モンスーンは終盤に差し掛かり、晴れ間の覗く時間が多くなりました。モンスーンの終わりを待ちかねるかのように、ムンバイは祭りシーズンに入っています。まず9月3日(土)には「ゴビンダ祭り」がありました。
幼い「クリシュナ」(ビシュヌ)が母親が高い所に隠した「ヨーグルト」を手に入れようと友達同志で助け合って、高いところに手を伸ばしたという言い伝えに則り、ムンバイ市内の色々な高いところに、ヨーグルトの入った壷がぶら提げられます。実は高さ、つまり難易度に応じて成功した時の賞金額が違うのです。
町内の少年達は練習を重ねて、高い所の「壷」を手に入れようと必死になります。下を支える人達は力強く踏ん張ります。上に行くに従って身軽で高いところに平気な人間が選ばれます。上の写真は大分高い所まで届いています。この少年達は、トラックの荷台に乗り、ムンバイ中の「壷」を探して走り回るのです。こうした組が何組も何組も入れ替わり、立ち代りやってきて挑戦していくのです。女性だけで構成されている組もあったそうです。翌日には、落下して怪我をした痛々しい人達の写真が新聞に載ります。 ゴビンダ祭りが終わると次は「ガナパティ祭り」です。ガナパティ祭りはムンバイの最大の祭りといっていいでしょう。何しろムンバイの象徴たるガネーシュが主役なのですから。今週の水曜日7日。ガナパティがムンバイのいたるところにやってきたのです。ヒンズー教の人達は自分達の家に「ガナパティ」を飾ります。さらに町内には「特設寺院(ミッタルマンディル)」設けられガナパティが迎えられます。この町内ガナパティで最大のものは高さ20mに及ぶ巨大な像(象の像)です。
そして数日間、自分達と一緒に過ごしたガナパティは、決められた日に川や湖や海に流されます。(これは迎えてから1.5日、5日、7日の3種類あるようです)最終日の来週の火曜日には、ムンバイ市内40箇所のガナパティ流しの場所まで町内、市内をガナパティを引き回し、歌い・踊りしながら更新するのです。それまでの間ムンバイのいたるところに美しいガナパティが飾られ、人々の祈りを捧げる光景が見られるのです。因みに、ガナパティはシバ神の息子とされていますが、シバ神信仰とはあまり関係ないように思えます。
美しく作られたガナパティの顔は、実際にあるはずないのですが、人間の顔と象の顔の折衷で結構リアルなのです。「我慢強さ、慎重さ、奥ゆかしさ、そして秘めた力強さ」を感じさせる顔つきなのです。そうしたところが、ムンバイ市民に人気のあるガナパティの特徴なのでしょう。
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