| 2006年02月25日(土) |
スリランカ情勢が少し安心 |
今週、スイスでスリランカ民族紛争解決に向けた和平会議が始まりました。昨年暮れから休戦協定があるにもかかわらず小競り合いが頻発し、全面的な内戦再開が危惧されていたのでした。津波被害に対する諸外国の援助金も殆ど凍結されたままで、国の復興に向けた活動は本格化していないのです。
今回のスイスでの会議で、政府側・反政府側とも休戦協定を遵守する合意ができ、一応事態の悪化は避けられた格好です。でも休戦しただけでは事態の改善にはならないのです。スリランカの多数民族のシンハラ人と、少数民族のタミール人の折り合いをどうするのか、タミール人にある程度の自治権を認めるのか、そこのところで合意しない限り、状況は改善しないのです。休戦だけではまた直ぐにでも小競り合いが始まることは目に見えています。
シンハラ人とタミール人の関係の他に、新たにイスラム教徒の問題も持ち上がっています。宗教的に言うとスリランカの国民は仏教徒のシンハラ人・ヒンズー教徒のタミール人そしてイスラム教徒が多いのですが、シンハラ人とタミール人の紛争でモスリムの人が被害を受けているのです。 タミール人の中も今二つに割れているのです。タミール人の一派は政府側に接近している格好なのです。反政府組織のLTTEは、分派行動をとるタミール人グループを裏切り者として攻撃しました。事態は非常に複雑になっています。予断を許しません。
|