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■送り送られ泣き泣かれ
2010年01月24日(日)
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土曜日、幼稚園の授業は休みなのだが時々「わんぱく教室」というのがある。希望者のみ参加のオプションツアーのようなものだ。

嫁が子供達に

「どうする?参加する?でもせっかくパパが休みなんだから遊んでもらえば」

と聞いてみたところ、

「やだ!わんぱく教室行く!」

娘・R(6才)と息子・タク(4才)は父よりわんぱく教室を選択したという。こうして親離れしていくんだね…。

「土曜日はわんぱく教室行くの!それで、パパに送り迎えしてもらうの!って言ってたから明日アナタよろしく」

と嫁が言う。

「別にいいけど」

「『パパが送り迎え』ってとこ強調してたからね。そこが重要らしいよ」

「どう重要なんだ」

「さあ」

いつもとちょっとだけ違う登園をしたい。そんなところだろうか。そんなわけで僕が幼稚園まで送って行くことになった。

「寒いねー…」

ブルブル震えながら歩いていると

「Rちゃんの方が寒いよ!」

「たっくんの方が寒いよ!」

ふたりからステレオ反撃をくらってしまった。

Rとタク
なるほどふたりとも足が寒そうだなあ。しかし半ズボンは少年の証、膝上スカートも少女の証であるから我慢せよ。

「きょうねえ、映画見るんだって!」

「ゲームもするんだって!」

「へー。すごい楽しみなんだねえ」

「たのしみー!」

ふたりとも朝とは思えぬテンションでワクワクしていた。幼稚園に着くと先生達がお出迎え。

「きゃー。Rちゃんたっくんおはよー!」

キャピキャピしていてみんな若くてキャバクラに入店した時みたいだと思った。

「じゃ、終わったら迎えに来るからね」

バイバイと帰ろうとしたら突然タクが

「ぶあああああ!おうちかえりたーい!」

と泣き出して思いっきりびびった。タクは普段もこういうことが時々あるのだと嫁から聞いていた。幼稚園に送りに行き、先生に引き渡して帰ろうとする瞬間に「帰る!」と泣き出す。しかし最近は全然そういうことなくなったよ、と聞いていたのだが…。

「なんだ。どうしたんだ。今の今までもの凄いワクワクしてたじゃないか!」

「パパとおうちかえりたーいいいいい!」

「映画とゲームやるんだろ?楽しみじゃないのかい?」

「かえるうううう」

タクは僕の袖を引っ張って離さない。すると先生がやって来てぎゅっと抱き締めてくれた。

「ほらー。みんなも一緒だよー。先生と行こうか」

「やだー!がえりだいいいいー!」

僕だったらこんな若い女の子に抱き付かれたら逆にお家に帰りたくないぞ。ほらほらおっぱいも当たってる大サービスじゃないか。泣きっ面に乳とはまさにこのこと。

「Rちゃんも一緒じゃないのー」

先生も必死であやしてくれる。そうだ。Rもいるんだ。Rも何かタクがそそるようなこと言ってタクを園内に誘ってくれ…とRを見たら…

R、ただボーッと見てるだけ。しまった。Rはいつも頭がお花畑なのだ。

「すいませんが先生、お願いします」

多分僕がいるからダメなのだろうと思い、先生にタクを任せて消えることにした。普段の時も嫁がいなくなって教室に入るとケロッとしているのだという。

家に帰ってから嫁に伝えると

「えっ。最近は無くなったと思ったのに。へー。アナタでもそうなるんだー」

と驚いていた。

「多分、僕とかお前とかがすーっと離れて行っちゃうシチュエイションがたまらなく悲しいんじゃないかな」

親が離れて行ってしまうってところがまだタクの悲しみのツボなのではないか…と考える。そしてわんぱく教室の終わりの時間に再び幼稚園に向かうと

「たのしかったー!」

案の定、タクはケロッとしていた。

「帰りたいって言ってたのは誰だっけー」

とちょっと意地悪に言ってみたら

「先生にも『朝泣いてたのは誰かなー』って言われた…」

「わはは、先生にもからかわれたか!」

きっと幼稚園側では朝の「泣きタク」は名物になっているんだろうなあ…。

子供達が小さい時は見送り、
子供達が大きくなったら仕送り。

僕が老いて死ぬる時は見送ってもらえるのかな…。

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