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■声は枯れても涙は涸れぬ
2009年03月11日(水)
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朝起きると娘・R(5才)と息子・タク(3才)が

「きのうね、ママが鼻声になっちゃったのよ〜」

と教えてくれたので、無言で弁当を作り続ける嫁に

「そんなに花粉症がひどいのか」

と声をかけると

「ち…ちがう…声が…かすれた…出なくなった…」

酒で喉が焼けたようなかすれ声になっていた。その声で「おふくろさんよ〜♪」と歌って欲しかったが、そんなことを言って茶化すと殴られるのがいつものパターンなのでやめておいた。

嫁の作っている弁当は3つ。ひとつは僕のでひとつはRの。そしてもうひとつは…タクのだろうか?

「なんでタクのも作ってるの?」

タクはまだ幼稚園にすら行っていないので弁当の必要はない。ないのだが

「あなたもRもお弁当持って出掛けていくから『たっくんのおべんとうはぁ?』って言うのよ!」

とのことで…。僕のこの問いかけがなんか知らんが口火となってしまって

「Rのお弁当は今学期今日で最後なのよ。サンドイッチがいいっていうからたくさん作ったわ。タクのは嫌いなものがあると食べないけど今日は入れちゃえ入れちゃえ…」

声が枯れているのに嫁、べらべらと喋る。喋りながらタクの嫌いな野菜をガンガン入れる。

「そんな喋って辛くないのか」

一応いたわりの言葉をかけると

「辛くて喋れないって思うと余計にしゃべりたくてしょうがないのよーッ!」

この人と知り合って10年以上経つが、まだよく分からないところがあるようだ。ともかくこの状態で喉を酷使するのは良くないので、

「しゃべるのはよくないから代わりに僕の×××しゃぶれ」

という革命的アイディアを提案すると

「朝からバカなこと言わないで!」

やっぱり殴られた。しゃぶってる間になんか出てきちゃった液体を飲むと喉にいいという科学的根拠を元に言ったのだが…いや、本当はデタラメである。

ていうか嫁の声が枯れた原因は何なのだろう。聞くの忘れたまま会社に行ってしまった。風邪なのだろうか。世間で流行っているのだろうか。

それとも貧しさに負けたのだろうか。
いいえ、世間に負けたのだろうか。

平成枯れハスキー。なんつって。

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