インドの町では、ムンバイに限らず、「犬、猫、鶏、牛、はと、カラス」はどこにでも居ます。しかも、インドの町や人間を何の違和感もなく共存しているのです。歩道に寝ている犬は、人間の交通に邪魔ですが、人間が除けていきます。偶に道で牛の行列に出会うと、車は徐行したり迂回したりして、「牛」が優先されます。
こういう光景を見ていると世の中の主人公は人間だけではなくて、他の動物達も社会の一員だと思えます。野良犬、野良猫の去勢手術は結構進んでいるし、「はと」・「からす」の餌場は沢山あります。
話は飛躍しますが、私には「ベジタリアン」の気持ちがだんだん分かってくるようなきがするのです。人間も含めて、世の中に色々な生命があり、その生命は非常に貴重で尊重されるべきだと考えたらどうでしょう。なぜ、人間だけの生命、生活環境だけが尊重されなければならないのか。他の動物だって、同じ創造主「神」から生命をあたえられた仲間ではないのかと。
命を大切にするジャイナ教では、植物でも「地下で取れる」植物は「命の元」だとして食べません。インドにベジタリアンの多いのは「命」を大切に考えている人が多いからなのです。野良犬、野良猫はどんどん減っていき(捕獲され)人間のためだけのコンクリートの町がどんどん増えていく日本。
動物は人間の疲れを癒す「ペット」ととしてしか存在し得ない環境は、インドからすると異常です。かつて日本も仏教の教えで、動物の命を大切にしていた時代はあったと思います。しかし、今は宗教が生活から遠い存在になってしまったと同時に、人間中心の考えにかわってしまった。日本人が「なぜ、宗教が必要なのか」と問うとすれば、インドでは「なぜ、宗教が必要でないのか」とといます。
約一年のインド滞在で、大分インド人的になってきた感じです。(もともと若干その気配はあったのですが)
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