KENの日記
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2007年05月02日(水) 臥竜公園の設計者

ゴールデンウィークを利用して故郷の長野県須坂市に帰省しました。さいたまの実家からは国道17号・16号を使用して関越川越インターに行き、そこかや約2時間半走ると長野道の長野東・須坂インターチェンジに尽きます。途中にわか雨に合いましたが全般的に順調なドライブでした。


須坂市に早く着いたので母の年金番号を知るために須坂市役所に行ってきました。須坂市役所に行くのは何年振りか分かりません。訪れている市民が少ない割りに多くの役所の職員が居るのでびっくりしましたが、その話題に触れません。須坂市役所の市関連書物展示コーナーで興味深い本があったので、早速購入してきました。本は「須坂町公園設計案」(本田静六)(須坂市常盤中学校発行)という小冊子です。


須坂市には有名な臥竜公園があります。そこは桜の名所であり、最近は併設されている動物園のカンガルーでも有名です。そこは昭和の初めに本田静六博士の設計に基づき公園として整備されました。ボート漕ぎのできる「池」の整備やら、池の周りの約800本の桜の木、臥竜山の散歩道などは博士の提案に基づいています。


須坂市は明治の時代から製紙産業で栄えました。その名残で町に多くの大きな蔵が残っていて今や「蔵の町」として観光の目玉になっています。しかしその製紙産業は昭和始めの世界恐慌で大きな打撃を受け町には多くの失業者がが発生したのでした。その失業者対策として考案されたのが、公園に「池」を掘るという公共事業でした。私はその失業対策事業のことは前から知っていたのですが、その池の設計を「本田静六博士」が行ったことを今回知った訳です。


本田博士は明治の日本の林業・造園学の先駆けです。日比谷公園なども博士の設計です。本田博士の著作が最近復刻されつつあり、私はその一冊を立ち読みして非常に感銘を受けたのでした。「さいたま県出身」の博士は学術だけではなく、事業家としても大成した人物でその人生訓は非常に味わい深いものがあります。母校常盤中学の後輩は面白いところに目をつけたものです。本田博士・郷土の先輩のことを調べて是非もっと教えて欲しいものです。


本に掲載されている博士の人生訓12か条を引用しておきます。

1.常に心を快活に保つ
2.一度決めた職業を天職と信ずる
3.自分の功は人に譲り、責は自分で負う
4.長所と交われば悪友なし
5.左手で本業を押さえ、右手でチャンスを掴む
6.常に収入の1/4は貯蓄する
7.人事を尽くして時を待つ
8.言動を慎み反感を買うな
9.学び続ける努力
10.希望と自信を失うな
11.施した恩は直ぐに忘れ、受けた恩は長く忘れるな
12.名利は死後に期す




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