南部カラチの国際空港が過激派武装組織に襲われて双方に多数の死傷者が報告されています。紛争地域から遠く離れた南部のパキスタン最大都市の表玄の国際空港襲撃はパキスタンの社会・経済へ大きな脅威を与えるものと思われます。今後紛争が更にエスカレートしなければ良いのですが。

今週に入って「イラクの第二の都市のモスル」がイスラム過激派に襲撃され制圧されてしまったようです。政府側治安部組織は逃げ出して大量の住民が難民となってモスルを離れたとのことです。イラク北部ではクルド人との紛争が継続しています。アメリカのイラク撤退から3年経過したそうですが、アメリカ撤退後のイラクの不安定さは増しているようです。一方でアメリカとタリバンの捕虜交換が実現したのでアメリカとタリバンの対話の窓が開かれたようにも見えます。

ナイジャリアはワールドカップで活躍が期待されるサッカー強豪国ですが、ナイジャリアでは過激派「ボコハラム」に誘拐された女子学生200名がまだ救出されていません。ナイジャリアの試合は6月16日から始まるようですが、ボコハラムがワールドカップ応援でにぎわうバーなどを襲撃する恐れがあるとして、パブリックビューイングを閉鎖する措置を採るようです。国民が一体となって応援できない状況は非常に残念で心が痛みます。




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