KENの日記
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2006年11月03日(金) アイーダ

今日東京文化会館で歌劇「アイーダ」を見てきました。春にマタイ受難曲を聴きに行って以来の本格的な音楽会でした。演奏は以下のとおり。

演奏:ウクライナ国立歌劇場歌劇団(キエフオペラ、この前は間違でした)
アイーダ:タチアナ・アニシモヴァ
ラダメス:ウラディミール・クジメンコ
アムネリス:アッラ・ポジニャーク
アモナズロ:イヴァン・ポノマレンコ
エジプト国王:セルフィ・コヴィル
ランフィス:セルフィ・マへラ
指揮:ウラディミール・コジュハル
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
合唱:ウクライナ国立歌劇場合唱団
バレエ:ウクライナ国立歌劇場バレエ団


3連休の初日の上野はものすごい人出でした。上野駅公演口の改札を出るのも一苦労でした。ちょうどダリ展をやっている美術館の前を通りましたが、切符売り場の前に長い列ができていました。連休は行楽地も東京もどこも人出がでるのですね。午後1時開演の上野文化会館もほぼ満員の入りでした。今日3日は1時からと6時からの2回上演です。今回聞いたキエフオペラの公演は9月23日に始まり、12月3日に終わると言う長い日本公演です。この間に60回の公演があります。演目は「アイーダ」と「トゥーランドット」の二本です。それこそ北海道から九州まで日本中回っています。


一言で感想を言うと「充実していて底力のあるオペラ」だということです。アイーダは3人、アムネリスは2人で交代して歌うのですが、今日のような水準のオペラを2ヶ月以上も維持できるとしたら、相当な力のある劇場だと思いました。オーケストラは控えなどないですから60回伴奏することになります。しかも殆ど毎日演奏しています。夜に公演して翌日の午前中に移動して、その夜の公演するという毎日です。もちろん土曜・日曜も公演です。ものすごいスケジュールです。風邪などひいていられませんね。今日の公演の後、楽屋口にいって演奏者の一人と話しましたが「これからまだ12月3日まで公演を続ける」といって少々疲れ気味でした。でもこれがプロなのですね。


今日改めて「アイーダ」を聞いてみての感想ですが、「アイーダ」は迫力があって面白いけれど内容が大雑把過ぎて聞いた後に消化不良な部分が残って気持ちが悪いというものです。確かに2幕の華やかさはこのオペラの醍醐味ですが、主役3人の性格付けが難しいのです。今日の公演では4幕での「アムネリス」の表現が際立っていたように思えます。最後のカーテンコールでもアムネリス役の「アッラ・ポズニャーク」さんへの拍手が最も大きかった気がしました。


歌劇場の力と言う点では、オーケストラの伴奏・2幕でのバレエも特筆に価すると思いました。オケは一環して高い演奏水準を維持していて、時にトロンボーン・チューバは時にロシアオケ特有の馬力のある音を披露していました。ホルンは一環して上手に支えていました。木管楽器も非常に安定しています。バスクラがいい音で伴奏していました。バレエでいうと非常に均整の取れた身体をした踊り手がしっかり踊っていました。良く揃ったコールドバレエ(群舞)を見ている感じでした。合唱団も動きに隙が無く非常に緊張感のある舞台であったともいます。細かい所に注意が行き届いた演出は素晴らしいと思いました。演出で難点をいうとエチオピア軍の捕虜が「王様」ひとりしかいないというのは無理がありましたね。


でもこれだけの舞台を2ヶ月半続けるとは大したものです。値段の設定は非常にお徳だと思いました。ロシアの底力を知った一日でした。




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