←ちょっと奥さん、押してって!ラーメン屋で昼飯を食べた土曜日。
僕がつけ麺を頼むと息子・タク(2才)が
「らーめん、つけめん、ボクいけめん!」
お約束のように叫び、自分のラーメンが運ばれて来ると
「すたっふぅ〜。ちっちゃいお皿くださーい!」
もう穴があったら入りたくなった(入れさせてくれる穴募集中。みだらな意味で)
ヤケにテンションが高いなあと思っていたらやはり眠かったようで、食べるだけ食べると嫁の胸の中でガーガー寝てしまった。腹が減ったら食い、眠くなったら女に抱かれて眠る。最高の人生ではないか。
飯を食い終わると嫁は美容院に行くという。ストパーをあてるので4時間ぐらいかかるそうだ。だから僕は娘・R(5才)と寝ているタクと留守番である。タクが起きない限りはどこにも遊びに行けないし…と考え
「Rちゃん、みんなで昼寝する?」
と革命的な休日の過ごし方を提案すると
「あなたは寝ちゃダメ!あなたが一番寝たら起きそうにないんだから!」
嫁から釘を刺され、嫁は美容院に出掛けて行った。残された僕はタクを布団に寝せてRと遊ぶことにした。
「Rちゃん、何して遊ぶ?」
「お絵描き」
しこしことプリキュアだアンパンマンだと描いていると予想通り僕にも睡魔が襲いかかる。僕は万年寝不足なのである。
「Rちゃん、パパも寝ていい?」
「いやあん、寂しい」
一応聞いてみたが当然Rはそれを許すわけもない。ああ、タクが羨ましい。我慢に我慢を重ねていたが意識が朦朧とし、アンパンマンを描いているつもりでも棲星怪獣ジャミラのようになってしまい
「それアンパンマンじゃない!」
Rにダメ出しを食らい最早これまで。30分後にケータイが鳴るように設定して
「ごめん、ちょっとだけ眠らせて」
「えー。しょうがないなあ。もう」
妙に大人ぶったRの反応にちょっと萌えつつ
「タク、パパもすぐそっちに行くからね…」
すぐに眠りに落ちた。
30分後。ケータイアラームが奏でるPerfumeの曲でちゃんと起きた僕は偉い。
「あっ。パパ起きた!」
「すまんねR。じゃあまた遊ぼうか」
「寂しかったよう」
「ごめんね。でもママには内緒ね。言うとパパだけ君達と別々に暮らさなきゃならなくなるかもしれないからね…」
とRを諭し、
「タク、君もそろそろ起きようね!」
タクも起こして3人で外に遊びに行ったのであった。
夕方、予定の4時間を余裕でオーバーした嫁は麗子微笑像のような頭になって戻って来た。高い金と長い時間をかけてそれか。もしやそれは毎夜の如く夜這いする「夫除け対策」なのだろうか。しかし思い付いたままそれを口にすると災いの元になるので何も言いますまい。
「みんな何して遊んでたの?」
あたふたと夕飯の支度に掛かりながら子供達に聞く嫁に
「パパもたっくんも寝ちゃって寂しかったよ〜」
R、あれほど言っちゃダメだとって言ったのに…。嫁はますます麗子微笑像のような不気味な笑みを浮かべ
「やっぱり寝てたのね、あなた…」
その恐ろしい顔は僕に性的な意味でしばらく立てないほどのショックを与えるのに充分であった。天網恢々疎にして漏らさずとはまさにこのこと。
はあ…ちんちんかいかい。
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