←クリックしないと枕元にピンクのちんこが立つであろう。息子・タク(3才)が僕に闘いを挑んできた。
「たっくん、パパとたたかいしたいのー!」
うぬう。息子からの挑戦であるか。
「よかろう。かかって来るがよい」
息子にとって父親とは山のような存在であると言えよう。見上げて、よじ登って、やがて越えて行く。ただ僕もただでは登頂させん。全力でかかってこいやー!
というわけで僕とタクの「闘いごっこ」が始まった。
「あんぱーんち!あんきーっく!おしりぱーんち!」
タクは思い付く限りの必殺技を出してくる。僕はタクをかわして抱え上げ、予め用意しておいた布団にぶん投げる。
「Rちゃんもやるー!」
僕らの闘いを見て娘・R(5才)も加わった。
「Rちゃんはプリキュアよ!」
「じゃあたっくんはゴーオンジャー!」
それぞれ好きなテレビのヒロインとヒーローに成り切るふたり。そんなら僕も…
「じゃあパパは…えーと、えーと、何にすっかなー」
と迷っていたが
「パパはナケワメーケ(プリキュアのモンスター)」
僕に選択の余地はなかった。
話は逸れるが、今R達がはまっているプリキュアは、日曜朝にやっているアニメである。ウルトラマンシリーズのように2年に1度ぐらいリニューアルして主人公が変わり、今やっているのは「フレッシュプリキュア」というタイトルである。
それで主人公が変身する時の決めゼリフが
「もぎたてフレッシュ!キュアピーチ!」
なんである。なんかダサ過ぎ。
「もぎたてフレッシュ 紀州みかん」
近所のスーパーのチラシにありそうなコピーである。
「脱ぎたてフレッシュ 女子校生」
とかいうAVもありそうだなあ…子供向けとはいえ何とかならんのか…そんなことをとか考えながら子供達と見ているのである。
話を戻す。
Rとタクの正義の味方コンビと闘う悪役の僕。それはもう闘った。迫り来るRとタクをちぎっては投げ、ちぎっては投げ。そして適度に「ぐわー」とか言ってやられ、かれこれ30分。いい加減お互い疲れが見え始めた。
「そ、そろそろおしまいにしようか…」
僕が根を上げてタクに言ってみたところ
「うん、もういい」
タクもそう答えて闘いを終えた。闘いを終えた男達は、
「お前もなかなかやるじゃねえか…」
「フッ俺をここまで手こずらせたヤツはお前が初めてだぜ…」
と夕日を眺めながらお互いを讃え合い、やがて友情が芽生えるのが定番である。なので僕も
「タクよ、お前もなかなかやるな…」
と肩を組もうとしたら、タクはすいーと僕の腕をすり抜け
「ねえRちゃん、たたかいはもういいから結婚ごっこしよー」
なんと、男の友情より女を取りおった!
「結婚ごっこって何するんだっ!」
思わずタクに聞いてみると
「えっとー、いっしょにー住むの」
「はあ」
どうやって遊ぶんだろ…と見ていると、結局やってることは
「かいしゃいってきまーす」
「いってらっしゃーい」
単なるままごとであった。でも僕は悔しい。友情相手のタクに逃げられ、
「パパと結婚するの」
と常に言っているRを取られてしまった。今度は僕からタクに決闘を申し込まなければなるまい…。
親子の決闘。
女に手が早いのは、血統。
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