午前中楽器修理職人のハイクさんのアパートにチェロの受け取りに行ってきました。ハイクさんは素晴らしい職人です。分解修理の概要を説明してくれ、主用工程のデジタル写真をディスクに入れてくれるのです。「最初楽器にのこぎりが入るシーンを見ると、楽器の持ち主は大体目を覆うのよね」ハイクさんのコメント。まさしくそうですね。持ち主のとって少しサディスティックな写真です。
修理が終了した楽器はまさに違う楽器です。音が深いし響きが長続きします。 ハイクさんの説明によると、箱を開けてみて大分改善点があったようです。私の楽器は工場製造の安物ですが、材質は「まあまあ」だそうで、修理の甲斐があったようです。工場製造の量産楽器は細かいところに目が届いていなくて、様々な問題が複合して最終的に鳴らない楽器になっているのだそうです。弦楽器は箱を閉じてしまえば後は殆ど何もできないのです。今回箱を開けて上板を丁寧に修理したのだそうです。有難いことです。こんなこと(高価なこと)日本で出来るかしら。様々な改善を施して修理完了した楽器は響きが違います。 午後からアパートに帰って弾いてみました。楽器の発音にあったボーイングが求められることを再確認しました。これまでは鳴らない分少し無理して弾いていた感じです。ボーイングの矯正が必要です。要は力を抜いて楽器の鳴るに任せる???。 夜ボンベイ室内オケの演奏会に行ってきました。今日の演奏会はオランダ領事館共催でオランダからゲスト演奏家が14人参加していました。アムステルダムコンセルトへボー室内オケのメンバーだとのこと。指揮者はコンセルトへボーのバイオリン奏者でもある「ペータ・シュピーリング」さん。
曲目は以下の通り。 「ウインザーの陽気な女房達」の序曲 サンサーンス バイオリン協奏曲 ベートーベン 交響曲第一番 スパルタクス アダージョ。 オランダからの助っ人のお陰で大分充実した演奏でした。木管がしっかりしているので安心して聞くことができます。サンサーンスのソロはオランダの18歳の俊英「Wel」君。丁寧なボーイングに好感が持てました。最後にオランダ領事の挨拶がありました。 GNP世界第2位の日本はどうなのでしょう。こういう文化助成の予算はないみたい。ハノイ交響楽団ではスイス大使館支援でCDを作っていました。前回のムンバイ室内オケではオーストリア大使館がかかわっていました。まあアメリカ領事館が協力しているという話も聞きませんので「仕方ない」ということにしましょう。
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