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■神の国は近づいた
2008年10月22日(水)
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子供達と公園で遊んでいると

「あの…」

「はい」

なんか綺麗なお姉さんが僕に声をかけてきた。すわ逆ナンかと一瞬だけときめいてしまったが、僕のようなオタクお馬鹿オヤジ、すなわち3Kならぬ3Oに声をかけてくる美人なんざ大抵宗教かインチキ商売である。美女美女詐欺にはひっかからないぜ!と身構えると

「そこの教会の者なんですけど」

やっぱりな!公園の隣にはでかい教会があるのだ。神の使いであるところのあなたが迷える子羊であるところの僕に何か?と尋ねると

「今教会でバザーやってるんですけどいかがですか」

「バザーですか…」

よかった。マバンヤさまに祈りを捧げろとか壺を400万円で買え、とかじゃなくて…。しかし娘・R(5才)の幼稚園バザーに行ったばかりであるのでどうしよっかなーと考えていると

「お子さんが遊べるスペースもありますよ」

とのことなのでRと息子・タク(3才)を連れてまっしぐらに行くことにした。

その教会はドラクエに出てくるような中世的な建築物ではなくふつーのビル。

お父さんは心配症
中はこんなんだったらやだなあ…とちょっとだけびびったが、中もふつーのビル。エレベータで4階に上がると

Rタク
「うわお」

そこはおもちゃ満載の子供遊び場となっていた。ショッピングセンターによくある、20分200円とか取る子供広場よりもおもちゃが立派でなおかつ広い。こんなところにこんな凄い子供の遊び場があるとは…。

「今度から雨の日はここで子供達を遊ばせようぜ」

と嫁に言うと

「えーでも勧誘されそうだし…」

よく創価学会のカモになっている嫁は警戒していたが、僕がちょっと目を離した隙に

「日曜とか礼拝がありますんで是非…」

先ほどの美人にチラシを渡されていた。大丈夫かおい。うち真言宗だぞ。

さて、バザーは隣のこれまた広い部屋で開催されており、

「なんか…豪華だね」

「幼稚園のとは全然グレードが違うね」

幼稚園のバザーよりも全然モノがいいのである。キリシタンなせいか舶来品も多い。

「こちらにおもちゃもありますので…」

と先ほどの美人の指差す先には豪華なおもちゃの品々。Rとタクも目を輝かせていたが、特に惹かれたのが

「あ、これすごい」

白雪姫のドレスがなんと1000円。トイザらスで買ったら3000円ぐらいするはず。

「Rちゃん、これ欲しい?」

「ほしいー」

早速試着させてみた。しかし悲しいかな、ちびっ子のRには大き過ぎて裾がだいぶ余ってしまい松の廊下状態。

「あら、かわいいですわネ」

と先ほどの美人。ずっと尾行されているようであり、丸井の店員か。

「うーん、欲しいんですけどこの通りサイズが大きくて」

美人は僕の言葉に答えることなく、ウフ…と微笑んで去って行った。さっきからずっと美人だなあと目を奪われていたのだが、特にその素振りがなんとも優美だったので

「き、綺麗だなあ…」

思わずそう呟いてしまった。

「きれいよねー」

とR。

「あ、ああ、ドレス、綺麗だよね」

慌ててフォローする僕。

あの美人は単なる勧誘の人かと思っていたが、実は天上から舞い降りた聖母なのかもしれない。

バザー・テレサ。なんつって。

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