近くのホテル(という名が妥当なのかどうか)に入浴に行く。温泉というほどでもないけれど、大きなお風呂は子供が喜ぶ。 前は海が見える露天風呂があったのだが。今はそこは囲われていてトロン温泉なるものになっていた。お湯が熱くて浸かれない。子供か。 行きも帰りもぶらぶらと歩く。ホテルは海のすぐそばだ。秋には鮭が登る川もすぐ隣を流れる。鴎が群れをなしていた。曇り空の下でも白さが目に痛い。 家々の庭や道端には既にコスモスや桔梗が咲いていたり、ススキが生えていたり。 その一方でタンポポも紫陽花も向日葵もラヴェンダーもまだ顔を覗かせる。百合、ポピー、アザミ、マリーゴールド、グラジオラス。 まさに北海道の短い夏、狂い咲きである。
実家近くの商店にお菓子を買いに行く。ここの長男は同級生で(跡を継ぐような気配は無いが)、おばさんは話し好きの面白い人。 同級生達の幾人かはぽつぽつと故郷に戻ってきているらしい。数人の名を挙げて『結婚どころか彼女もいないような連中が慰めあって集まってる』と評していた。 結婚して子供が二人もいる私なのに、何故かこちらが浮き足立った生活をしているような、気恥ずかしいような気持ちになってしまった。 もちろん羨ましさも少し。メンバーのせいかもしれない。
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