KENの日記
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2012年11月23日(金) カンツオーネコンサート

品川区の荏原文化センターでカンツオーネのコンサートを聞いてきました。このコンサートは品川区民芸術祭の中のひとつで、イタリア人音楽家によるカンツオーネだというので期待してチケットを買っておいたのでした。母の葬儀日程次第では演奏会をあきらめることになりそうだったのですが、そうならずに無事に聞くことが出来ました。

荏原文化センターは昔住んでいた「洗足」、その頃から妻が参加している合唱団が練習している「西小山」に近かったので、妻が良く利用するという「西小山」駅近くのイタリアンレストランの「ナイン」で昼食を食べることにしました。

「ナイン」さんのホームページ

私が食べたマルゲリータピザのランチセットですが、ピザの焼き具合には大いに満足しました。合唱の練習の帰りに何回も通って顔馴染みになっている妻と一緒だったので特に注意して焼いたのかもしれませんが、完成度の高い仕上がりです。唯ひとつ気になったのは、私の方の責任かもしれませんが、最初の一口目に少し金属を焼いた臭いがしたことです。二口目からはそういうことがないので、私の嗅覚・味覚の錯覚かもしれません。前菜に出されたハムと魚肉の添えられた野菜サラダと食後のコーヒーも大変美味しかったです。

昼食を済ませてからコンサートまでまだ時間があったので、昔住んでいた洗足まで足を伸ばしてみることにしました。生憎の雨模様だったのですが、それが却って住宅街の静かな瀟洒な様子を引き立てていたようです。昔住んでいた頃の「目蒲線」は東急目黒線に変わり、地下鉄と接続はするし、東横線の電車が入ってくるので昔のようなローカル私鉄ではなく幹線のひとつになっていました。今回「東急目黒線」に始めて乗りました。西小山駅は地下化されていました。

妻からは聞いていましたが、昔住んでいた社宅の後地には高級そうなマンションが建っていました。その近くにある皇太子妃の自宅前を通って西小山に帰ってきました。昔皇太子の結婚直前に自宅近辺賑やかだったことを思い出しました。西小山から「立会川」を暗渠とした「立会道路」を通り、中原街道を渡って荏原文化センターに行きました。開場前のホール前には熱心なファンが列を作っていました。今日のコンサートは座席指定がないので早い者勝ちに良い席に座ることになります。私達も長い列の後ろに並んで待ちました。

カンツオーネコンサートの出演者は、エンツォ・ディ・アマリオ(ピアノ)、サルバトーレ・マニエーリ(ヴォーカル)、アルベルト・デ・メイス(ヴァイオリン)、品川区民芸術祭プルミエコンサートの総合プロデューサーでテノール歌手の高野二郎さんです。高野さんの司会進行で、コンサートは進んでいきました。

ピアノのアマリオさんは長く日本に住んでいるので日本語が堪能です。ヴォーカルのサルバトーレ(2007年から日本で活躍)さん、ヴァイオリンのアルベルト(イタリア在住)さんは日本語がそれほど上手くないようで高野さんが通訳しました。歌は基本的にイタリア語で歌われましたが、字幕も歌詞カードもなし。でも親しみ易い旋律が多く十分楽しめました。

ピアノのアマリオさんはシンセサイザー、リズムセクションをコントロールしながらのピアノ演奏です。事前にアレンジされた伴奏は大変充実していて、そのベースに乗ったピアノ演奏は素晴らしく、安定していて素敵な音楽を作り上げていました。何曲かソロを惹かれました。

ヴァイオリンのアルベルトさんは巨漢でヴァイオリンが非常に小さく見えるのですが、そのボーイングの素晴らしさには最初から圧倒されました。正しく弦に吸い付くような凄いテクニックです。高温から低音までの統一された音色と表情豊かな表現はイタリアバイオリンの伝統を受け継いでいるのでしょう。イタリアは弦楽器製作では有名ですが、パガニーニをはじめ演奏者の系譜でも重要な位置を占めています。特にオペラ伴奏にはイタリア的な演奏方法が向いているのだと思いました。アルベルトさんのヴァイオリンは本当に歌うように演奏されます。他方「Palladio」では物凄い集中力で聴衆を魅了しました。そんなアルベルトが時々見せる適度なお茶目なところが人柄を表していて親しみが持てます。

ヴォーカルのサルバトーレさんの魅力は非常に複雑でした。渋い二枚目でアルベルトさんのような茶目っ気はありません。非常に生真面目に、そして物凄く感情の籠った歌を聞かせてくれます。イタリアが母国語の強みはありますが、男性カンツオーネ歌手の醸し出す色気をたっぷり聞かせてくれました。妻が「自分に歌っているかのように聞こえる」と評していましたが、聴衆のひとりひとりの心に染み透るような歌でした。テノール歌手の高野さんも素晴らしい声を持っているのですが、サルバトーレさんと比べると歌の上手さにおいて役者が違うという感じがしてしまいます。サルバトーレさんの歌を聞いていると声の問題とかリズムとか、言葉の問題とか「歌心」以外のことが気にならなくなるのです。高野さんの歌から発声法を変えることが気になるとか、気持ちではなくて音が聞こえてくるような部分が残っていると感じてしまいました。

さすがにイタリア人の3人の演奏は素晴らしく、ほぼ会場一杯の聴衆は次第にボルテージが上がって行き、それを感じ取った演奏家の演奏が更に素晴らしいものになっていくという好循環で、最期は会場も演奏者も大興奮となりました。これほどのコンサートが小さなホールでPRを少なくてあまり知られることなく行われるのは非常に残念に思いました。今日演奏された歌は以下の通りでした。

第一部
1.MiSERERE
2.NUOVO CINEMA PARADISO
3.IL PADRINO
4.NELLA FANTASIA
5.GIRASOLE
6.LA PIOGGIA
7.DIO COME TI AMO
8.SEI LA VITA MIA
9.TU CHE M'HAI PRESO IL CUORE
10. 'O SOLE MIO

第二部
1.LIBERTABGO
2.AQUA DE BEBER
3.PALLADIO
4.COFFEE RUMBA
5.SOMOS NOVIOS
6.ADAGIO
7.DICITENCELLO VUIE
8.NON TI SCORDAR DI ME
9.CON TE PARTIRO

アンコール
1.帰れソレントへ
2・ボラーレ
3.フニクリ・フニクラ




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