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■参観王
2008年11月14日(金)
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「きょうねえ〜。さんかんびなのよ」

朝、娘・R(5才)がそんなことを言った。幼稚園の授業参観なのだという。

「いいな…僕も行きたいな…」

学びやでのRの立ち振る舞い、授業中のRの真剣な顔…ウチでは見られないRの素振りや表情をちょっとドキドキしながら眺めていたい…しかし僕は仕事なので叶わぬ夢。嫁が息子・タク(3才)を連れて観に行くのである。僕はしょぼくれながら仕事に出かけた。

夜、帰って来ると僕の机の上にビデオカメラがあった。嫁が置いたのだろう。すわ、これは

「今夜はこれでハメ撮りして!」

というサインなのかと下半身にて何かが先走ったが、どう考えても

「授業参観を撮ってきたからせめてビデオで観れ」

ということだろう。嫁の気遣い、有り難し。

早速観てみると、まず運動場で体操をするRの姿があった。ただ撮る位置が良い場所ではなかったらしく、おばさんのおでことかおヒップとか何故か谷間とか、あまり有り難みのない映像がRの姿を遮っていた。谷間写すならせめてRの担任(かわいい)のにしろ!

しばらくすると場面が変わり、教室の中になった。ここでは良いポジションをゲット出来たようで、真正面からRを撮れていた。おばさんの巨大尻などは映らず、Rの一生懸命歌う姿に感動していると、画面右下からぬぬぬぬっと見慣れた坊主頭がせり上がってきて、

「Rちゃん、おうたじょうずだね」

タクのにやけたドアップが映った。タクはずっと撮影する嫁の隣にいたのだろうが、しょっちゅうカメラを覗き込んだり、姿は映っていなくてもずーっと何かしら喋っている声が拾われており、お前は副音声か。

「あっ!マユちゃんだ!」

とRの友達を見つけて叫んだり一緒に歌を歌ったり、

「ちんちん!」

意味もなく放送禁止用語を言い放った時は、端っこに映っている林マスミ似のおばさんが噴き出していた。何故授業中のRより野次馬のタクにハラハラせにゃあかんのだ。

ともあれ、一生懸命なRの姿といつものようにおちゃらけたタクの姿、両方観れて父は嬉しい。ただいつもビデオを観て思うのは、生き生きとした姿が映っている時ほど、ライブで観たかった!と言う思いが強くなることである。

たまに父親参観とかもあるが、ただでさえ影が薄い父親の時間帯に合わせ、夜に授業参観をやるというのはどうだろうか。いや寝てるし、というツッコミはなしで、一度やって欲しい。優雅に食事でもしながら、というのでもよい。

夜の参観…すなわち晩参観である。

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