KENの日記
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2007年03月09日(金) スリランカ内戦の情勢

一昨日水曜日頃からスリランカ政府がスリランカ東部で新たの攻勢にでました。重火器の支援を受けた陸上部隊(数千人規模)が反政府組織LTTEの基地を攻撃し始めたのです。これが内戦の新たなページの幕開けにならなければ良いのですが。


2月23日は2003年の同じ日にスリランカ政府とLTTEの間で和平協定が結ばれてから5周年目でした。制度上というか法律上というかは別に形だけの和平協定は今も生きているのです。しかしスリランカにおいては今年だけでも数千人の命が奪われています。和平協定は名ばかりの状態なのです。


与党党首のラジャパクサ大統領には非常に多くの権力が集中しています。今大統領は財務大臣と国防大臣を兼任しているのです。大統領は軍事予算を思う存分使えるのです。今年1月末に野党から20名以上が大統領派に寝返ったので大統領の与党は議会で単独過半数を獲得しました。


与党が単独過半数を取ったので紛争解決の政治決断ができるかもしれないという楽観的な予想はありました。LTTEに自治権を与えようという提案はスリランカの右派勢力からは大反対されるからです。しかし現時点の状況からすると大統領は平和的に紛争を解決するのではなく武力で紛争を解決しようとしているとしか思えません。非常に危険な状況なのです。


反政府組織のLTTEは今回の政府の攻撃に対して「スリランカ全土で不幸な流血事件が起こることになるだろう」と警告を発しました。暫く予断を許さない状況が続くでしょう。




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