KENの日記
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2003年12月16日(火) 年末インド旅行

今年年末の一大イベントは、来週計画しているインド旅行です。8月以降忙しくて、休みが取れなかったものですから、このクリスマス休暇を利用して、ほんとに極近いインドを見こてこようというものです。


コロンボから、インド南部の大都市「チェンナイ(マドラス)」までは飛行機で50分なのです。インドの首都北部のニューデリーに行っても飛行機で3時間くらいのはずです。広大なインドなので何を見るかポイントを絞らなければなりません。


今の私の興味は「南インド」の文化です。北インド文化はイスラム教が強く影響したものであることに対して、南インドは純粋なヒンドー文化が残っているそうなのです。今旅行のアレンジをしてもらっているとところ。でもクリスマス休暇なので飛行機は混んでいて、上手く席が取れるかどうか。


それと、この旅行も17日の取締役会、18日のローンのサイニングを無事済ませることが条件なのです。今年後半ずっと関わってきたローン(子会社ローンの保証)は何年かに一度しかない大イベントなのです。これらを無事に済ませて、思いっきり観光ができればいいなと思っています。



2003年12月14日(日) 日本人会忘年会

恒例の日本人総会と忘年会が、コロンボヒルトンホテルの広い会場を借り切って行われました。私は少し遅れていったのですが、総会の後に、5組の個人と5組の団体が参加して、歌あり、劇ありの楽しいひとときを過ごすことができました。スリランカ日本人は正式には300名位の会員が」いるのですが、半分くらい集まったのかしら。


私はと言うと、日本人会に入っていますが、会社の上司・同僚を除くと、この二年間日本人の方とはほとんどお付き合いはせずにすごし来てきました。海外勤務定番のゴルフもほとんど数回だけ。その分、思いっきりスリランカに浸かった感じです。家族を連れて赴任していれば、もう少し日本人同士の付き合いも会ったのかも知れません。大使館の方、商社の駐在員の方々の奥様方はそれなりの付き合いがあるようですから。


こうした催しで日本人が懇親をはかること事態はすばらしいことだと思うのですが、こうした企画へいろいろな会社から寄付を募ることはちょっと気になるところです。特に航空会社に無料航空券をお願いするようなことは控えたほうがいいのではないかと思われます。この国において日本人は決して特別な存在ではなく、外国人の一部分であるし、日本人はそれなりの見識と節度を保持すべきだと思うからです。私に宿舎の隣人がシンガポール航空の方であるからだけの理由ではありません。



2003年12月13日(土) クリスマスコンサート終了

12日(金)、13日(土)の2日間にわたるクリスマスコンサートが終了しました。両日ともほぼ満員のお客様に来ていただいて盛況でした。この一週間日記を更新しませんでした。練習やら仕事やらで落ち着いて書くことができませんでした。


まず仕事については、私のスリランカにおける任期は2003年の12月末までなのです。自動延長条項がありませんので、このままいくと来年早々に日本に帰国することになります。


中途半端な表現なのですが、それがこの国の難しいところなのです。SLT(テレコム)は政府が過半数の株式を保有する企業なので、この会社の経営をどうするのかは政府が決めることなのですが、その政府がぐらついているからです。


11月の日記にも書きましたが、現在のスリランカの政権は2年前の総選挙の結果で反大統領派政党が握っています。この政権が和平を進めてきたのですが、大統領がこの11月に公然と反抗に出たのです。大統領には「国会の解散権」があるので、大統領派政党が選挙に勝てると考えればすぐにでも国会は解散されてしまいます。先週から大統領と首相の話し合いが続いていて、来週15日に方向性が明らかになるようです。


また我社の会長に「逮捕状」が出されたことも混乱の一因。この逮捕状は今週「月曜日(ポヤで休日)」に撤回されたのでした。これは会長サイドが人権問題を盾に抵抗したのが功を奏したようです。しかし、この「休日の決定」をめぐって再び議論が噴出して、来年1月8日に審理が開始されるようです。因みに「会長」は政府が任命しています。


実際には、SLTをどういう会社にしたいのかは「政府」が決めることなのですが、「政府」の中には色々な考え方があってまとまりません。私の親会社である日本のNTTComもボランティアで人間を送っているのではないので、それなりの対価が必要になるからです。


ということで、今回のクリスマスコンサートは私にとって、スリランカ生活の最後の大きなイベントであったのです。(本当は後二つ考えているのですが)。そういう意味でも非常に感動的なコンサートでした。


金曜日のコンサートは、少し「硬い」ものでした。ベートーベンの合唱幻想曲(ミニ第9)は非常にすばらしいできでした。ラーマヤさんのピアノの音は本当にすばらしいものでした。弱音の美しさは「人間性」を感じさせます。今回が後ろに合唱団が控えているので、ピアノの「蓋」を外して演奏されました。ピアノの直ぐ近くのチェロの席はピアノを聴く「特等席」なのです。


ラーマヤさんは演奏会終了後、控え室で私のところにやって来て「お礼」を言ってくれました。というのはピアノの移動の際にいつも私が「力」で参加していたからです。(音楽での貢献度は低いです)


ロッシーニの最初の部分は「上出来」であったでようです。チュロ五重奏を五人で演奏するのですから責任重大。チェロの他の4人は全て女性なのですが、出てくる音は私のチェロが一番小さい。でも年齢で勝っているし、本番には強い方なので、頑張ってしまいました。できとしては2日目の方が良かったかもしれません。


それと金曜日は楽譜を間違えてしまって一曲参加できませんでした。モーツアルトの「ハレルヤ」(K165)です。私はてっきりヘンデルだと勘違いしていたのでした。ヘンデルのメサイヤは土曜日に演奏されたのです。あわてて楽屋に取りに戻っていたら、演奏が始まってしまいました。この曲は土曜にも演奏されたので、土曜にしっかり伴奏しました。今回のソプラノはイギリスで勉強中の「キシャーニ」さんという方なのです。すばらしい声の持ち主です。


土曜日の演奏会は「和やか」なものでした。後半には「クリスマスソング」を会場のお客様と歌うという企画もあって大変好評でした。土曜日には、友人のIMAIさん、DR、スーパさん(説明は省きます)を招待しました。それも最前列の舞台に向かって右側。つまり、チェロの席の真正面。SOSのチェロは1stバイオリンに対向して舞台最前列に並ぶのです。これは大変緊張しました。しかし、皆さんからお世辞でも「良かった」といってもらえて大変ありがたかったです。


金曜日はメードのシータ、宿舎の二人の清掃担当の人達を招待しました。彼らはこういうコンサートが始めてであったのでとても感動していました。関係者の感謝をすることができて一石二鳥(?)のコンサートでした。



2003年12月07日(日) 日曜討論(イラク派遣)

NHKの海外放送で朝6時(日本時間9時)から日曜討論を放映しています。眠い目をこすりつつ見ることがあるのですが、今日はイラクへの自衛隊派遣問題がテーマでした。石破防衛庁長官が政府を代表していました。この人はまだ30代のはず。非常に説得力ある話振りです。これから長く自民党で政治をやっていくのでしょう。将来を担うホープのひとりです。


自衛隊派遣問題は11月末に二人の外務省職員が亡くなったことで大きくクローズアップされています。「そんな危険なところに自衛隊を出すのか」「なぜ出すのか」ということが議論でした。


石破長官は「自衛隊の防衛能力と救助能力を備えていて自己完結的に救援ができる」ことを強調していました。明快です。救援に行って怪我をしたり、他国に守られながら援助していても話になりません。ただ気になったのは、救援の内容は、学校建設・医療施設整備、給水などをあげていた事です。


亡くなられた「奥大使」の嘗ての談話でイラクの学校は日本の数十年前の状況と言っていました。飲み水も不足しているのでしょう。だけど待てよ?です。日本と比較するからそう思えるのですが、コロンボの水だってそのままでは飲めないのです。こちらの人は毎朝「やかん」で沸騰させて一日の飲み水を確保します。毎回SOSのリハーサルで使う「女子高校」付属の小学校はオンボロです。屋根がボロボロで雨漏りだらけ。机・椅子は本当に日本の数十年前の状況です。


アフリカではもっと酷い状況にあるのではないでしょうか。12月1日は世界エイズデイでしたが、アフリカの医療問題は非常に深刻です。教育問題・社会資本整備でも課題は沢山あるはずです。


なぜ今イラクなのか。「参勤交代」的根拠ならはっきりそういうべきです。そうして国民の意見をはっきり聞くべきです。平和憲法を守るとかそういう議論ではなくて、イラクに自衛隊を出すことが「国際社会で立派だと認められる行為」なのかどうかです。


幸運にもスリランカに2年間暮らすことができて、いろいろ収穫はありましたが、自分がもっとも勉強になったことのひとつは、先進国の人々と発展途上国の人々の付き合い方・関わり方です。にわか慈善家は通用しません。先進国の感覚で貧しい・かわいそうだといっても状況が全く違うのです。逆に先進国の人々の「施し」は人々の勤労意欲を削ぐことさえあります。


一方で全て人々は「誇り」と「自慢」「矜持」を持っています。どんなに貧しくとも立派な考え方、すばらしい人間関係(例えば家庭)を持っている人達がいますし、一生懸命働き、勉強しているしている人たちがいます。。それを尊重しない限り、そして同じ目線で物事を考えないと、人と人の対等な関係は構築できません。


自衛隊を出すなら出すでいいですから、他の国の模範になるような活動をしてほしいものです。そのために名前も特別に「自衛隊」なのでしょうから。お付き合いで「参勤交代」するのは全く無駄というものです。援助大国日本の外務省はこういうことはとっくの昔に考えているはずですよね。
(論旨がはっきりしません。これはあくまでも日記です)



2003年12月06日(土) ボーナス闘争

きのうの日記はノンビリ「モーツアルト」のことを書いていましたが、実のところボーナス闘争で大変だったのです。


本当のところ、9月までの事業成果は昨年より大分悪いので台所事情は苦しいのですが、我社の組合は非常に強行で昨日の夕方まで交渉し、会社が一旦決めた支給額に大分上乗せして漸く妥結したのでした。


財務担当としては、まずは、一旦決まった支給額の支払い手続きを精一杯勧めました。というのも、8日月曜日は「ポヤ(満月)」で休み。9日火曜日以降に現金が引き出せるようにするには、金曜日の午前中に銀行対応をすませなければならないのです。どんな妨害があろうと、交渉で追加至急を決定するにしても、差し当たり支払いを済ませることを優先しました。


追加至急を組合と妥結したとしても、取締役会の了承を得なければなりません。土日月を挟んで、スリランカと日本の取締役の了承を得るのはそれほど簡単ではないのです。私としては、手続き遅れでボーナス支給(一部分であっても)が遅れて混乱するよりもベターと判断してのことです。数年前に給与支払い遅れ(ミス)で大混乱したことがあったそうです。


しかし、そもそも何故これほど混乱してしまったか。このことが問題です。我社には組合が32あります。それは32の職種があることを意味しています。そして、いわゆる大学卒とそれ以外の社員の間に大きな隔たりがあるのも事実です。つまり、一般の社員が「職種」の壁を乗り越え、採用差の壁を乗り越えていく(昇給していく)ことは非常に困難なのです。こうした古い制度をそのまま温存して競争に入ってしまったのです。とはいってもこれを変えていくには時間がかかります。


はっきり言えることは、我社は大きな課題を抱えていますが、裏返すと、これを上手く解決できれば、ものすごい「パワー」を発揮できるということです。「働き方」の議論をしないで、金の上積み論争だけするのは無意味なだけです。



2003年12月05日(金) モーツアルトの命日

今日12月5日はモーツアルトの命日です。1791年のこの日モーツアルトは若くしてなくなりました。1991年は没後200年にあたっていました。没後200の追悼で行われたウィーンフィル、ショルティの「レクイエム」の演奏は録画して何回も聞きました。このビデオはスリランカに持ってきています。最近は時間がルト弦楽四重奏ばかり聞いていますが。今夜あたり取り出して見てみようと思います。



2003年12月04日(木) 逮捕事件

娘が行っている女子高校の先生が「教育実習にやってきた大学生」にわいせつなことをしたとして逮捕されたということです。女子高なのでこの手の話はまずいです。逮捕された本人が一番悪いのは確かですけど、そういう先生を雇った学校側、気づかなかった同僚も大いに反省すべきです。


さて、私の会社の「会長」の事件ですが、こちらの逮捕容疑は「パスポート偽造」の罪なのです。暗黒街の大物が、偽のパスポートを使ってイギリスで行われたクリケットワールドカップを見に行ったというもの。この大物が殺人罪の罪で逮捕されていて、彼がペラペラしゃべっているようです。スリランカは残念ながら「お金」の力がつよく、政治でも商売でも「金」で動くといわれています。そして「金」でも動かないときは最後の手段で「暴力」が登場すると言われています。我社でも数年前に狙撃事件がありました。警察は「パスポート偽造」を手ががりとして、他の事件での関与を追求することが目的のようです。身近なところでの「逮捕事件」はいやなことです。



2003年12月03日(水) 合唱団初顔合わせ

今日のSOSのリハーサルはクリスマスコンサートに向けて、初めて合唱団とあわせました。練習した曲は、ベートーベン合唱幻想曲、カルミナブラーナ、クリスマスララバイ。


声が出ているのにびっくりしました。結構本格的です。ヘンデルメサイアのテノールソロを歌う人とかも一緒に歌っているのです。オーケストラ同様に非常に明るい、屈託のない歌声です。細かい小細工などせずに元気に一杯なので聞いていて気持ちがいいです。


クリスマスララバイという曲は英語の歌詞が付いているのですが、英語の発音がいいので、一瞬びっくりしました。というのもオーケストラだけなら、日本のオケも外国のオケも音色は同じなのです。上手い下手はあるけど、弦楽器は弦楽器、オーボエはオーボエなのです。でも歌には言葉がついているのです。これが大違い。特にスリランカでは多くの人が英語を話すので、英語の歌詞には全く抵抗がないのです。


いつもそれほど感じなかったのですが、自然な英語の歌声を聴いて、「外国」で音楽をやっているという変な感慨を覚えました。



2003年12月02日(火) ラーメン恋し。

こんなページを見つけました。

http://www.rahmen-academy.com/

武蔵浦和ラーメンアカデミーです。我が家方向に向かう駅の出口の直ぐそばなの非常に便利です。日本に帰ったらすぐにでも行ってみたいと考えています。でも六軒全部食べるには二三日かかりそう。短期帰国ですべて食べるのは無理かなとも思案しています。



2003年11月30日(日) いろいろな事が起きます。

事実だけ(新聞報道)を記して置きます。


先週末私の会社(SLT)の会長に対して逮捕状が出されて、警察当局は土曜・日曜と会長を探しています。会長はスリランカクリケット協会の代表も勤めています。スリランカの日曜版だけ発行する新聞では、数ヶ月前からこの会長が「闇のマフィア」と繋がりがあると毎週のように報道していました。ここにきて警察当局が始めて動き出しました。


因みに、スリランカクリケット協会代表は選挙によって選ばれ、我社の会長職は政府(最大大株主として財務省)が指名しています。




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