KENの日記
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2006年12月31日(日) 年末クラシック

NHK交響楽団ベートーベン第9演奏会、指揮:上岡敏之
BS放送で第3楽章から聞きました。指揮者の上岡さんは初めて聞きます。NHK交響楽団の第9は久しぶりです。昔から随分聞いてきました。今回もあまり共感できない演奏でした。自分が歳を食ってしまったのかしら。第3楽章から終楽章の「歌」が入るまで、気力のない音楽が流れていきました。音が繋がっているだけで、演奏者もこれといった感慨がないみたい。唯一終楽章のテーマをチェロとコントラバスで演奏するところが分厚くそして非常に魅力的な音で演奏していました。N響のチェロはとても旨いと思います。しかし、バリトンソロが入ったところで期待を裏切られました。ソリストの声そのものは上品なのでしょうが力がありません。ソリストはソプラノを除いて「?」マークが付きました。ソプラノ活躍する場面はほとんどありませんでした。とにかく指揮者のテンポが「じっくり聞かせる」というものとはほど遠いのです。


上岡さんの指揮姿は「アバード」を彷彿とさせますね。棒さばき、顔の表情(口を少しかけるとか、額の皺など)とかそっくりです。でも楽団が共感していませんね。N響ももう少し共感すればいいのにと思いました。でもあのテンポではやはり無理かしら。それとN響の弦楽器は現在調整中かしら。2006年暮れに「ロジャー。ノリントン」のピリオド奏法でペースを乱された感じがあります。弓の使っている長さが短い感じがしました。


同じ頃来日した「マーラーチェンバーオケ」のしなやかなな演奏に比べると、非常に無骨なピリオド奏法でした。マーラーチェンバーオケは、弓を非常に軽く持っていて弓のスピードがかなり早いのです。したがって早いパッセージでも弓を大きく使えます。ああいう奏法だとピリオド奏法も納得できます。N響で急にピリオド奏法をやってみても無理というものでしょう。その影響が第9に残っていたみたいです。


31日の大晦日、新年になるまで「テレビさいたま」のコンサートを聴いていました。昨年もやったのかどうか知りませんが、南浦和の文化センターからの中継で「西本智実」指揮のジルベスターコンサートです。今や女性ファンが追っかけるようになっている(?)という西本さん。指揮姿は非常にかっこいいです。宝塚みたい。途中で「宮本文昭」ソロのモーツアルトのオーボエ協奏曲が入りました。さすがに素晴らしい音楽でした。一つ一つの音を大切にした非常に丁寧な演奏でした。こんな協奏曲めったに聴けないという水準です。2007年から「指揮活動」に専念するための「決別」の演奏会でもあったかもしれません。


日付が変わる時の曲目は「チャイコフスキー交響曲大4番終楽章」。このときはオーケストラから「ロシア」の音がしました。オケは在京オケ選抜だそうですがトロンボーン・チューバは馬力がありました。西本さんはチャイコフスキーが得意なのですが、ロシアの人達と作り上げてきた経験を日本のオケとの演奏でも生かすことができたのだと思います。そんな西本さんの要求に素直に付いていったオケも立派でした。正直言って一楽章から聞いて見たいくらいの演奏でした。浦和の文化センターは我が家からも遠くないので、次は狙ってみようかなと思いました。




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