| 2006年11月26日(日) |
ウィーンフィル演奏会 |
(この記事は28日に書いています) モーツアルトの誕生日は1756年1月27日。今年は生誕250年の記念の年です。彼は1791年の12月に亡くなるのですが、亡くなる3年前の夏1788年ですが最後の3大交響曲が作曲されました。変ホ長調、ト短調、ハ長調の特徴のある曲です。書かれた場所はウィーン。亡くなったのもウィーンです。まさしく伝統のウィーンで書かれた傑作です。
ウィーンフィルの日本公演は既に恒例になっていますが、今年は奇才「アーノンクール」の指揮です。11月11日東京サントリーホールでおこなわれたモーツアルトプロ「交響曲39番・40番・41番」がNHKで放送されました。日曜の夜なので録画しておいて今日(火曜日)ようやく見終わりました。
天下のウィーンフィルですからチケットの値段も高く、前評判も相当高かったのでしょうが。これはいったい何なのでしょう。生誕250年の記念の年に何を言いたいのでしょう。全く理解できませんでした。自分の感覚・聞き方が間違っていることを祈りたいです。
アーノンクールはこれがモーツアルトであると言うのかもしれません。モーツアルトにもそのような面があってもいいでしょう。しかし年に一回ウィーンからはるばる東京までやってきて「そんな」モーツアルト聞かせてどうするのでしょう。ピリオド奏法だとかNHKは難しい解説をしていましたが、音楽会にそれもウィーンフィルの音楽会に「奏法」を聞きに行くのではないのです。音楽を聴きにいくのです。余りにも聴衆に対する誠意がないように思えました。
各曲ともニ楽章のアンダンテが早すぎるとか、4楽章のテンポがしっくり来ないとか、細かいところは沢山ありますが、何といっても演奏者が苦しそうでした。何だかスポーツを見ているようでした。いやスポーツはもっと楽しいでしょう。指揮者アーノンクールと意地の張り合いをしている感じですね。「ピリオド奏法のアレグロでもウィーンフィルはこんなに弾けるのですよ」「なるほどさすがにやるね。じゃこれならどう?」みたいな。そして音楽からどんどん遠ざかっていくのですね。
アーノンクールは1927年生まれです。かつてウィーンフィルとの名コンビを期待されたイシュトバン・ケルテスは1929年生まれ。ほとんど同世代ですね。カルテスが事故でなくなっていなければ毎年素晴らしい音楽をきかせてくれたことでしょう。
|