| 2007年02月18日(日) |
遅ればせながら「ホロストフスキー」 |
NHKの芸術劇場で昨年の「プロムス」最終日のコンサートを放送していました。その中で圧倒的な存在感を示していたのがバリトンの「ドミトリー・ホロストフスキー」です。彼が歌った曲は以下の3曲でした。
「歌劇“イーゴリ公”から“眠りも憩いもなく”」ボロディン作曲 「歌劇“カルメン”から“諸君の乾杯を喜んで受けよう”」ビゼー作曲 「モスクワの夕べ」ソロヴィヨフ・セドイ作曲
恥ずかしながらこんなすごいバリトンがいるとは知りませんでした。1962年生まれといいますから今が「旬」という感じですね。何といっても声が素晴らしいですね。顔の筋肉全体(唇・喉まで含めて)が強靭でかつ非常に柔軟なのだと思います。唇、頬、舌が柔軟なので「子音」が非常にはっきり聞こえます。色々な所が柔軟に振動するので「声」自体が非常に豊かなのでしょう。
それと存在自体が「ステージ映えします」。100人以上いるオケ・合唱団の存在が薄くなってしまうような存在感です。それも嫌味がない。「人柄」がいいのではないでしょうか。こういうキャラはスターになるための必須なものだと思います。知的で少し暗い「ハンプソン」とは好対照ですね。昨年メトロポリタンオペラで「ジェルモン」を歌ったのだそうです。あの地味な役をどのように歌ったのでしょうか。お父さんにしては「ギラギラ」し過ぎでしょう。
ネトレプコもそうですがロシアのオペラ歌手の層の厚さには驚かされますね。ゲルギエフ・キーロフ、バレエも含めると、ロシアのオペラ・バレエの天下が続きそうです。
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