| 2006年03月09日(木) |
虹を見つけたら教えて(前編)の日 |
ちまちま書いてきた突発・読み切り・短編集「虹を見つけたら教えて」もついに 最後の1話となりました(連載じゃないのに最後の1話というのもあれですが) で、例によって例のごとく、長くなったので真っ二つ。今日は前編をどうぞ。
それは、いつかきいた御伽噺
虹になった天使たちのおはなし むかしむかし、天使の争いがあって 大切な人のために、天使たちが虹の橋をかけました 自分たちの命と引き換えに 天使は七人 だから虹は七色あるのです
それは御伽噺 他愛のない作り話 けれど、虹を見るたびに思い出す 俺の大好きなおはなし
だから…
虹を見つけたら教えて
「俺、テニス辞める」
たくさん練習をした
「はぁ?ジロー、なにいってんだよ?」 一番はじめにツッコミをいれたのは、氷帝学園テニス部レギュラー陣1の現実主義者である岳っくん 親友でもある岳っくんは、俺の突拍子もない行動にも慣れているようで、さっさと思考を切り替えたみたいだ 「あのね、俺、テニス辞めるの」 俺はもう一度言う たくさん練習をしたんだ 「はぁ?」 「ジロー、どないしたん?」 次に声をかけてきたのは、岳っくんの相方で、頭の回転が速い天才・忍足 少し困ったように笑うのは忍足の癖だ 困ったように笑って、俺のほうを覗き込むように見る 俺はもう一度言う 「テニス、辞めるんだってば」 「はぁ…」 「ジロー、くだらねぇ冗談いってる暇があるんだったらさっさと準備しろよ。珍しく起きてるんなら、練習しろ」 ため息をついた忍足のかわりに、口を開いたのは、幼馴染の一人・亮ちゃん 亮ちゃんの隣では、チョタが少し不思議そうに俺たちを見ている、今日も無駄にでっかい 俺もため息をつきたくなった たくさん練習したのに 「お前ら、いつまで喋ってるんだ?」 そのとき、扉が開いて声 逆光を背負って立っているのは 「跡部」 「あーん?」 不機嫌な顔をして跡部が入ってくる 後ろから樺地もオマケ 「ちょうどよかった。跡部、ジローが変なんだよ」 「は?ジローが変なのはいつものことだろうが」 「そうやけど、いつも以上におかしいんや」 「あぁ?ジロー、なにしたんだ?」 「なんか、急に、テニス辞めるとかいいだしてよ」 「…」 ふと、跡部の表情が険しくなる 俺は小さく息を呑んだ ざわざわ がやがや 喧騒を残して、みんなはそのまま部室を後にする 「樺地、お前も先にいってろ」 「…ウス」 樺地は少し心配そうにこちらへ一度視線をやると、そのままいつもの返事をして、出て行った 俺と跡部が残される やっぱり みんなは俺にだまされてくれたけれど 跡部はそんなに俺に甘くはない ドキドキ… …あぁ、心臓の音がうるさいな けれど、ここで跡部を攻略できなくちゃ せっかく練習した意味がなくなってしまう 「ジロー」 「なに?」 俺はつとめて、平静を装った ここで、跡部にバレたらおしまい 「どういうことだ?」 「…どういうこともなにも、テニスを辞めるの」 「…」 「…」 俺と跡部は無言で視線を交わす 深い青空みたいな跡部の瞳 綺麗だけれど、怖い 「もう、決めたんだ」 俺は先手を一つ打った 卑怯なところに 喉が渇く まるで試合をしているときみたい ふと 意識が遠くなって、俺が二人いるのが見えた このまま上手く言って欲しいと願う俺と それでもどこかで、跡部を信じている自分と けど けどね、やっぱり 人間がそんなに便利に出来ているはず、ない
「そうか」
跡部は失望したようにそういうと、踵を返した 背中 ずっと、ずっと小さな頃からみてきた跡部の背中 大きくて、優しくて、広く、尊い もう二度と届かない背中 跡部 なぁ、跡部… 声をかけたいのを必死で堪える 振り向いて欲しいけれど、振り向かないで 君はそのまま真っ直ぐに
「なら、さっさと荷物をまとめて出て行け。ここは、テニス部の部室だ」
「うん…」
振り向かないで まっすぐに どこまでも、自分の道を進んでよ 俺の分までとはいわない 跡部が望む跡部の道を、跡部として精一杯…
「跡部」
「あーん?」
「最後に、俺と、テニスしてくんね?」
「…バカだろう?」
うん、バカだ 俺は跡部の答えをしっている 振り向いて欲しくないと願いながら それでも 俺を見て欲しいと想ってる 跡部が
「そんな無駄な時間はねぇんだよ」
そう答えることも知っていた 先手を打ったのは、俺だ そういう言い方をすれば、跡部はもう、俺になにもいわないとわかっていたよ 幼馴染で、ずっと一緒で、誰よりも傍にいて なんでもわかるけれど わかりすぎるっていうのも、いいことばかりじゃぁ、ない
「そっか…」
「じゃぁな、ジロー」
「うん」
バタン 扉が、音をたてて、閉まった
だから 「バイバイ、跡部…」 俺のつぶやきは、跡部には聞こえなかったろう 振り向かないでいってくれて、助かった おかげでバレなくてすんだから 俺は涙を袖で拭うと、ロッカーの荷物を整理した 中身を全部だしあとで、拭き掃除をして、占める パタン 「今日まで、ありがとうございました」 ロッカーに御礼 バタン 部室に御礼 そして、みんなが練習しているコートにも一礼
ありがとうございました
ねぇ、お願いがあるんだ 虹を見つけたら教えて
「どうして?」
不二はだまされてはくれませんでした
「…」 「理由をきいてもいいかな?」 しかも、不二のほうが俺よりも上手 聞いた後で、そう尋ねてくるなんて 逃げ道がひとつふさがれる 「答えなくちゃダメ?」 「ダメってことはないけれど、知りたいな」 「…」 「だって、僕…芥川くんのテニス好きだから」 不二は卑怯だ にっこりそんな優しい笑顔でいわれたら 「それに、芥川くんが本当にテニスが好きだって知っているから…知りたいよ」 もう逃げられないじゃぁ、ないか 俺は観念して、ため息をひとつ まぁ、いっか それに、不二には協力してほしいこともあったし 「じゃぁ、話すけど…不二」 「ん?」 「俺の話を聞いて、納得してくれたら…頼みたいことがあるんだ」 「…いいよ」 俺は一通りのことを不二に話した とても簡単なお話 だから、俺でもちゃんと説明できたと思う 不二は少し考え 考えてから 「そう…」 小さく、小さく、つぶやいた あまりにも小さくて それがどういう意味の言葉だったのか、俺にはわからなかったけれど 「跡部たちは、このこと、知っているの?」 「…ううん、言ってねぇ」 「聞かれなかったから?」 「…俺が、聞かれないようにしたんだ」 たくさん練習をして 嘘のための練習 ちょっと冗談めかして言った言葉 ”俺、テニス辞める” 岳っくんや、忍足たちは、なにかの冗談だと思ってくれた ううん、そう思ってもらえるように、そういう風な言い方をしたんだ 流石に、それだけじゃぁ跡部はだませなかったけれど 跡部はそんなに俺に甘くはない 俺が本当にテニスを辞めるのだと悟った だって、跡部だもの 幼馴染で、ずっと一緒で、誰よりも傍にいて なんでもわかるけれど わかりすぎるっていうのも、いいことばかりじゃぁ、ない だから、先手を打たせてもらった ”もう、決めたんだ” そういえば、跡部はもう、俺になにもいわないとわかっていたから なにも聞かないって知っていたから …ごめんな、跡部… 「…あのね、芥川くん」 「…」 「僕は、それでもやっぱり、納得したわけじゃぁ、ないけれど」 「…」 不二はちょっと困ったように笑った いつも優しい笑顔を浮かべる不二の、そんな笑顔は初めてで そんな悲しい笑顔をさせてしまったことに、ちょっと、胸が、痛む 「でも、君の気持ちもわかるから…」 不二は一度として、俺から瞳を逸らさなかった だから、俺も視線を逸らさない そらせない だって、俺だって、本気なんだ もう、引き返すことはできないんだよ 「…おつかれさま」 「ありがとう、不二」 「それで、僕に頼みたいことっていうのは?」 「あ、うん。あのさ不二ってたしか…」
虹を見つけるたびに思うことがある 命を賭けて虹になった天使たちのはなし 彼らは怖くなかったのだろうか? 大切な人のためでも それと同時に、うらやましくもあった 命を賭けられるほど、大切なモノがあるのなら 虹を見るたび、想う
「ジロー!」 教室の戸口で、そんな声がした (あー、そろそろだと思ったけど) 予定よりも1.2日ほど、早い まぁ、予定は未定だし そんなことを思っている間に、ズカズカと岳っくんは中にはいってきた 俺の目前に、立つ 「どういうことだよ?!」 「なにが?」 首をかしげて、たずね返す すこしわざとらしかったかな? そんなことを思うけれど、怒っている岳っくんは気づかなかったみたいだ 「部活!辞めたって…」 「…あぁ」 「あぁ、じゃねーよ!」 「だから、言ったじゃん…”俺、テニス辞める”って」 勤めていつもの俺を装う 「…〜っ」 ぐっと、岳っくんが、こぶしを握り締めた 「そんなの、俺は、ゆるさねーからな!」 「岳っくんに許してもらうようなことじゃねーし」 「っ?!」 殴られたような表情 (ごめんな、岳っくん) 俺は小さく心の中で謝った 謝ってすむようなことじゃないし 君に伝わらなければ、意味のないことだけれど 「まぁ、そういうわけだからさ」 俺は有無をいわさないように、にっこりと微笑んで、みせた 「…跡部っ!」 岳っくんは、耐え切れなくなったのか、同じクラスにいる跡部の名前を呼ぶ けれど 「跡部、なにおちついてんだよ?ジローを止めろよ!」 ごめんな、岳っくん 俺はもう一度、謝る 跡部は、もう… 「必要ねぇよ」 「なっ…」 「ジローが決めたことだ。なら、俺たちの口出しすることじゃねぇ」 「それでいいのかよ?!跡部っ!」 「もう、俺には関係のないことだ」 「跡部…」 岳っくんは、もう一度俺を見る キツイ眼差しが俺を射抜いた 眠そうな、いつもの俺のふりで、それをやりすごす 「ばかやろうっ!!」 怒声がひとつ そのまま、岳っくんは教室を飛び出していった ほぅっと、ちいさく、ため息 ざわざわ… クラスが騒がしくなる 俺は欠伸をひとつ そのまま、眠そうなフリで席をたつ さぼる素振りで、岳っくんがでていた方向とは逆の戸口へ 「お前には失望したがな…ジロー」 跡部の隣を通るとき、そんな言葉が聞こえた
屋上へ向かう途中の廊下 珍しい表情で、立っていたのは
「忍足…」 「どこいくん?」 「さぼりー」 「ふぅん」
忍足は答える いつも、どこかしら笑っている印象のある忍足 けれど
「岳人がそっちいかなんだ?」
今はちっとも笑っていない
「きたよ。ばかやろうって言われちゃった」
「まぁ、言われてもしゃーないわな」
忍足は口元を緩めた 笑っているような顔 でも、全然、笑ってない 怖い 笑ってない忍足は、怖い
「テニス辞めるんやって?」
「だから、あの時、言ったじゃん」
跡部と同じように先手を打った 忍足は馬鹿じゃない だから
「ほうか…」
そして、賢くもない 何も聞かない わかってはいるけれど、ちょっと辛いな そう仕向けているのは俺なのに 腹がたつとするなら、弱い、自分自身へだ その反面、やっぱり、みんなには申し訳なく、想う だましてごめん だまされてくれて、ありがとう
「俺はなんも聞かんよ」
「…」
「そう決めたんやろ?」
「うん」
「なら、なんも言わん」
忍足は怖い だって、知っている ののしられるよりも、それが一番、きついってことを 知っている上で、そんなことを言うんだ 容赦なんてしてくれない
「じゃぁ、さいなら。ジロー」
まるでそれが、今生の別れであるかのように忍足はいった そのまま俺の横を素通りしていく うん
「ばいばい、忍足」
忍足の背中に、俺は小さくそうつぶやいた その言葉が届いたどうかは、知らない
屋上へ出る コロリと横になった 空が蒼い きれいに晴れ渡って、落ちてきそう 俺は目をつぶった 眠るふりをして
すこしだけ、泣いた
ソレを 幸運ととるか、不運とするか 人によるといえばそれまでだろうけれど 「幸運だよ」 迷うことなく、そういった だから
「そうだね、それはラッキーだ」 しばらく考えて、千石はそういって、笑った 「でしょ?」 「うん」 にこにこと変わらない笑顔でそのままうなづく そして 「じゃぁ、俺も協力するよ。とりあえず、一試合どう?」 「いいの?」 「もちろん」 「よーし、がんばるぞー」 「負けないよ。不二くん、じゃぁ、ジローくん、ちょっと借りるね」 「ふふ、ちゃんと返してね…芥川くん、千石は強いよ?がんばって」 「おっけー」
幸運と不運の定義はあいまいだ しょせんは確率の問題なのだから めったに起きないことを引き寄せる能力を運と呼ぶのなら 幸運と不運は常に同じところにある
「千石、今日はありがとう」 すっかり日も暮れたころ 「どういたしまして」 そこに不二がやってくる 「さ、帰ろうか?」 「首尾は?」 「上々」 にこりと笑った不二に、笑顔を返して 「ジロー君」 「うん?」 名前を呼ばれて振り向いた 「はい、これ」 「…なに、これ?きれーだけど」 「ラピスラズリ。俺のお守り。貸してあげるよ」 「へ?くれんじゃねーの?」 千石はいたずらっ子のように笑った 「ダメダメ。貸してあげるだけ。だから…」 ふと、笑いが止む それでも笑顔は崩さずに 「だから、ちゃんと俺に、返してね」 「…わかった」 俺は千石にもらったお守りを力をこめて握る 「んー、なんか不思議な気持ち」 「ラッキー千石さんのラッキーおすそ分けだからね。効くよ〜」 「まじまじ?!すっげー」 幸運のアイテムをゲット 俺はとても幸運
あの御伽噺だってそうだ 命を捨てて虹になってしまったことは不運かもしれないけれど 命を捨てても良いと想える存在が有るということは、幸運で それを、他人が決めることはできなくて 「幸運だよ」 そう答えることができたなら きっと、しあわせ
ふと空を見上げると、虹がかかっていた 綺麗な虹 7色の 虹を見るたび、思い出す話がある
すこしだけ、怖くなくなった
「ジロー」 「亮ちゃん…」
今日もぼんやり屋上でさぼっていると、亮ちゃんがやってきた 隣にはいつものようにチョタがいる
「お前、俺らにいうことはねーのかよ?」 「…ないよ」 「…」 「…」
俺と亮ちゃんは無言で視線をかわす 跡部と同じように、気がついたら、もう俺のそばにいてくれた亮ちゃん けれど、いまは、とても遠く感じた
「跡部は、お前を信じていたんだがな」 「…」 「…それでも、いうことはねーのか?」 「ないよ」
だって、俺の話はあの時に終わったんだ こう言ってしまうのは酷かもしれないけれど もし、何かいえるとしたら あの時だけだったんだよ
「…なら、もういい」 長い長い沈黙があって 亮ちゃんはそういって、諦めてくれた 「宍戸さん…」 「いくぞ、長太郎」 「でも…」 「いきなよ、チョタ」 「ジロー先輩…」 「ばいばい」 俺は手を振る これ以上は、もう話す必要はないという意思表示 その俺の意図をとって 亮ちゃんとチョタは屋上からでていった
お願いがあるんだ とても簡単で でも、とても難しいこと
虹を見つけたら教えて
「六角っておもしれかったなぁ」 「ふふ…」 「不二の幼馴染も、すげぇ強かったし」 「サエかい?」 「そうそいつ。不二と似てる奴」 「…そうかな?」 「あと、うちの準レギュを100人倒したってやつ、あいつも凄かったー」 「天根くんだね」 「ギャグは寒かったけどな!」 帰りの電車 ガタゴト揺られて そんな会話 「この前の、不動峰も楽しかったし…あの橘って奴さ、流石は亮ちゃんを倒しただけのことはあるよな」 「ふふ、そうだね。彼は強いよ。僕も一回、やったことがあるけど」 「あとは…ルドルフの…不二の弟もまた強くなってたし」 「うん。裕太はまだまだ強くなるよ」 「兄貴立場ねーな!」 「兄の威厳は守って見せるよ」 ガタゴト 電車は揺れる 少し冷たい夕焼けの陽 ガタゴト 「あのな、不二…」 「うん?」 「あんさ、わがままついでに、もうひとつお願いがあるんだけど…」 「なんだい?」 ガタゴト 「最後の試合はさ、不二とやりてーな」 「…僕でいいの?」 ガタゴト 「…」 「本当は、跡部とうちたいんじゃないの?」 「…」 「…」 ガタゴト 電車は揺れる 俺たちをのせて 「跡部はさ、振り向いちゃいけねーの」 笑って見せる 「…」 「跡部の代わりじゃ、やっぱダメ?」 「いいよ。芥川くんが、僕でいいのならね」 ガタゴト 電車にゆれるフリをして、俺は不二の肩に頭を預けた ほぅっとため息 「ごめんな、ありがと」 「うん」 電車は進む 前へ、前へ… みんなも進む 俺も進む たとえ、道はわかれようとも
それは御伽噺 他愛のない作り話 けれど、虹を見るたびに思い出す 俺の大好きなおはなし
虹を見なければ、思い出せなかった、おはなし
「芥川さん」 本屋を出たところで、声をかけられた うっわー、すげー珍C− 「あれ、日吉?」 おかしいな、今日は部活があったはずなのに 「サボリ?だめじゃん」 「…あなたにはもう関係のないことです」 「…」 おっとびっくり まさか、日吉にそんなコミニケーション能力があるなんて しまった、と後悔したときにはもう遅い 「随分とあちこち派手に遊び歩いているそうじゃないですか」 「…」 「部活はやめたくせに、他校では打ってるそうですしね」 「へぇ、よくしってんね。もしかして日吉、ストーカー?」 「まさか。先輩たちの話を聞いただけです」 「…そっかぁ」 てっきり無視されて終わりだと想っていたのに 話はずいぶんと弾む 嫌な方向へ 日吉対策はとってなかったな 「先輩たちを裏切って、自分は自由気ままのその日暮らしですか、うらやましいですよ」 「…へへ、いいだろ?」 悪者になるなら徹底的に 「ちなみにこれからデートなんだぜ」 「…そうですか」 「ほら、貢物までバッチリ」 先ほど、レジで包んでもらったプレゼントをみせる 「…」 日吉はなにもいわずに、後ろを向いた そのまま去っていく
振り向くことなんてしなくていい それでいいんだ それで正解 どうか前を向いてよ 振り向かれたら 俺が泣いているのがバレちゃうじゃないか
ナルニア観てきましたー。 おもしろかったです。 まぁ、気の聞いた感想もいえないのですが ちょっと気になってる方は、とりあえず見に行くことをオススメ。 ハリポタの1作目は原作に忠実すぎて映画としてのオリジナリティが足りない といわれていたと聞きますが、それ以上に原作に忠実に作られてました。 ディズニーということで、指輪物語よりも、日本人受けはしそうです。 7部全部作ってくれるのかしら?この出来なら作ってほしいな。 個人的には、予告でみた「トリック-劇場版-2」が気になってます。 あの学者の人が、迷わず「アフリカ」って書いたほうへいくところが(笑) 一緒に見に行ったひさぎは「ゲド戦記」が気になるといってました。 って、そういえば「指輪物語」「ナルニア国物語」「ゲド戦記」と3大 ファンタジーは全部映画化されたことになるんですね。 個人的にこの3作の中ですきなのは「ナルニア」ですが。
まぁ、とりあえず、実は一度もトリックをまともにみたことがないので 劇場版がはじまる前に、一回みときます。
おっと、ドラえもんもみにいかなくちゃね★
もう少ししたら、しんちゃんもありますし、小五郎ちゃんの活躍いかんによって はコナンも見に行きたいところです。 パイレーツ・オブ・カリビアンもいかないとね。
今年も見たい映画がいっぱいです
昨日の今日で申し訳ないのですが、テニプリの突発・読切小説格納庫を わけました。氷帝(というかジロ受)メインとその他メインと。 本当は話数の多い「もしも明日が晴れならば」のほうをその他メインに するつもりだったんですが、話数26だったんでorz。負けた(笑) で、それにともなって、「終末」にUPしていた昨日のSSも「もしらば」 の方に移動しました。タイトルも変わっております。ご注意を。 「虹を見つけたら教えて」は、できたら今週中くらいに。がんばります。 いやはや、あわただしいサイトですいません。
昨日UPしたSSは、あれです。いわゆる慈郎×ジロー ネタだったわけなのですが、ありそうでなかなか見かけませんね。 (まったくないというわけでもないですけど) 昔はあったんでしょうか?(テニプリはこれがあるからなぁ) 漢前慈郎と、癒し系ジローと2人もかけてとっても得した気分です(笑) 今回は不ジロだったので、意図的に抜いたのですが、跡部とジローとか 宍戸さんとジローとか。ネタはいっぱいでます。いっぱい書きたい。
明日はナルニアを見にいってきます。 …探さないでください(笑)
今日の話は昨日の続き! まずは昨日の分からお読みくださいv
「慈郎とジロー、なぁ」 扉一枚を隔てた場所での会話 「で、あれは慈郎の方なんや」 「…」 「どないしたん?」 「いや、やけにアッサリ信じるんだなと思って」 宍戸が少し意外そうに返す さらに苦笑をリターンで 「まぁ、普通なら疑うところなんやろうけど、あの試合を見せられたあとじゃなぁ」 試合をすれば相手のことがわかる それはジローの口癖のようなものやった いつもはただ聞き流しとったそれが まさか、こないなところで証明されるとはな わかったことはひとつ 慈郎は強い けれど、テニスを楽しんでは、いない あれは、綺麗で、よく切れるくせに、めったに使われない、装飾用のナイフだ 「つーかよ、それじゃぁ、ジローはどうなったんだよ?」 岳人が心配そうに口を挟んだ 「まさか、このまま、ずっとアッチの慈郎のままっていうんじゃ…」 「それは無ぇと思う」 「言い切れるのかよ?」 「…慈郎はあれで、ジローの方には忠実なんだ、だから………」
「試合がおわれば、ジローを起こすよ」
「?!」 渦中の人物は扉のところで、小さく手をふった ひらりひらり その隣には、跡部の姿も
「慈郎!」 「よぅ、宍戸。久しぶり」
にこにこと笑顔を絶やさず、慈郎が中にはいってくる 跡部が一歩遅れて、続いた コツコツコツ きっちりとした革靴の、音 言われてみれば、歩き方が違う ジローは、まるで歌うように歩く 「お前が慈郎なん?」 「そ。慈郎。まぁ、短い間だけどよろしく」 「短いって…」 「言ったろ?試合が終われば、ジローを起こすって」 「試合…今週末の、青学戦との練習試合のことか?」 「ジローは?あいつ、どうしてるんだよ?」 「寝てるぜ。ちょっとへばっててさ、深く深く眠ってるよ」 トントン 軽いこぶしをつくって、慈郎は自分の胸を叩いた 「寝てるって…」 「安心し、岳人」 「…ゆーし?」 俺は言葉で岳人をなだめながら、慈郎へ視線をむける 笑顔を崩すことはない 「多重人格いうんは、めちゃくちゃなようで、絶対の決まりごとがいくつかあるんや」 「きまり、ごと?」 「たとえば…下の人格は、上の人格には逆らえん。この場合は、慈郎が下で、ジローが上やな」 「…それってつまり、ジローが、こいつを抑えて出てこようと思えばでてこれるってことか?」 「そういうことやね」 うなづきながら それはつまり、いいかえれば (ジローが起きるんを拒否しとるってことか) なにがあったんかは、わからんけど 「天才サマは話が早くて助かる。明日からの練習、よろしくな」 「…自分、随分強いんやね」 探るような俺の言葉に答えたのは 「当然だ」 「…跡部」 「なぁ、俺、ずっと前から聞いてみたかったんやけど」 それはちょうど良い機会のように思えた この氷帝学園にきて テニス部にはいってから、ずっと、疑問におもとったこと
「跡部とジローって、なんやの?」
ずっと不思議におもとった 幼馴染というのは聞いている けれど、それは宍戸も同じこと だが扱いは圧倒的にジローが特別やった 誰もそれを不思議に思わんのが、不思議やったんや その答えは
「俺は景吾の代替品なんだよ」
驚くほど簡単に、慈郎の口から 「代替品?」 「そ。跡部景吾の代替品。身代わり、影、半身、いろいろ言い方はあるけど」 「…」 「ほんまなん?」 「…あぁ。ジローは生まれる前からそう決まっていた」
跡部という巨大な組織を背負って立つ犠牲者への供物
常に良き理解者であり 時間を共有する友人であり 互いを補い合う伴侶であり 自己を磨きあう好敵手であり 重責を分かち合う補佐であり 成長を確かめる鏡であり 欠点を正すための反面教師であり まるで兄弟のようであり 命を賭す護り屋であり そして…
万が一の場合の代替品
それが
「それが、慈郎か…」
「そういうこと。景吾も俺も、そういう風に教育されて、育ってきたんだ まぁ、景吾と違って、俺はちょっとばっかし、人為的な力が加わってるけどな」 「なるほど、なら自分は、跡部の代替品であると同時に、跡部への切り札でもあるんやな?」 巨大な存在が生まれるとき、それに相反する存在が必ず生まれるという 慈郎は跡部景吾という存在のために、無理矢理作られた相反する存在というわけか 「そんな…人を、モノみてぇに」 「モノだぜ、ジローは。跡部景吾のためだけに用意された、跡部景吾のモノだ」 「…っ?!」 「組織を背負うというのは、そういうことだ。お前らに、理解しろとは言わねぇよ」 「跡部っ」 「岳人、よしとき…そういう世界もあるんや」 「そういうこと。別に、俺も、ジローもそれを不満におもっちゃいねーよ。将来安泰だし?」 「まぁ、跡部財閥の総帥補佐なんて、なりたくてもなれんやつらが圧倒的に多いやんなぁ」 「それに俺もジローも、景吾のこと好きだしな。たとえそれが、そうなるよう仕組まれた感情だろうと」 そういうものだったんやろう 生まれた時から、いや、もしかしたら生まれる前から決められていたこと なら、それが普通で当然なんや。跡部とジローらにとっては 「ふぅん…これでやっと謎が解けたわ…正直、不思議やったんよ」 「ゆーし」 「ジローの病的な睡眠の多さも、そのわりに不相応な才能も…テンションのギャップなんかもな」 そういうものだと思ってしまえばそれまでやったけど けれど テニスは才能があっても練習せな上手くならんもんやし 勉強はどんなに頭や効率がよくても、しなければ身につかないものやし 人間は理由もなく睡眠をとれる生き物でもあらへん 「ジローの睡眠が多いのは、幼少期の副作用なんだ。なんせ、薬漬け、教育漬け、洗脳漬けだったし? もう俺しかいねぇけど、昔はもっと細かく人格がわけられていたしな…」 「自分は…才能担当いうところか?」 「才能担当ってほどじゃねーよ。ジローが使わない才能を俺が担当してるってだけ」 なら、それはほとんどやないか 「自分も、いつかジローに統合されるん?」 「さぁ?俺もまわりもそのつもりだけど…」 「そのままで十分バランスがとれているんだ。わざわざ、その形を崩す必要はねーだろ」 「…というわけ」 「ほぅか…で、その慈郎がなんででてきたん?」 「忍足ってほんと、意地悪いのな。わかってるくせにぃ」 「俺はわかっとっても、他の奴らはわかってないし…教えたってぇな」 慈郎は、もうたまらないという風に笑うた 「不二になんぞ怨みでもあるん?」 「ある」 答えはいっそ、すっぱりと あのジローにここまで恨まれるなんて いったい、なにをしでかしたんや? あの青学の天才サマは
最初はただ、仇をとるつもりだったんだ 裕太を15分で破った、氷帝の秘密兵器 嫌な奴なのだろうと、思った けれど
「マジマジ?!すっげー。今の見た?」
キラキラした眼は、そんなものでは、なくて 世界は悪意だけではないのだと、久しぶりに思いだした 無邪気で純粋で、好奇心のかたまりのようなテニスをする
「また、おめーと試合してーな」 「うん。あのマジックボレーはくらいたくないけどね」
そんな他愛のない会話から始まった、僕たちは
なのに… ウソ、だろう? あんな簡単なケンカひとつで もう二度と君と笑い逢えない、なんて そんなのは、ウソだ
ねぇ、芥川くん?
消えたりなんてするものか
「うん、いいよ」
慈郎は確かにそういった それはまだ、俺がジローで、ジローが慈郎と呼ばれていた頃 そう、最初、慈郎の名はジローのものだった ”うん、いいよ” その言い方に俺の中で何かが
キレタ
だって、コイツは知らない 消えることへの恐怖なんてわからない この体の本当の所有魂である慈郎には 唯一の人格である慈郎には 俺の気持ちなんてわかりっこないんだ じゃぁ消えろ 今すぐ消えろ 消えて、この体を俺にくれよ 俺は消えたくない、消えたくない 他のやつらのように消えたりはしない なにもできないなんていやだ 消えたくない、消えたくない、怖い、消えたくない 消えたって構わないお前と 消えたくない俺 だったら、俺が残ったっていいじゃないか 景吾のあまりの完成度に ”やはり、代替品は必要なかったか” そういわれ続けてきた俺たちだったけれど いらないといわれながら それでも、捨てることも許されない俺たちだけれど 景吾は自分の意思で生きられるのに そんなことを望むことすらできない存在だけれど それでも俺は 消えたくはないんだ 慈郎が言う 「じゃぁ、お前が残るといいよ」 …なんで? 消えることが怖くはねーのかよ? 「どうして?」 …消えるってことは、いなくなるってことだ 何も残らないってことなんだ 「それは違うよ、俺たちは還るだけ」 消えるのではなく、帰るのだ 遊びつかれた子供が家路につくように 「俺たちはもともとひとつなんだから」 悔しくは… 悔しくはないのだろうか? ”自分”が消えてしまっても 「消えないよ、還るだけだもの…他の誰にもわからなくても、芥川慈郎にならわかる」 ポッキーが好きだったのは3っつめのあの子 口調が荒っぽくなるのは8っつめの彼 ヘンな語尾をつけるのは4番目の少年 こっそり宍戸に恋をしていたあの娘 「みんなここにいるだろ?オレもそこに還るだけ」 慈郎はにこりと笑った 「だから、時々でいいから、お前がオレを見つけろよ?」 その笑顔に涙がこぼれた 慈郎は優しくオレの涙を拭ってくれた 「俺たちはたしかに、いらないといわれてきたけれど…それでも、俺にはお前が必要だから」 景ちゃんのために必要だから 俺自身のために必要だから 俺は必要なくても、君が必要ないわけじゃぁないんだ だから、この体が欲しいというのなら君にあげるよ 「今日からお前が、芥川慈郎だ」 そうして俺は慈郎になって 慈郎はジローになった 「ひとつになったらもうこわくないし、さみしくもないね」 あぁ、もう、それだけで、よかった それだけでよかったんだ だから だからこそ、やはり俺は消えたくはない 俺たちはひとつになれない ひとつになってしまったら 誰がジローを護るんだ? 魂にすら執着しない、この優しい存在を 誰が護るというのだろう? ひとつになってしまったら オレがお前を護れないじゃぁないか お前を護るよ、ジロー 全ての悲しみから お前に降りかかる全ての涙から それでもお前が涙するときは オレが必ず力になるから… お前はそれだけのものを、俺にくれたんだ だからやっぱり
オレは消えるわけにはいかないんだ
俺たちの申し出を、許してくれたのは、景吾だった おれたちは、ひとつになることなく、ふたりになった 『…ジローを護れ。それが条件だ』
護るよ だから
今、目の前にいる男を許すわけにはいかない
「君は…誰だ?」
ずっと聞きたかったこと このゲーム中、そんなことばかりを考えていた それを、敗北の理由にはしないけれど 「んー?」 「…君は、誰?」 「慈郎、だよ。芥川慈郎…なにいってんの?」 いやだなぁ、と慈郎が笑う 嘲う
違う
「違う」
「…?」
「芥川君は、そんな嗤いかたをする子じゃないよ」
君は誰? 酷く不愉快だ
「不二に、俺の、何が、わかるっていうんだよ?」
「どうして、わからない、なんて、決め付ける?」
僕は芥川君の… 僕は芥川君が
「芥川君は?」
「なに、話しとるんやろ?」 「さぁ…」
コート上の慈郎と不二は動かない その異様な雰囲気に、誰も口を挟めないまま時間だけが過ぎる ふいに 慈郎の表情が変わった (あれは…)
「不二ぃ、負けたせいで混乱してるんじゃない?」 「いいや。負けたおかげかな?これほど冴え渡ることはめったにないよ」 「…ふぅん、そ。どーでもいいや、じゃぁな、不二」 急に興味をなくしたような声 ひらひらと、軽く手をふって、慈郎はコートから去ろうとする が 「逃げないでよ。僕は、芥川くんに用があるんだ」 「だからぁ、俺がそうだってば!」 「違う。君じゃぁ、ない」 「…っ」 「僕は芥川くんに謝らなくちゃいけないんだ、だから、かわってもらえないかな?」 「………」 「それとも、変われないの?だったら、また日を改めるよ」 「〜っしつけーなぁ!俺が慈郎だっていってるじゃん!」 「ジロウ、ね。それが君の名前?」 「?!」 「微妙に発音が違うよね。ジローとジロウじゃ…さしづめ、君は漢字ででも書くのかな?”慈郎”と」 「てめ…っ」 不二はゆっくりと立ち上がった 魂の抜けたような表情に、生気が戻っている 「じゃぁ、僕が好きなのはジローの方の芥川くんだ…ねぇ、慈郎くん。かわってもらえないかな?」 「…」 「僕は彼に謝らなくちゃいけないんだ。仲直りしたい。だから…」 「変われねーよ」 不意に、慈郎の声音が変わった 「変われない、お前をジローには合わせない」 「…どうして?」 「どうして?自分の胸に聞けよ。お前はジローに絶対に言っちゃいけない言葉を言ったんだ」 「…」 「けど、あいつは優しいから…お前が謝れば許しちまう…だから、合わすわけにはいかねぇ」
「慈郎!」
声は 「…景吾?」 その声は、コートの外から 「お前の負けだ」 「…はぁ?いきなり、なにいいだす…」 慈郎が振り向く そのとき
パタパタ
何かが…おちた…
「え?…うそ…」
呆然と、信じられないもの、見る それは
「涙?…おい、嘘、だろう…ジロー…」
あわてて拭う けれど、涙は収まらない
「くそっ、なんで…」 「慈郎」 跡部が隣に立った いつの間にか、不二も、ネットをはさんでこちら側まで来ている 「お前の負けだ、ジローを起こせ」 「俺は負けてなんて…」 「じゃぁ、なんでお前は泣いてるんだ?」 「俺は泣いてなんて…」 「そうだ、泣いているのはお前じゃねぇ、ジローだ」 「…っ」 「ジローは、不二を許しちまったよ」 そういって、跡部は、ジローの涙を拭った 「起こせ、あとはジローの問題だ」 「〜っ、俺は許さねーからな!不二!」 「…うん、ごめんね。慈郎くん」
ふいに ジローの体が、崩れる 最初からそれを知っていたのか、跡部はゆっくりとそれを抱きとめた
「医務室まで樺地に案内させる」 「ありがとう」 「今回はジローに免じて許してやるよ…二度目はねぇけどな」 「わかってる」 「次にジローを泣かせてみろ。…慈郎がでてくる前に、この俺様が許しちゃおかねぇ」 そういったところで、樺地がついた ジローを預ける 樺地はジローを少し心配そうに見ると、優しき抱きかかえコートをあとにした 不二もその後に続く その後姿を見送って 「さぁ、試合再開だ。俺様の相手は誰だ?」 跡部の声が、コートに響き、長い長い氷結時間はようやっと解け、流れ始めるのだった
不二は強かった? …あぁ、でも、俺が勝ったぜ…なぁ、ジロー なぁに? なんで、アイツを許すんだ? あのね、俺もね、不二に謝りたかったから … ごめん …いいよ。別に。お前は、俺に謝らなくてもいいんだ でも… あーぁ、たまに働いたら疲れた。もう、寝るぜ …ありがとう
おやすみ おやすみ
良い夢を…
「…不二、だ」 「芥川くん…」 「へへ、慈郎は強かっただろ?」 「…うん、負けちゃった」 ジローはにこりと笑うと 「不二はたまに、負けたほうがいいよ」 「…そう、だね」 不二も笑う 「あんな、不二…」 「あのね、芥川くん…」
ごめんね
先にその言葉を言ったのはどちらだったろう?
遠くコートの歓声に消されてしまって、それは2人にもわからなかった。
ちまちま書いていた不ジロがやっと書きあがり 書きあがりといっても、なんか、延々と続く話を無理矢理終わらせた感じですが あれです。これ、もしかしたらキャラごとにわけたほうがいいのかも… 一人称でキャラごとに視点がくるくる変わっていくので、まとめて読むと 疲れそうなんですが…書き終わったあとでなんですが(汗) とりあえず、前からやってみたかったネタなので、かけて満足。くらいの 心意気で。えぇ。出来は問いませんよ(くっ)
新しい読みきり格納庫は「終末の過ごし方」で。アボガドですな。 というか、早く、「虹を見つけたら教えて」を終わらせろorz
あー、それと文字数の関係上まっぷたつにわかれます; 今日は前編をどうぞ!
ごめんね
「why R U crying…?」
「6-2かぁ」
長い沈黙だった 無神経に、その沈黙を破ったのは、状況を作り出した慈郎本人 酷く悪い笑顔を浮かべる 「残念。本当は6-1に抑えるつもりだったのに…やっぱ、不二は強ぇなぁ」 審判の声がそれを告げる
「Won By…氷帝・芥川!」
ざわっ 遅いコールを合図に、やっと時間が流れ出す 「嘘、だろぉ…」 「不二が…負けた…」 「乾」 飲み込めない状況をなんとか打破してもらおうと、名前が呼ばれる が、乾は緩慢な動作で首を横にふった
「えらい驚いとるわ、青学のやつら」 向かい側のベンチを見やりながら、忍足がつぶやく 「仕方ありませんよ」 「だな。俺たちだって未だに信じられねぇんだからよ」 律儀な鳳と、相方である岳人がそれに返した 「あーぁ…可愛そうになぁ、不二の奴…完全に魂ぬけとるで?あれ」 哀れみの視線と言葉 と、試合中ずっと沈黙を保っていた彼が口を開く 「自業自得、だ」 「…跡部」 感情のこもらないその言葉に、ふと、全員が数日前を思い描いた
『俺、不二と試合がしたい』
強い奴と戦えればそれでいい そのスタンスのせいか、常日頃のサボリ癖のせいか、普段はオーダーに希望をだすどころか ミーティングに顔をだすこともしない慈郎のリクエストに 流石の榊太郎(43)も言葉を失った 「…なんや、珍しいなぁ、明日は雨でも降るんとちゃうか?」 肩をすくめ、苦笑をしながら、忍足は隣に座っていた宍戸に話しかける と… 「宍戸?」 「……」 いつもなら、同じように帰ってくる軽口はきつく結ばれたまま その視線は、かわることなく慈郎にむけられている 「?」 不思議に思って、忍足もつられるように視線を慈郎へと戻した 珍しく覚醒している以外、慈郎に変わった様子は見受けられない 「いいでしょ?監督」 「…だが、芥川、お前は一度、不二に負けているだろう」 ゆっくりと、榊は言葉を口にした ひとつひとつを考えるように続ける 「いくら練習試合とはいえ、同じ相手に2度目の負けは…」 「勝つから大丈夫」 言葉を遮る ざわっ レギュラーを動揺が駆け抜けた 「…」 「監督」 「どうした、跡部?」 「俺とジローを試合させて下さい」 カタン 静かな椅子の音 「その試合結果を見たうえで、判断を」 「…わかった」 「マジマジ?へへ、俺、がんばっちゃうもんね!」 ガタンッ 跡部とは対照的に、大きく椅子からとびのく そのまま、傍らにおいてあったカバンを手に取ると、慈郎は扉をでた 「跡部、跡部、はやくー」 「…」 呼ばれ、跡部も自分の荷物を手に取る そのまま静かに外へ続いた 残されたのは、呆気にとられたレギュラー陣 「なんや、跡部…ちょぉ様子がおかしない?」 ポツリと忍足がつぶやいた 「そうか?あれは単にジローに甘いだけだろ?」 やれやれと岳人がたちあがる そうやろか? 言葉にせず、忍足は思う たしかに ひとつひとつは小さな変化なのだが、これだけそろいだすと、少し疑問にも、思う たとえばジローがミーティングに顔を出したこと あまつさえ、不二を名指しで指定したこと 宍戸の様子がおかしいこと 跡部の様子もおかしいこと ひとつひとつは小さなことなのだ ジローがミーティングに顔をだしたのはこれが初めてではないし 不二との試合を望むのも、負けているという前科があるからであろうし むしろ、それをいいたいがためにミーティングに出、おきているというのなら、筋もとおる 宍戸の様子がおかしいのは、たまたまかもしれないし 跡部がジローに甘いのは、いつものことだ いつものこと、だったはずなのに
ケンカの理由は覚えていない 覚えていないほど、ささいなことだったと、思う ただ、最後に彼に投げつけた言葉 それだけは、まるでついさっきのことのように、鮮明に
『もう、いい』
それだけだと、なんのことかわからない それほどにシンプルで、単純な、言葉 けれど
酷く、傷ついた、顔を、した
ケンカをしたことに後悔はしない 感情をぶつける事だって立派なコミニケーションの一つなのだし 相手の譲れない一線を知る事だって重要な人間関係の一環だ けれど 最後の言葉と、そのときの彼の表情と それだけは、まるで棘のように、心に残って ちくちくと僕を苛んで だから 今日の試合が終わった後、仲直りをするつもりで、いたんだ いたのに…
(あぁ、そうか) ふと、その試合を思い出す 今までにないほど強い、デ・ジャ・ビュ あれはたしか (80年のウインブルドンファイナル。ボルグvsマッケンロー戦…か) 王者ボルグと、当時まだ新星であったマッケンロー 誰もが王者の勝利を確信するなか、自身のスタイルを崩すことなく挑戦し続け 敵意ある観客をそのプレーひとつで黙らせた テニス史上でも、もっとも有名な一戦 例えるなら今の試合は、ソレだ なによりも、手に握られた汗がそれを証明している バシッ ボレーがひとつ ざわざわっ きまれば、コートを取り囲む人垣が揺れた ざわめく準レギュラー以下の部員たちとは真逆に、レギュラー陣は静かにその試合を見守っている ボールの弾く音すら拾うかのように その微細なテクニックのひとつすら見落とすものかというように (確かあの試合は…) 結果を思い出すよりも早く、コールが響いた 「GameSet…Won By…跡部!」 ひときわ大きな波が、駆け抜ける 跡部はなにもいわず、立ち尽くしていた 「…はぁ、負けたー、やっぱ跡部は強ぇなぁ!」 芥川は、満足そうに笑うと、コートに大の字に寝転がる そのときやっと、世界がじき夜という時間に近いのだと気づく 時計は夕方を飛ばしていた 「監督」 「…」 声は、今まで沈黙を保っていたレギュラー陣から 代表するかのように、一番、私に近い場所にたっていた忍足が口を開く 「ジローに、どないな指導をしたんです?」 「…私はなにもしていない」 「嘘だ!だって、あれ…あんなの、ジローのプレーじゃ…」 「私はなにもしていない」 向日が言葉を詰まらせるのと、私の言葉がかぶる (どういうことだ?) 誰よりも、それを聞きたいのは、私だ 芥川のプレイスタイルは、手首の柔らかさという天恵を最大限に生かしたサーブ&ボレー 本人の性格とあわせて、それは才能のないものが望んでも得られない一つの完成された形であった あったはずなのに 今の試合は、なんだ? 確かに基本はサーブ&ボレーだった けれど、驚くほどに攻撃の幅が広くなっている 転じて、リストワークからくる防御にも隙がなく 攻守共に完璧のオールラウンドスタイル あの跡部とほぼ互角の いや、この試合、勝敗はまったくわからないものであった あんなテニスを、芥川に、教えたことは、ない 「監督」 思考を遮ったのは、張本人の、少し甘い、声 「…」 「へへ…」 照れたように、笑ってみせる 「忍足、樺地」 「…はい?」 「ウス」 「青学との練習試合までの3日間、芥川の相手をしてやれ」 「え…?」 「ウス」 「不二は手強い、2人を相手にシュミレーションを怠るな。それが条件だ」 「はーい!ありがとうございまーす」
大好きなんだ だって、君は、跡部以外で初めてドキドキした人 あの丸井君にだってこんな気持ち抱かなかった 綺麗で、強くて、優しくて だから
『もう、いい』
そんな風に言われたら
俺は…
おれ、は………
俺はもういいの? 俺はもういらないの? もうその綺麗な手で頭を撫でてはくれないの? もうその強いテニスを肌で感じることはできないの? もうその優しい笑顔をむけてはくれないの? 俺はもういらないの? 俺はもういらないの? 眠るたびに君の夢を見て そのたびに目がさめて ついには眠れなくなってしまって でも、起きていると君の言葉ばかりを考えて 君が最後に、俺に渡した、言葉の破片を 考えるように、両手で遊んでいたら
俺のココロはボロボロになっちゃった
もう血も涙も出やしない ただ、ただ、悲しみだけが尽きることなく 俺のココロに悪戯に傷を増やして
(もう、いい)
もう、いい?
そうか、もういいんだ もう眠ってもいいんだよね? (そうだ、少し、寝たほうが、いい) 考えたら疲れてしまった ドロドロと 俺の心が崩れ落ちていく どろどろ こんな小さなただの無機物になってしまえば 君の夢をみることもないだろう あぁ、やっと眠れる (おやすみ) もう一度、起きるかどうかは、眠ってから考えるよ (…) だって
みんな、俺を、いらない、というんだ
みんな・俺・を・いらない・と・いう
だから、もう、いいや
だから、もう、いいよ
おやすみなさい、よい、夢を
「ジローはどうしてる?」
「…」 ほんの少し考える時間をもらう けれど 小さな頃から完璧な、この美しい幼馴染をからかうのも誤魔化すのも時間の無駄だと悟ると 「寝てるぜ」 簡潔に回答 「…なぜ出てきた?」 「別にぃ?単純に、負けっぱなしってのはきにいらねーだけ」 「…」 「…」 「…」 「あー、嘘です。ゴメンなさい」 「突き通せないような嘘を吐くな」 「はいはい」 ガサガサ 俺は、鞄をあさってみる お、ムースポッキー発見 「ジローは知っているのか?」 「もちろん。俺が不二と戦ってみたいっていったら”不二は強いよ”とのお墨付き」 「…で?」 「…?」 「なにを企んでいる?」 「企んでなんて」 ガサガサガサ 遠慮なく、袋を開けて、中身を食す 「たとえば、さ」 「…」 「ケンカをしたとするだろ?で、相手は謝ろうとしてるわけだ」 うん、甘い! 一口食べて、嫌になった 「”この試合が終わったら謝ろう”そう思ってる相手を、徹底的に潰したら…」 パキィン 軽く力をこめたら、折れる もろい、脆い クスクスクス そこまできて、笑いをかみ殺せなくなってしまう 「…随分と嫌ったな」 「当然」 だって、不二が、言ったんだぜ 『もう、いい』 もういらないと ジローを否定した 自分から捨てておいて、また拾おうだなんて 虫が良すぎるとは思わないか? 可愛そうなジロー 可哀そうなジロー それでも不二を嫌いになれなくて、泣くことしかできなくて、壊れてしまった
いらないジロー
ずっと、”いらない”と、言われ続けてきた、哀れな子供 けれど捨てられることはない ならいっそのこと、捨ててくれた方が楽なのに 捨てることもされず、ただ”いらない”と言われるだけの存在 唯一無二の代替品
「ジローを不要品扱いする奴は、俺が、全部、捨ててやるよ」
おまえなんていらないと なら、オレだっていらない 「たとえそれが、世界であっても、な」 俺はジローのように"優しい存在”にはなれない けれど、ジローにはなれない"優しくない存在”にはなれる
ジローが捨てられないものは、俺がそうやって、今まで、全部
捨ててきた
「景吾も…例外じゃぁないんだぜ?」 「…お前は、自分の半身をいらないと思えるのか?」 「…」 「ジローにとって俺が絶対であるように、俺にとってもジローは絶対だ」 机の上には、こなごなになった、かつて、菓子であったもの 「はいはい、悪ふざけが過ぎました。ごめんなさーい」 「不二は手ごわい、練習を怠るな」 「はいはい」 「ジローとして試合にでる以上、負けることは許さねぇ」 「そんなに念を押さなくてもわかってるって」 景吾がオレの名前を、呼ぶ
「慈郎」
オレの名前は、芥川慈郎
| 2006年03月03日(金) |
早売りWJネタバレの日 |
ジャンプ(というか、テニス)ねたばれです。
読む前から、ちょっとドキドキしてしまいました。 あー、いろんな意味で心臓に悪い さて、とりあえず結論から
ジローは今週もいません orz
でも、跡部が6−5でリードしてます!がんばってー(><)
その他、目に付いたこと箇条書き ・跡部「だがテメーはオレには勝てねぇ 未来永劫な!」 ・「跡部ってあんなテニスだっけ?」 →鉄壁の守備で持久戦に持ち込ませ相手の弱点を突き崩し、肉体的そして 精神的にも相手に敗北の2文字を与えるのが奴のテニスやんなぁ ・監督「跡部は相手を平伏させるために持久戦を選択して楽しんでいたに すぎない。ゲーム感覚でな」 ・監督「それだけの素質をもった天才オールラウンドプレイヤーだからな。 しかし、今の跡部は違う…自分の欲求は捨てた、あれが彼の本来のテニスだ 超攻撃型テニス!」 ・監督「部長としての選択だ。氷帝の勝利のために!」 ・6−5で跡部リード ・あ、荒井様がいるv
・鉄柱が折れて落下してくる照明(え、もしかしてノーゲーム?!)
・落ちてきた照明の合間にリターンする越前 ・跡部6−5で1ゲームリード
不二の誕生日に不ジロSSのひとつでもUPするつもりが、なんか 書ききれずにグタグタと2日ほどたってしまいました。申し訳ない。 というか筆は進むんですが、終わらないし、不ジロじゃないし、 跡部様は出張ってくるんだし、やりたい放題やってるし、なんか話に ストーリー性がないしで、なんか、もう、いろいろ諦めてみました 普通にSSとして、そのうちUPします。そのうち。
さてさて 今日は3/4公開の劇場版Zガンダム第3部のおさらいと称して、 1作目を見てました。やっぱ1作目はおもしろいなぁ。2作目はまぁ、 あれですよ。おいら、ベルトーチカ嫌いだから…多くは語りません クワトロのセクハラなんて言葉じゃ足りない某手つきとか、 乙女美ジョン全開のシャ×アム←カミ。なラストシーンとか堪能。 あのシーンのヒロインは間違いなくアムロさんだと思われますよ。 今更なんですが、お前ら、ニュータイプ能力はもっと別の場所で 生かそうよ。そんな愛コンタクトとってないでさ(笑)
で、そんな風にZ鑑賞の後、ちょこっとポップンをプレイして ひさぎに、いまだ自力でクリアできない某GAのガンシューティングと フライングディスクのミニゲームをやってもらう。 あのミニゲーム、まともにクリアできるのが、ミルフィーのドキドキ☆ クッキングだけなんですがorz。誰か駄菓子DEぽんでミルフィーに 勝つ方法を教えてください。どのくらいラッキーな人なら勝てますか? 哲也でもつれてこいって?千石さんじゃダメですかね?…千石さんは たぶん、ラッキースターを動かせると思いますYO。 で、フライングディスクなんですが
タクト萌え
えぇー?!あれぇ?!タクトってこんな萌えっ子でしたっけ? なんか、えらい可愛いこけ方してるんですが!!(大興奮) だって
とてとて…ぽてっ…
ぽてっ、じゃねぇ
なんと破廉恥な!?(byブレックス) 普通にゲームやってたひさぎ曰く「子供みたいな転び方」と言われたタクト
かわいい…
くそぅ、かわいすぎじゃないか、コンチクショーorz もう、ね、あれですよ。あのミニゲーム。エンジェル隊はたぶん、タクトの あの転ぶ姿がみたいがために、5対1なんて「え?これイジメ?」みたいな ゲームにタクトを誘ったんですよ。おいらも生でみたい、みたい、みたい ヴァニラ「いきます」 ぽてっ ヴァニラ「…ぁ(かわいい)」 ランファ「いくわよー」 ぽてっ ランファ「もぅ(かわいいんだから)」 ミント「いきますわよ」 ぽてっ ミント「あらあら(可愛いですわ)」 ミル「いっきまーす」 ぽてっ ミル「あれ?(かわいいです〜)」 フォルテ「いっくよー」 ぽてっ フォルテ「おや(かわいいねぇ)」 その様子を影から、ビデオにとってるクロミエとか絶対いるって! ちょ、おま、そのビデオ売ってくれ!財布と相談していくらでも出すから! レスターさんとかきっと買い占めてるよ。ぐっじょぶエンジェル隊とか 思ってるよ。最高だよ。お前ら!タクトイジメにかけてはたぶん、他に 出るものいないよ。ありがとうエンジェル隊!ぶらぼーエンジェル隊! エオニア様もきっとお忍びで買いにきてるよ。ビデオ見たシヴァ皇子は やっぱタクトは犬のようだとか思ってるよ。首輪似合うよ。誕生日に プレゼントしてあげようよ!おいら飼いたいタクト犬。きっとかわいい。 ついでに上田さんの声もかわいい。「がんばれv」とかな!それしか 言わないけどな!かわいいからいいんだよ!クロミエの財布も潤います その潤った金額をちょっとはタクトに上げてください。なにかおごって あげてーあげてー。でも下手に怒らすと地獄に流されそうです。ガクブル。
なんか、異様なテンションで話がぶっ飛びましたが、あれですよ
タクト可愛いってことで
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