ここではない夢をみる遠くでも遠くでなくても
さっきまで鳴いていたのはせみいま鈴虫が鳴いている夜になる
波を分けてゆくような音を聞く山裾のこの街に雨が運んでくる
もう秋の声になる窓を開けたまま
雲に すっかり隠れてしまった山並みから風を受け取る雨の街
ゆらゆら水のなかのひかり時間から離れてしまっている
ゆらゆら水面に浮かぶさるすべりの花蜂が行き来する陽射しのなか