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■Nice to "SEA" you.
2008年07月27日(日)
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海に行くことにした。

毎年夏になると

「エメラルドグリーンの海に行きたい…」

と汗をかきながら蠢いている僕と嫁であるが、毎年行けるのはエメラルドグリーンではなく爆走族で名高い、いてまうどグレーの湘南である。

「どこ行く?」

と首をかしげる嫁に

「いざ鎌倉」

鎌倉の由比ヶ浜海岸にしようと僕は答え、電車に乗った。

「そういえばさっき駅前に『萌え萌えナイト』って貼り紙してあるお店を見たのよ」

「あー。あれねー。そういうサービスデーなんだよ」

「うちの街にもそういうお店あるのね」

「3軒あるよ。ゲーセンの裏と、果物屋の隣と、あとその店」

「そんなのあるの?」

「そこで彼女見つけた奴もいるからな。僕の周りだけでもホマレダ君とツメちゃんとマサトと…」

「へえ〜」

「つまりウチの街のキャバ嬢はお股が緩いという結論が…ってそりゃ鎌倉じゃなくてキャバクラでんがな」

長いノリツッコミだった。要は僕らははしゃいでいたのである。

いざキャバクラ
(※帰りに撮った「萌え萌えナイト」)

娘・R(4才)と息子・タク(2才)も当然大はしゃぎ。海に着くまで元気に歩いていた。ところが

「さあ、着いたよ!」

水平線が広がる海のパノラマを目の前にしたら、ふたりとも急に憂鬱そうな表情になってしまった。

「みんなで海に入ろう!」

「…やだ」

「たっくんもやだ」

ふたりともテンション急降下で超ノリが悪い。

「…怖いんだね?」

「うん」

そうなのだ。Rもタクも毎年海を怖がってなかなか慣れてくれないのである。先週行った子供向けプールなどは我先に飛び込んで行くのにこの違いは何なのだ。

※子供用プールと海との違い

1.海は水がしょっぱい
2.海には波がある
3.子供用プールと違い、海にはたわわなおっぱいギャルがたくさん

「3」は僕にとって重要なだけで関係ないが、海水の塩辛さと波が苦手なようである。

「ま、とりあえずパラソル借りるか…」

砂浜に陣取って、貸しパラソル小屋にお金を払った。するとパラソルとシャベルを持った兄ちゃんがやって来て

「パラソル担当の木村でっす。よろしくお願いします」

挨拶をして穴を掘り始めた。パラソル担当ったってアータ、君んとこパラソル貸ししかしてないじゃん…と思ったのだが礼儀正しい態度を評価し、何も言わないでおいた。

ざくざく掘り進める木村君…僕はそのさまをぼーっと眺めていると、おいしそうなビキニギャルが彼の後ろを通ったので、つい

「若いビキニはやっぱりいいなあ…」

幸せだなあ…みたいな若大将の口調で呟いてしまった。やべえ木村君に聞かれた、と慌てたら…

僕の視線を追って振り返っていた木村君。

この仕事してるならビキニなんて毎日見てるだろ木村君…。
もしかしてむっつり助平なのかい木村君…。
もしかして本名は拓哉なのかい木村君…。
それともラッシャーなのかい木村君…。
学校でのアダ名は絶対そのどっちかだったろ木村君…。
おっと、僕のクラスに庄之助って呼ばれていた奴もいたよ木村君…。

木村君はパラソルを立て終わると小屋に戻って行った。

着替えも済んで、よし、泳ぎに行こう、ということで

「パパと一緒なら怖くないから、海に入ろうよ〜」

もう一度Rとタクを誘った。しかしふたりは

「お砂で遊ぶー」

海に入ることを全力で拒否し、砂浜でしか遊ばない。

「お砂遊び、楽しい?」

と聞くとふたりとも楽しいという。しかしお砂遊びなら近所の公園で事足りるのである。

Rとタク
…あんまり楽しそうじゃない写真が撮れてしまった。

「ねえ、ちょっとは海に入らない?」

「やだ」

再度海に誘う僕の言葉も無視してひたすら砂で遊ぶ子供達。一体どうやったら海に入ってくれるのだろうか。

海の彼方には水平線が広がっていたが、
我が家は平行線なのであった。

(なんと続きます)

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