スリランカでは、2月の満月の近辺はコロンボの寺院「ガンガラーマヤ」の縁日になります。この祭りのためコロンボにスリランカ中の象が集まるのです。コロンボの中心にある広大な公園はこの間「象」達の宿泊所になります。今年は70頭の象が集まったということです。賑やかな象公園になっていることでしょう。
そのスリランカでは1月末に大規模な内閣改造が行われました。2005年1月に現在の「ラジャパクサ大統領」が就任してから最初の改造です。ラジャパクサ大統領は「SLFP」(スリランカ自由党)ですが、大統領選挙でライバルの「ウィキレメシンヘUNP党首」に勝利したものの、SFLPは国会では過半数ではなく連立政権になっていたのでした。昨年から噂があったのですが、年が明けて「UNP」等の国会議員が「SLFP]へ大量に「鞍替え」がありました。そして一院制国会議席225の中で88の議席しかもっていなかったSLFPが113に増えて過半数を支配することになりました。
今回の内閣改造はその「鞍替え」者に対して「大臣ポスト」を与えるための改造でした。このため約60もの大臣ポスト(副大臣も含め)が作り出されました。SLFP国会議員の半分が大臣ということになります。
安定政権はスリランカで非常に期待されてはいます。「LTTE」との紛争解決のための意思決定が早くなります。国際社会は「LTTEにどれくらい権利を与えるのか」の意思決定が容易になるだろうと期待しています。これまで右よりの「仏教徒政党」の反対が強くて、大胆な譲歩案はすべて否定されていたからです。しかし私が心配するのは、与党が強くなって強行路線に走らないかということです。昨年8月から攻勢に出ている政府軍は、少しずつですが確実に支配地域を増やしています。つまり内戦は政府軍がじりじり「LTTE」を追い詰めている構図なのです。政府軍内部には一機に「LTTE]を打ち負けしてしまえという意見も多いのは事実です。
3日の新聞にはスリランカ北西部の海底に油田があるだろうとの記事が掲載されました。このあたりの海は「LTTE」の「シータイガー」が出没する地域で、政府としては制海権を確保することが大変重要だったのだと思います。スリランカ政府が「LTTE」の海軍基地に打撃を与えることを目的に空爆していた理由のひとつがはっきりしました。政権与党が大きな力を握ってしまいましたが、紛争解決に平和的で着実な政策を取って欲しいと思います。
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