義妹(妻の弟の奥様)が手術をするも手遅れだったようで、今日の午前中亡くなりました。確か今年で41歳のはず。子供は小学校の4年生と一年生の二人。残された家族のことを考えると胸が傷みます。
金曜日に通夜・土曜日葬儀ということなので、金曜日の一日休暇をもらうと、葬儀出席のために日本スリランカ往復ができるので急遽帰国することにしました。
SARSの影響でコロンボ−シンガポール便が減便になっているのし、頼みのコロンボ−成田直行便(モルジブ経由)は生憎金曜日は飛んでいないので、キャセイ航空・JALをバンコクで乗り換えるルートしか残っていません。コロンボを夜中の2時45分発、バンコク朝7時10分着。バンコクからJALで成田着16時40分です。新幹線を使って長野には夜の9時前には着けそうです。
妻の家族は、義父を昨年の暮れに亡くしたので、妻の弟の二人だけになっています。大きなショック受けている弟さんの力になれればと思っています。亡くなった義妹の実家は私の実家から遠くないので、私の母と一緒に葬儀に行ってこようと思っています。
コロンボ帰国は26日(月曜日)の午前2時の予定。それから仕事です。
NHK海外放送。スリランカでは夜の9時から「おしん」を放送しています。スリランカの放送局でも白黒のぼろぼろ画面にシンハラ語をつけて放送していますが、こちらはカラーも鮮明な非常に綺麗な復活版です。日本でも放送しているのかしら。
これを見ていると、このドラマがなぜいろいろな国で人気があるのか少しわかってきます。
まず、脚本が非常に丁寧に作られています。ストーリーは破天荒なものですが、それに違和感がない。いかにもありそうに書かれているのです。それと「おしん」のひたむきな勤勉さと強さは、貧乏な人の模範です。
さらに配役の人の役作りがずば抜けて深いです。主役の「おしん」はじめ、みんなの山形弁がすごいし、外国の人にはわからないと思いますが、方言に洗われる「素朴さ」「強さ」を上手に生かしていると思います。
こういう番組は今では作ることができないのかしら。昔の日本の丁寧な「仕事」を見せてももらい、うれしいやら、悲しいやら、です。
スリランカ南部を襲った集中豪雨は大災害をもたらしました。内陸部のラタナプラ、海外沿いのゴール、マータラが洪水に見まわれて、200人以上の死者がでており、同じ位の人が行方不明になっています。
これだけの災害は57年ぶりだそうです。日本みたいに毎年台風がきていれば、それなりの備えもあるでしょうが、57年ぶりだと過去の記憶もないので備えも忘れてしまうでしょう。長期間平穏であったために備えが出来ていなかった「つけ」が一度に来たのだと思います。
こちらの雨は熱帯なので、降るときにはものすごい勢いで降ります。ほんとに滝のようです。しかしそれほど長期間降ることはめったにありません。しかし、その勢いで数日間降られたらひどいことになるのです。
スリランカの街には必ずと言っていいほど、街の中心地に時計台があります。遠くから見えるようにかなり高く作られています(5m以上はあるでしょう)。ラタナプーラではその時計台が水に沈みそうになったというからすごいです。
今回の災害では地滑り(土砂崩れ)で多くの方が亡くなったり、家を失ったりしました。推測ですが熱帯地方の樹木は成長が早いですが、根の張り方をそれほどしっかりしていないのかもしれません。椰子の木など非常にバランスが悪いなと思います。いろいろな要素が絡まって大災害になってしまったようです。
| 2003年05月18日(日) |
日本のことを考えると・・・ |
日本のことを考えると日本時間になるみたいです。
妻の弟の奥様(義理の妹になるのかしら)が重大な病気が発見され、先週2回手術をするも非常に危険な状態にあるのです。私がこちらに居るので、妻が忙しく立ち回ることになります。
妻には昨年の後半は病床の義父の世話で、長野・さいたまを頻繁に往復してもらいました。今年も春の連休に義父の墓を建てるために長野へ帰ってもらったのです。その最中に、義妹の病気が発見されたのでした。
妻には身体が休まる暇がないので、くれぐれも気をつけてもらいたいと思っています。昔十二指庁潰瘍をやっていますから。日本のことを考えると、生活時間帯まで日本に戻ってしまい、早起きしてしまいます。
今日はべサック休暇でした。スリランカ国内旅行をしようと遺跡が豊富な「文化三角地帯」の主要なホテルに予約の電話を入れたのですが、どこも満員。しかたなく明日日帰りで旅行することとしました。
そんな関係で、宿舎のテニスコートでテニスレッスンを受けることにしました。料金は一時間で1200ルピーで最初の基礎から教えてもらいました。
何人参加しても一時間その値段です。つまり二人だと打つボールの数が半分になるだけ、従って一人だと「休みなく」打ち続けることになります。これは非常に疲れるレッスンでした。
普段からランニングや遠泳をして体力の維持に努めているのですが、瞬発力は確実に衰えてきているようです。すばやい動きが続きません。それとボールを捕らえる感も悪い。
やはり中年は中年なりの運動をすべきだと痛感しました。力を抜いて省エネ運動を心掛けないとだめだなと思いました。
30年以上前に叔父からもらい大切に使ってきた腕時計が故障したので、「思い切って」スリランカで修理しています。日本に帰ってから直そうかとも思ったのですが、古い時計で部品がないのは世界共通だろうからと思い、コロンボの「RADO」代理店に修理に出したのでした。
実は先週末に修理が終了して受領したのですが(ドライバー氏にすべて依頼したのです)文字盤がガタガタするので再度修理してもらっていたのです。今日聞いたら「螺子巻きの軸が折れた」ということなので、心配になって店に行ってみました。
場所はコロンボフォート駅正面の薄暗い露地を入った2階にありました。すごく怪しげなのですが「RADO」の看板があり、中で職人さんが私の時計を修理していました。こういう専門性の高い職業は店構えで判断してはいけないと自分に言い聞かせました。「直るから心配するな」というのですが正直言って非常に不安です。中の駆動部分は大丈夫なようなので無理しないで欲しいと言ってきました。一両日中に直せるかどうか結論がでます。
私もスリランカに慣れてきた様で「だめになってもあきらめよう」という最後の覚悟はできています。「作ったものは何れは壊れる」「貴重品を持ってきて壊しても持ってくるほうが悪い」程度は考えておかないと、外国に住むことはできないでしょう。
五月に入ってから雨が多くなりました。今日は朝から一日中雨です。時々雷が鳴っています。
ヒッカドアコーラルガーデンホテルのSCUBA店「アンダウオータサファリ」は四月一杯スリランカ南部で営業していて、五月から北部のトリンマーレに移るといっていましたが、本当にぴったりのタイミングです。五月に入るとスリランカ南西部では午前中でも海の波が高いです。
今日は一日中雨なので、朝から音楽を聞いたり練習したり、どっぷり音楽に浸っています。
スリランカに持ち込んだCDでこれまでほとんど聞いていなかった「くるみ割り人形」を大音量で聞いてみました。演奏はハインツ・レーグナー指揮のベルリン放送交響楽団。淡々とした演奏ですがキレがいいので面白いです。特に「パドゥドゥ」は美しい表現なので何度も聞いてしまいました。バレエはそれほど多くはないけれど結構息長くファンです。初めて見たのは中学の頃、貯金を貯めて長野へ見に行きました。確かボリショイだったはず。その後もロシア中心に時々みました。ロシアの「若い」女性は本当に綺麗です。今はやはりキーロフでしょう。
チェロをしっかり弾いたのでようやく少し前のレベルに戻った気がします。海外出張があったり、仕事が忙しくて肩が凝ったりして、思うように弾けず、実はスランプに陥っていたのです。実は昨日の土曜日のレッスンが急に中止になってしまったのですが、頑張って練習して前に進もうと思っているのです。
スリランカでは来週水曜日から週末まで連休になります。べサックの時期です。仏教徒にとっては非常に重要な祝日です。私の職場でも社員有志で仏教の僧をよんで話を聞くというので、少しばかり寄付を行いました。さらにせっかくだから我が家の仏陀像(スリランカの風景参照)を職場に運んで説教に場に設えました。
こういうのは個人の話なのでいいのですが、政府を始め、コロンボの大企業が、大々的にベッサクを飾り付ける装飾を施そうとしているのです。我がSLT(テレコム)も同様で去年とは比べものにならないような金を使っています。今日その予算でもめてきたのですが・・・。
飾り付けというのは、何千という電球を使った「ライトアップ」とか旗などを目一杯吊るしたりするのです。ビルの壁面や道の中央分離帯に設けられます。設備調達に加えて、電力消費量は大変なものだと思います。昨年は電力不足の中でよくやったなという感じでしたが、今年は停戦継続中なのでさらに盛大のようです。
でも、昨日も書いたように反政府組織はスリランカ政府の思いやりのなさに業を煮やして和平交渉から去ったのです。平和を謳歌するコロンボとは対照的に、北部・東部地域では電力はおろか、水・食料の不足に苦しむ人たちがいるのです。コロンボの裕福な人達はそれがわからないのかしら。実際ひとつの国の中でこんな格差があってはとてもまとまりません。大きな力の結集はできません。
さらに残念なことは、たしなめるべき仏教僧・寺院が政府と歩調をともにしている点です。「仏陀の教えはそういうことだったですか?」と大きな疑問を持ちます。はっきりいうと「そんな金があったら、北部・東部の困っている人に寄付せよ」です。外国に平和をアピールしたい・観光客を呼ぶためにイベントをしたいのはわかりますが、すぐ近くに仕事がなく食料がなくて苦労している人がいて、実はその人達と長く争っていたところを仲直りしようとしている時期に、その人達へ配慮せず、自分達だけが浪費をするのは罪悪というものです。
仏教徒のお祭りである「ベサック」が民族対立を助長するようなことがあったら大変です。社会の成熟度ばかりでなく、スリランカの仏教そのものに疑問を持ち始めています。
6月に東京で「スリランカ援助国会議」が開催されます。今日はそれに出席する予定のBOI(海外投資を管轄する役所)の長官の開催する小さなミーティングに出席してきました。
スリランカ政府はこの援助国会議を投資呼びこみの大きなチャンスとみて、既にスリランカで一定の成果をあげている企業に、その情報網を使って、スリランカ投資に意欲のある日本企業を紹介して欲しいという訳です。
統計的には膨大な人口を抱えるインドに近く、仏教国で日本と繋がりの太いスリランカですから無理な話ではないのですが・・・。
でも話を聞いていると非常にむなしくなってきます。「紹介してくれ。アポイントを取ってくれ。できたらスリランカでの成功話をしてもらって興味を引いてくれないか」。これから離陸を目指して頑張ろうという国の長官がこれでは時間がかかるな、という印象です。
スリランカ反政府組織LTTEの和平交渉出席拒否をいう事態を受けて、この五月初めから日本の明石特別大使が来錫され、政府・LTTEと勢力的に交渉されています。
首相との会談に引き続き、昨日は北部のバニに移動して、LTTEの責任者との会談が設定されました。LTTE側は基本的に明石大使の調整を評価しつつも、政府に対して、「緊急的な人道的・復興支援」が十分になされていないことに不満を表明しました。
明石大使は、6月に東京で開催される援助国会議までに、和平交渉を再びもとに戻して、日本の面目を保ちたいところでしょうが、果してうまく行くかどうか。援助の金をチラつかせてもLTTEは動かないかもしれません。なぜなら、外国の援助・投資が、北東部の貧しい人達の生活にどれくらい影響を与えるのかわからないからです。
ここは、じっくり両者を説得する覚悟が必要です。援助国会議を材料にするのは良くないのではないかとおもいます。
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