←ちょっと奥さん、押してって!栃木の実家に帰った土曜日。
嫁は予告通り
「後から行くから」
謎の単独行動をするようであり家に残ったままであった。僕は娘・R(5才)と息子・タク(3才)を連れて電車に乗った。なんか離婚しちゃったような気分であった。
「ねえママは〜?」
「後から行くんだってさ」
「なんで〜?」
「知らんがな」
僕が聞きたいっつうの。栃木の駅に降り立つと母が車で迎えに来ていた。
「あれ、嫁さんは?」
「知らんがな!」
僕が聞きたいっつうの!
実家に帰る途中にタクのバースデーケーキを買う。夜にバースデーパーティーを行なうのだ。実家に着いてまず父の仏壇にローソクを灯して手を合わせる。嫁が無事帰って来ますように。
「R、タク、君らものんのんしなさい」
「えーやだーん」
僕らには祈ることしか出来ないのに、何も知らない子供達。
午後2時頃、嫁が栃木駅に着くと言うので迎えに行った。駅で待っていると、僕の高校生時代から変わらないセーラー服の女子高生にゲラゲラ笑われた。「アキバ系」と書かれた僕のパーカーが面白かったらしい。可愛い子だったのでとりあえず相手して時間を潰すことにする。
「そんなに面白いかい。わりと色んなところで売ってるんだけどね…」
「あ…はい」
「君は栃女?栃商?」
栃女と栃商というふたつの高校は同じセーラー服なのである。
「栃女です!」
「へー。僕は栃高だったんだよ」
と言うと「ああやっぱり」みたいな顔をされた。分かっちゃいたけど僕の高校ってそういう目で見られてたのね…。
しばらくすると嫁がノコノコ現れたので拾って行った。特に何か変わったことや雰囲気は見られなかったが、結局単独行動の理由は今もって口を割らず、謎のままである。
夜になってタクのバースデーパーティー。ローソクを3本立てて火を灯し、ハッピーバースデーの歌を合唱。そして
「ほら、ふーって火を消してごらん」
タクは一気に火を吹き消した。ケーキを食べたくてウズウズしているのである。それからケーキを切ってあげると、タクもRも特徴的な食べ方をして面白い。
タクはイチゴを全部除けて食べる。Rは生クリームを全部舐めてから残りを食べる。お前らどっちかでもまともな食べ方をしろよ…と思ったが僕も子供の頃は生クリームを全部取り除いてから食べていたことを思い出し、ブラッド・キャント・バトルである。
翌朝、
「今日はおじいちゃんの命日…命日っていうのは死んじゃった日のことだよ。だからな、のんのんしようね」
またローソクに火を灯したところ
「ふーしていい?」
タクが火を消す気満々であった。命日と誕生日を混同しているようであり、僕はより一層願いを込めて父に手を合わせたであった。
父よ、どうかこの哀れな息子家族を暖かくお守り下さい。このローソクの火のように、父から僕、僕から子供達へ命の灯火は受け継がれて行きます。僕らはマヌケでありますけれども、それもあなたから受け継いだ遺伝子ってことでひとつ…。
これをメンデルのローソクといいます。
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